このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

閉じる
閉じる
IoTデバイスとは?機器の仕組みや選び方、活用分野をわかりやすく解説

IoTデバイスとは?機器の仕組みや選び方、活用分野をわかりやすく解説

2025 12/11
IoTデバイスは、インターネットを通じてデータを収集・送信し、生活やビジネスの効率化を実現するスマート機器です。スマート家電から工場の設備管理まで、あらゆる分野で活用が広がっています。
本記事では、IoTデバイスの基本的な仕組みや特徴をはじめ、導入時の選び方や注意点をわかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.IoTデバイス(機器)とは

IoTデバイスとは「IoT」の仕組みを活用し、ネットワークを介して情報送受信できる機器を指します。IoT (Internet of Things) は日本語で「モノインターネット」と訳され、私たちの身の周りに存在するあらゆるモノインターネット接続する技術です。

IoTデバイスはさまざまなセンサー搭載しており、各センサー取得したデータクラウド上に送信し、AIや分析ツール処理することで、リアルタイム制御効率化実現します。

IoTデバイス(機器)とはのイメージ画像

関連サービス: KDDI IoT アクセス

1-1. IoTデバイスの仕組みと役割

IoTデバイスは、センサーモジュールマイクロコントローラー通信機能の3つの主要要素構成されます。それぞれの役割以下のとおりです。

要素 役割 具体例
センサーモジュール 温度、湿度、加速度などの物理データを取得 ・温湿度センサー
・モーションセンサー
マイクロコントローラー 取得データの処理や制御を実施 ・データの集計
・アラート判断
・機器制御
通信機能 データをクラウドやほか のデバイスに送信 ・Wi-Fi
・LTE
・LPWA

例えば製造現場では、センサーモジュール機器温度振動常時監視し、マイクロコントローラーがそのデータ解析します。異常値検知すると、自動的通信機能を通じて管理システム通知する仕組みです。

関連サービス: IoT Device Gallery

1-2. 従来の機器との違い

インターネット接続しない従来機器単体動作し、操作管理人手依存していました。一方、IoTデバイスインターネット接続により、遠隔からの監視制御可能です。さらに、データ継続的収集分析することで、異常検知予知保全自動化できます。

また、従来機器では難しかったリアルタイム管理複数拠点統合運用可能となり、業務効率安全性大幅向上できる点が特徴です。

1-3. IoTデバイスが注目される理由

IoTデバイス注目される背景には、社会全体デジタル化の加速とAIの活用があります。

企業では、生産設備物流機器などからリアルタイムデータ収集し、AIが解析することで業務効率化コスト削減実現しています。予知保全自動制御など、人の判断支援するシステム拡大中です。また、私たちの日常生活においても、スマート家電ウェアラブル機器普及により快適性飛躍的向上しています。

このように、AIとデジタル化の進展を支える基盤技術として、IoTデバイスは今や欠かせない存在です。

2.IoTデバイスのメリットと活用分野

IoTデバイスは、生活利便性向上から業務効率化までさまざまなシーン価値発揮します。本章では、IoTデバイスメリットと主な活用分野解説します。

  • 生活利便性向上する
  • 業務効率化コスト削減実現
  • データ活用で新しい価値創出
  • 人手不足解消貢献

2-1. 生活の利便性が向上する

IoTデバイスは「家電のあらゆる操作自動化遠隔化」できるため、スマートホーム実現に大きく貢献します。

従来は人が手動で行っていた照明エアコン調整家電操作を、スマートフォン音声一括管理できます。さらに、センサー温度や明るさを検知するなど、自動最適環境維持することも可能です。

外出先からエアコン起動して帰宅時には最適室温で過ごす、照明カーテン自動制御して省エネ快適性両立するなど、日常生活手間大幅に減らせます。

2-2. 業務効率化とコスト削減を実現


業務効率化とコスト削減を実現のイメージ画像

製造業物流業では、IoTデバイス導入により業務効率化コスト削減推進できます。

例えば工場では、設備稼働状況センサー監視故障異常早期検知して、ダウンタイム削減可能です。また、輸送車両倉庫内温度湿度センサー位置情報デバイス設置すれば、温度変化敏感食品医薬品でも品質一定に保てるため、配送トラブル防止できるでしょう。

さらに、設備車両稼働データをもとに電力消費分析することで、稼働時間最適化不要待機電力削減可能です。結果として、エネルギー使用量最適化コスト低減同時実現します。

2-3. データ活用で新しい価値を創出

IoTデバイス収集する膨大データは、AI分析と組み合わせることで新たな価値を生み出します。

店舗では来客動線商品閲覧データ分析活用により、パーソナライズされた販促陳列レイアウト自動最適化といった新たなマーケティングサービス創出可能です。また、製造現場では設備稼働データ解析することで、予知保全型メンテナンスサービスモデル開発などにつながります。

