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IaaSとは?PaaSやSaaSとの違いや各サービスの具体例、メリットを解説

IaaSとは?
PaaSやSaaSとの違いや各サービスの具体例、メリットを解説

2025 2/7
IaaSとは、インターネットを通じてITインフラをクラウドで提供するサービスです。IaaSの導入によりサーバーなどの物理的な構築が不要となり、ITインフラの迅速な構築と短期間でのサービスの立ち上げが可能です。また、必要に応じてリソースを柔軟に利用できるうえ、初期費用やコストの削減なども期待できます。この記事では、IaaSの基本的な特徴から、PaaSやSaaSとの違い、具体的な活用例、メリット・デメリットを解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.IaaSとは

IaaSとは、インターネットを通じてサーバーストレージネットワークなどのITインフラ提供するクラウドサービスです。サーバーなどのハードウェア購入せずに迅速インフラ環境構築できる点が特徴です。


1-1. IaaSはインフラ環境を提供するサービス

IaaSは「Infrastructure as a Service」の略称で、日本語では「イアース」または「アイアース」と読みます。名称に含まれる「Infrastructure (インフラストラクチャー)」が示すとおり、ITシステム基盤となるインフラ環境提供するクラウドサービスです。

従来インフラ環境構築には物理的サーバーストレージネットワーク機器購入不可欠でした。しかし、IaaSを利用すると、これらのリソースインターネット経由簡単利用できます。必要な分だけ利用できる柔軟性特徴です。

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1-2. IaaSの代表的なサービス一覧

IaaSの代表的サービスを4つ紹介します。

いずれのサービスもKDDIが手厚サポートしており、初めてIaaSを導入する企業でも安心して利用できます。

2.IaaS、PaaS、SaaSの違い

IaaS、PaaS、SaaSはどれもクラウドサービスを指しますが、提供範囲利用目的が異なります。

それぞれの違いは次のとおりです。

内容 ユーザーの管理範囲 利用例 自由度
IaaS インフラ環境
(ハードウェア)
OSやアプリのインストール・設定・管理
  • ウェブサイトやアプリケーションの運営基盤​​
  • データバックアップ​​
  • 開発​​
  • テスト環境​​
PaaS 開発プラットフォーム (OS・ミドルウェアなど) アプリ開発やデータ管理
  • アプリケーションやソフトウェアの開発
  • テスト
  • データ処理​​
SaaS 完成済みソフトウェア ソフトウェアの利用のみ
  • メールサービス
  • オフィスツール
  • 顧客管理システム​​

自社目的利用シーンに合わせて、最適サービス選択し、業務効率化コスト削減につなげましょう。

ここからは「PaaS」「SaaS」について、概要代表的サービスメリット・デメリット解説します。

3.PaaSとは

PaaSとは、アプリ開発実行環境利用できるクラウドサービスです。

導入前に知っておきたいPaaSのポイントは次の3つです。それぞれについて詳しく解説します。


3-1. PaaSはプラットフォームを提供するサービス

PaaSは、「Platform as a Service」の略称で、「パース」と読みます。アプリケーション開発実行するためのプラットフォームクラウド上で提供するサービスです。

例えば、新しいアプリ試作品短期間作成する際やデータ処理データ分析システム迅速構築したい場合に適しています。


3-2. PaaSを利用するメリットとデメリット

PaaSを利用するメリットは、開発環境整備されている点です。インフラ構築設定時間労力をかけずに、開発作業集中できます。また、ハードウェア購入不要で、初期投資削減できるのも利点です。

一方、IaaSより自由度が低く、カスタマイズ制限される点はデメリットです。加えて、システム安全管理サービス提供者依存するため、セキュリティ対策確認しておくことが重要です。


3-3. PaaSの代表的なサービス一覧

PaaSの代表的サービスとして、次の3つが挙げられます。

サービスとも.NET、Java、Node.js、Python、PHPなど、幅広プログラミング言語対応しており、アプリケーション開発から公開までを迅速かつ効率的に進めるための強力プラットフォームです。

