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マルウェアとは?ウィルスとの違いや種類・感染経路・予防策を解説

マルウェアとは?ウィルスとの違いや種類・感染経路・予防策を解説

2025 12/19
近年、インターネットを通じたサイバー攻撃が急増し、個人や企業がマルウェアの被害を受けるケースが後を絶ちません。マルウェアとは、悪意のある目的で作られたソフトウェアの総称で、感染するとデータの破壊や情報の流出など深刻な被害を招きます。感染経路や目的は年々巧妙化しており、気づかないうちに被害が拡大することもあります。本コラムでは、マルウェアの基本的な仕組みや種類、感染経路、そして実際に起こりうる被害や予防策についてわかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.マルウェアとは

マルウェアとは「Malicious(悪意のある)」と「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた言葉で、悪意をもって作られたプログラム全般を指します。コンピューターウィルスランサムウェアスパイウェアなど、さまざまな種類が含まれます。これらの多くは、メール添付ファイル不正サイトを通じて侵入し、気づかぬうちに動作を始めます。IPA(情報処理推進機構)の調査でも、日本企業警戒するサイバー脅威の第1位はマルウェア関連攻撃であり、その影響の大きさがうかがえます。

マルウェアとはのイメージ画像

1-1. マルウェアとウィルスの違い


マルウェアウィルスは同じ意味で使われることがありますが、正確には異なります。マルウェア悪意のあるソフトウェアすべてを指す総称であり、ウィルスはその一種です。ウィルスは、自身をほかのプログラムコピーして広げる特徴を持っていますが、スパイウェアランサムウェアなどはその性質が異なります。この違いが十分に知られていないため、両者混同されることが多いのです。

1-2. マルウェアの目的

多くのマルウェアは、 金銭獲得機密情報の盗み取り、企業組織業務妨害目的で作られます。主な手口の例として、ランサムウェアは、利用者データ勝手暗号化し、復元必要な「鍵」と引き換えに金銭要求します。スパイウェアは、操作履歴パスワードなどの機密情報収集し、外部送信します。「トロイ木馬」は、正規ソフトに見せかけて侵入し、内部に入り込んだ後でシステム遠隔操作できる状態を作ります。これらの攻撃個人被害にとどまらず、企業信頼低下事業継続危機につながるなど、深刻影響をもたらします。

2.マルウェアの種類と特徴

マルウェアの種類と特徴のイメージ画像

マルウェア一口に言っても、その種類や働きは大きく異なります。どのように侵入して被害をもたらすのかを知っておくことは、日ごろの予防異変に気づくきっかけになります。よく知られている10種類マルウェアを取り上げ、それぞれの特徴を分かりやすく解説していきます。

2-1. ウィルス

ウィルスは、ほかのプログラムファイル自分コピーを埋め込み、拡散するマルウェア一種です。感染するとシステム動作を遅くしたり、データ破壊したりします。感染経路メール添付ファイルやUSBメモリなどさまざまで、知らないうちに社内ネットワーク全体に広がる危険があります。近年では、ウィルスランサムウェアトロイ木馬と組み合わさるケースも増え、被害範囲がより深刻になっています。

2-2. ランサムウェア

ランサムウェアは、感染したコンピュータネットワーク上のデータ暗号化し、復号のために身代金要求するマルウェアです。ウイルスと違い、ほかのファイル寄生せず単体動作できる点が特徴です。感染すると、業務必要ファイルシステム利用できなくなり、企業活動停止する恐れがあります。主な感染経路は、メール添付ファイル不正リンクソフトウェア脆弱性を突いた攻撃です。被害防止には、定期的バックアップセキュリティ更新不可欠です。

2-3. ワーム

自己増殖機能を持ち、ネットワークを通じて自動的に広がるマルウェアです。ウィルスと違い、ほかのファイル寄生せず単体動作できる点が特徴です。感染すると、社内ネットワーク上のパソコンへ次々と広がり、システム負荷を高めて通信を妨げることがあります。過去には、ワーム大量感染によって企業ネットワーク全体停止する事例発生しました。ソフトウェアを常に最新状態に保ち、脆弱性放置しないことが被害防止基本です。