このように、データ活用により業務効率化だけではなく、新規事業サービス創出実現できる点もIoTデバイスメリットです。

2-4. 人手不足の解消に貢献

IoTデバイスは、自動化遠隔監視により人手不足課題解決役立ちます。

工場では生産設備自動制御農業では遠隔での水管理温度管理などにIoTデバイス活用できます。これにより、少人数でも24時間稼働可能となり、作業負担軽減業務効率向上推進可能です。

また、現場常駐する必要性減少することで、労働力最適配置安全性向上にもつながるでしょう。

3.IoTデバイスのリスク

IoTの導入には大きな利点がある一方で、セキュリティシステム面のリスクにも十分対策必要です。

  • セキュリティ面での注意点
  • プライバシー保護課題
  • システム障害時影響

3-1. セキュリティ面での注意点

IoTデバイス常時インターネット接続しているため、サイバー攻撃標的になりやすい特性があります。不正アクセスデータ改ざんを防ぐには、暗号化通信アクセス制御定期的ソフトウェア更新が欠かせません。企業は、セキュリティ設計導入段階から考慮し、安全運用体制を整えることが重要です。

関連サービス: マネージド ゼロトラスト

3-2. プライバシー保護の課題


IoTデバイス収集したデータ利便性向上貢献しますが、扱い方によっては意図せずプライバシー侵害するリスクがあります。

例えば、スマートホーム機器温度照明利用データから、居住者在宅状況生活パターン推測できてしまう場合があります。こうしたデータ活用第三者意図しない利用につながることは、プライバシー保護観点問題です。

プライバシー保護の課題のイメージ画像

そのため、企業には「利用目的明確にし、ユーザー説明して同意を得る」ことが求められます。さらに、収集データ保存期間・アクセス権限削除ルールなどを明確に定め、安全運用体制構築することが重要です。

3-3. システム障害時の影響

IoTシステムネットワーククラウドサービス利用しているため、通信障害機器故障発生すると、業務生活に大きな影響を与えるリスクがあります。

この停止リスク最小化するためには、冗長化構成採用バックアップ通信回線確保必須です。また、安定稼働維持するには、システム継続的監視し、迅速対応できる保守体制構築することが極めて重要となります。

4.IoTデバイスの選定ポイント

IoTデバイス選定する際は、いくつかのポイントに分けて見極めることが重要です。

  • 目的に合った機能見極める
  • 既存システムとの連携性確認する
  • 将来拡張性考慮する
  • サポート体制充実度確認する

関連サービス: IoT Device Gallery

4-1. 目的に合った機能を見極める

IoTデバイス選定では、使用目的に応じたセンサー種類と主な用途確認することが重要です。代表的センサー種類用途以下にまとめました。

センサー種類 主な用途 取得データの例
温湿度センサー 環境監視・空調制御 ・温度
・湿度
加速度センサー 機械稼働・人の動作検知 ・振動
・傾き
照度センサー 照明制御・省エネ管理 ・明るさ
・光量
位置情報センサー(GPS) 物流・車両管理 ・位置
・移動経路
圧力センサー 製造・インフラ設備管理 ・圧力
・流量

目的明確にしたうえで「どのデータをどの精度取得する必要があるのか」「リアルタイム通信必要か」「データ量に応じた通信方式(Wi-Fi/LTE/LPWAなど)」を整理することで、過剰機能によるコスト増を防げます。

4-2. 既存システムとの連携性を確認する

IoTデバイス単体完結しないため、既存システムクラウドサービススムーズ連携できるかを確認する必要があります。主な確認ポイント以下のとおりです。

確認項目 内容 具体例
通信プロトコル デバイスとサーバー間の通信方式 ・MQTT
・HTTP(HTTPS)
・CoAP など
データ形式 送受信データの標準化 ・JSON
・XML
・CSV形式 など
API連携 他システムとの接続可否 ERP・生産管理システムとの連携
セキュリティ設定 通信時の暗号化や認証方式 ・TLS
・VPN
・ゼロトラスト対応

これらのポイント不一致場合データ連携支障が出ます。事前互換性検証し、全体最適システム構成設計することが重要です。

4-3. 将来の拡張性を考慮する

IoTデバイス導入長期運用前提とするため、将来的機能追加接続台数増加見据えた拡張性重要です。デバイス単体性能だけではなく、IoTデバイス稼働するアプリケーションインフラなどのシステム全体柔軟対応できる構成にする必要があります。検討すべき主なポイント以下のとおりです。

検討項目 内容 具体例
ファームウェア更新 遠隔でのソフトウェア更新対応 OTA(Over The Air)更新
モジュール追加 センサーや通信規格の変更に対応できる設計 LPWAから5Gへの切替
データ拡張 データ量増加に対応できる設計 クラウド容量・帯域の拡大
カスタマイズ性 APIや設定、機能追加の柔軟性 利用シーンに応じた制御ロジック追加