4.SaaSとは

SaaSとは、インターネット経由ソフトウェア機能提供するクラウドサービスです。インターネット環境があれば、ユーザーはいつでも最新機能利用できます。

導入検討する前に知っておきたいSaaSのポイントは3つあります。それぞれについて詳しく解説します。


4-1. SaaSはソフトウェアの機能を提供するサービス

SaaSは、「Software as a Service」の略称で、「サース」または「サーズ」と読みます。クラウド上で利用されるソフトウェアサービスです。

代表的な例として、メールやSNS、ビデオ会議などがあり、ビジネスから日常生活まで幅広利用されています。

クラウド上のソフトウェア自動更新されるため、ユーザー側のインストール更新作業不要です。データ処理クラウド側で行われており、多くの場合ユーザー端末スペックにかかわらず快適利用できます。


4-2. SaaSを利用するメリットとデメリット

SaaSのメリットは、クラウドソフトウェア管理されている点です。インターネットを通じてアクセスできるため、ソフトウェア購入する場合比較すると、初期コストを抑えられます。従量課金制複数プランがあることも多く、ユーザーニーズに合わせて柔軟サービス選択できるのも利点です。

一方セキュリティ管理提供者依存するため、管理不十分だと情報漏えいなどのリスクが生じる点はデメリットです。


4-3. SaaSの代表的なサービス一覧

SaaSの代表的サービスとして、次の3つを紹介します。

5.用途に応じたIaaS、PaaS、SaaSの選び方

ここまで紹介してきたIaaS、PaaS、SaaSは利便性負担コスト、主な用途に違いがあります。企業ニーズ開発要件多様化しており、最適クラウドサービス選択することが重要です。

それぞれの違いを比較してみましょう。

利便性 負担コスト 主な用途
IaaS 自由度が高く、ニーズに合わせたカスタマイズが可能 サーバー設定やアプリケーション管理などはユーザーが管理しなければならないため、専門知識が必要となり、負担コストは増大 自社要件に合わせて柔軟なインフラを構築したい場合や、大規模システムを運用する場合
PaaS 開発環境が整備されており、インフラ構築や設定の時間、手間を削減できる インフラの一部はプロバイダーが管理しているため、IaaSと比較すると負担が軽減 アプリの迅速な開発や短期間のプロジェクトで効率化を図りたい場合
SaaS 即利用可能で、ユーザーによるメンテナンスが不要 ソフトウェアの管理はサービス提供者に依存する オフィスツール、ビジネスコミュニケーションツール、顧客管理システムなど、日常業務全般

自由度の高いカスタマイズ必要とし、独自インフラ管理体制構築できる場合はIaaSがおすすめです。ユーザー基盤設定管理を行う必要がありますが、システム柔軟設計できるのが大きなメリットです。

アプリ開発データ処理環境迅速活用したい場合は、PaaSが適しています。インフラ設定管理手間をかけることなく、開発テスト必要機能をすぐに利用できます。

ソフトウェアをすぐに活用したい場合は、SaaSを選びましょう。メールサービスオフィスツールなど、即座業務活用できるツール豊富提供されています。

それぞれの特徴や違いを把握したうえで、自社目的ニーズに合わせて最適サービス選択しましょう。

6.IaaSを導入する3つのメリット

IaaSの導入は、企業にとって大きなメリットがあります。以下では、柔軟性とスケーラビリティ、コスト削減、迅速な環境構築という3つのポイントに絞って詳しく解説します。


6-1. 柔軟性とスケーラビリティ

IaaSは必要なときにリソースを増減できる柔軟性を備えています。急なアクセス増加や新規サービスの立ち上げ時にも、物理サーバーを追加せずクラウド上で対応可能です。オートスケーリング機能により、負荷に応じてリソースを調整できるため、過剰投資や性能不足のリスクを抑えられます。また、災害時に別リージョンへ切り替えられるため、BCP対策としても有効です。

  • 注) BCP (Business Continuity Plan) とは、災害や事故などの緊急事態に備えた事業継続計画。BCPの意味の詳細はこちらをご覧ください。