拡張性を備えた設計を行うことで、将来的技術進化事業拡大にも柔軟対応できます。

4-4. サポート体制の充実度を確認する

導入後安定運用には、メーカー通信事業者サポート体制が欠かせません。障害対応ソフトウェア・ファームウェアセキュリティ更新継続的に行われるかを確認しましょう。特にIoTデバイス長期稼働前提のため、定期的アップデート保守契約有無が、システム信頼性維持する鍵となります。

5.IoTデバイス導入における課題

IoT導入では、コスト人材確保運用体制構築など、事前検討すべき課題が多く存在します。

  • 初期費用運用コスト負担
  • 効果測定改善サイクル構築
  • 専門知識を持つ人材不足
  • 自社に合ったデバイス選定困難

5-1. 初期費用と運用コストの負担

IoT導入には、デバイス本体設定費用などの初期費用だけではなく、通信料クラウド利用料メンテナンス料などの運用コスト継続的発生します。

運用コスト月額通信料クラウド利用料メンテナンス料で算出し、年間総額見積もることが重要です。予算計画では導入期間総額算出し、リースサブスクリプション初期投資を抑える方法もご検討ください。

5-2. 効果測定と改善サイクルの構築

IoT導入効果最大化するには、導入後の「効果測定」と「改善サイクル」を継続的に回すことが重要です。以下は、IoT導入時によく用いられるROI測定指標の例です。

測定指標 内容 評価の目的
稼働率向上率 設備稼働時間の改善度 ・生産効率の最適化
ダウンタイム削減率 故障や停止時間の短縮効果 ・稼働安定性の向上
作業時間削減率 手動作業の自動化効果 ・人件費削減
・生産性向上
エネルギー使用量削減率 電力・燃料使用の最適化 ・コスト削減
・環境負荷軽減
不良率低下率 品質管理精度の向上 ・歩留まり/品質改善

これらの指標定期的分析し、数値変化をもとに運用方針見直すことで、IoTシステム改善サイクル確立できます。

5-3. 専門知識を持つ人材の不足

IoT導入には、通信・データ分析・セキュリティ知識が求められます。しかし、これらの分野における専門人材確保が難しい企業も少なくありません。

2022年に独立行政法人情報処理推進機構 デジタル基盤センター公開した「組込み/IoT産業動向把握等に関する調査」によると、企業の73%が「組込みIoT技術者不足している」と回答しています。

  • ※ 外部サイトに遷移します。

この人材不足解消には、以下のとおり人材育成外部委託有効です。

方式 メリット デメリット
人材育成 自社ノウハウを蓄積でき、長期的な戦力化が可能 習得まで時間がかかり、即効性に欠ける
外部委託 専門知識をすぐに活用でき、短期導入が可能 コストが高く、ノウハウが社内に残りにくい

短期的には外部委託有効ですが、長期的視点では社内育成による知見内製化重要です。両者バランスよく組み合わせることで、持続的なIoT運用体制構築できます。

5-4.自社に合ったデバイスの選定が困難

IoT導入成功させるには、自社業務課題環境に適したデバイス選定重要です。しかし、さまざまなIoTデバイス販売されているため、最適選択を行うのは容易ではありません。主な検討ポイント以下整理します。

検討項目 内容 選定時のポイント
通信方式 LTE・5G・LPWAなど用途別の通信手段 使用環境やコストにマッチするか
センサー性能 温度・振動・位置など取得データの精度 測定対象と必要な精度を満たせるか
システム連携 クラウド・既存システムとの互換性 API連携や連携先のプロトコルに対応しているか
運用コスト 導入・維持費用の総合評価 費用対効果があるか

このように、IoTデバイス選定には専門的知見経験が求められます。

なお、KDDIではIoTサービス対応し、安心してお使いいただけるIoTデバイス簡単に探せるIoT Device Galleryを公開しています。また、IoTデバイス開発既存製品への組み込みを検討されている方にはIoTデバイス開発サポートがおすすめです。自社最適なIoTデバイス選定、あるいは開発し、事業価値最大化するためのパートナーとしてご活用ください。

関連サービス: IoTデバイス開発サポート

関連サービス: IoT Device Gallery

6.まとめ

IoTデバイスは、モノインターネットをつなぎ、データ活用して新たな価値を生み出す技術です。IoTデバイス活用は、生活利便性向上業務効率化はもちろん、新たなサービス創出可能とします。一方で、導入にあたっては、セキュリティ対策専門人材確保といった課題への対策不可欠です。

IoTデバイスの導入を検討中のかたはKDDIへ

KDDIは、IoTデバイス選定開発既存製品への組み込みまで、豊富実績専門性を活かし、お客さまのニーズ最適サービス提供します。仕様設計試験検証導入後サポートまで一貫して対応し、キャリアグレード高速通信基盤に、安全信頼性の高いIoTサービス実現します。


ピックアップ