6-2. コスト削減

IaaSは従量課金モデル基本で、利用した分だけ料金支払仕組みです。オンプレミス環境のような高額初期投資保守費用不要で、サーバーネットワーク機器購入管理コストを抑えられます。さらに、リソース必要な分だけ確保できるため、無駄キャパシティを抱える必要がありません。長期的運用コスト予測しやすい点も、企業にとって検討材料となるでしょう。


6-3. 迅速な環境構築

IaaSでは、仮想マシンやネットワーク設定を短時間で構築できるため、開発やテスト環境の準備がスピーディーに進められます。従来のオンプレミスでは数週間かかるサーバー調達や設定作業が不要になり、プロジェクト開始までの時間を短縮可能です。これにより、市場の変化に対応するスピードを高めたい企業にとって、選択肢の一つとなり得ます。

7.IaaSを導入する前に知っておきたい注意点

IaaSはユーザー自由サーバーネットワークなどの環境構築を行えるため、柔軟性が高く多様ニーズ対応できるクラウドサービスです。特定要件開発高度カスタマイズ必要とするプロジェクトで広く利用されています。

一方で、注意点が3つあります。それぞれについて詳しく解説します。


7-1. 自社での環境構築の必要性

IaaSで提供されるのは、サーバーストレージネットワークなど基本的インフラのみです。OSのインストールセキュリティ設定必要ソフトウェア導入など、目的に応じた環境構築ユーザー自身が行わなければなりません。サーバー設定ネットワーク構成調整も求められるため、専門的知識スキル不可欠です。


7-2. 定期的なバックアップが必要

IaaSはデータバックアップ復旧可能ですが、ネットワーク障害人為的ミスに備えるべく、定期的データバックアップが求められます。BCPの観点からも、クラウド事業者機能に加え、自社でのバックアップ計画策定し、定期的検証することが欠かせません。


7-3. 一定の専門知識が求められる

IaaSは柔軟性が高い反面サーバー構築ネットワーク設定セキュリティ管理などの運用利用者側責任となります。そのため、仮想化技術やOS管理アクセス制御などの専門知識必要になるケースがあります。社内十分なITリソースがない場合外部運用支援サービスマネージドサービス検討することも選択肢の一つです。

8.Iaasを選ぶ際のポイント

IaaSを導入する際には、サービス選定成功の鍵となります。コスト性能だけでなく、セキュリティサポート体制など、企業ニーズに合ったポイントを押さえることが重要です。

以下具体的な選び方のポイント解説します。


8-1. 自社の目的に合っているか

IaaSは柔軟インフラ提供しますが、導入前自社目的合致しているかを確認しましょう。例えば、開発環境迅速構築大規模データ処理システムスケーラビリティ強化など、目的によって適したサービスは異なります。また、将来的にPaaSやSaaSとの連携必要か、社内のITリソース運用可能かも検討すべきポイントです。


8-2. セキュリティ対策は充実しているか

クラウド環境では情報漏えいや不正アクセスのリスクがあるため、IaaS選定時はセキュリティ機能を必ず確認しましょう。暗号化、ファイアウォール、アクセス制御、ログ監視に加え、多要素認証やISO27001・SOC2などの認証取得状況も重要です。

さらに、国内リージョンでのデータ保管や障害時の対応体制、コンプライアンス要件への準拠を確認することで、安全性と信頼性の向上が期待できます。


8-3. 長期的なコストメリットはあるか

IaaSは初期投資を抑えられる一方利用量に応じた課金長期的コストが膨らむ可能性があります。選定時には、リソース自動スケーリング料金プラン柔軟性割引制度有無確認しましょう。また、運用管理効率化障害対応迅速性も総コスト影響します。単なる月額料金だけでなく、総合的費用対効果見極めることが大切です。

9.まとめ

IaaSは自由度の高さが魅力クラウドサービスです。サーバーネットワーク設定自社ニーズに合わせてカスタマイズでき、必要に応じたリソース増減可能です。企業状況変化に、柔軟対応したインフラ構築に適しています。

IaaSを活用するには環境構築専門知識が求められますが、初期費用を抑え、安定したシステム運用体制構築できるのが大きな魅力です。自由度の高いインフラ構築実現目指し、IaaSを活用してみましょう。

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