2-4. トロイの木馬

正規ソフトウェアを装ってユーザーインストールさせ、不正操作を行うマルウェアです。見た目は安全そうでも、実際には裏で情報を盗み出したり、外部からの遠隔操作可能にしたりします。メール添付ファイルや偽サイトからダウンロードされるケースが多く、気づかないうちに個人情報が漏えいする危険があります。特に業務用パソコン侵入すると、社内システム全体影響を及ぼすおそれがあります。

2-5. スパイウェア

スパイウェア利用者に気づかれないよう裏で動き、入力した情報行動記録を盗み出すマルウェアです。パスワード閲覧履歴クレジットカード番号など重要データ外部に送られてしまう危険があります。感染の入り口として多いのは、無料ソフトインストールしたり、広告クリックしたりするケースです。気づかないうちに端末へ入り込むため、普段からアプリ権限設定慎重確認し、不審サイトを避けることが大切です。

2-6. スケアウェア

利用者不安を与えて金銭をだまし取るマルウェアです。突然ウィルス検出されました」などの偽警告表示し、不要ソフト購入個人情報入力を促します。IPA(情報処理推進機構)の報告でも偽警告による被害多数確認されています。もし警告表示されても、慌てて操作せず、信頼できるセキュリティソフト検査することが大切です。公式サイト以外からのソフト購入更新を避けることで、被害未然に防げます。

2-7. キーロガー

キーボード入力した内容を盗み出すタイプマルウェアです。IDやパスワードクレジットカード番号などが攻撃者送信されてしまうため、特にオンラインバンキングネットショッピング利用時被害深刻化します。原因の多くは、不審メール添付ファイルトロイ木馬で、気づかないうちに感染しているケースが多いため、セキュリティソフトを常に最新にし、重要情報入力する際は安全性の高い環境を選ぶことが大切です。

2-8. ボット

ボット感染すると、攻撃者パソコン遠隔操作できるようになります。感染端末が増えると「ボットネット」と呼ばれる集団形成され、DDoS攻撃複数端末から一斉アクセスを行いサーバー停止させる攻撃)で大量通信を送りつけてサーバーを落とすなどの悪用可能になります。持ち主が気づかないまま、スパム送信不正アクセスの踏み台にされることも少なくありません。

関連サービス: KDDI DDoS対策サービス

2-9. アドウェア

利用者意思に反して広告大量表示したり、クリック誘導したりするマルウェアです。見た目は単なる広告表示ソフトのようでも、個人情報収集して第三者送信するものもあります。多くは無料ソフト同梱されており、インストール時に気づかず導入してしまうケースが多いです。不要アプリ削除し、インストール時に同意内容確認することで防げます。

2-10. ファイルレスマルウェア

従来のように実体ファイルを持たず、パソコンメモリ上で直接動作するマルウェアです。ファイル存在しないため、ウィルス対策ソフトでも検知が難しいという特徴があります。多くは正規ツールスクリプト機能悪用して実行され、痕跡を残さずに情報を盗み出します。特に企業システム侵入されると、内部重要データ外部流出する危険があります。監視体制強化多層的防御が求められます。

3.マルウェアの主な感染経路

マルウェア攻撃者は巧みに人の心理業務の隙を突くため、特定手口だけに備えるのではなく、総合的対策必要です。代表的感染経路以下のとおりです。

  • 不審メール添付ファイルリンク業務連絡請求書を装ったメールを送り、添付ファイルを開かせて感染させます。開封後自動マルウェア実行されるケースもあります。
  • サイトへの誘導正規のWebサイト模倣したページ誘導し、認証情報入力させて感染させる手口です。フィッシング攻撃一種です。
  • USBメモリ外部デバイス社内外で使われるUSBや外付ハードディスクを通じて感染するケースもあります。
  • ソフトウェア脆弱性:古いバージョンアプリやOSの欠陥を突いて侵入します。更新を怠ると攻撃対象になりやすくなります。
  • 公共Wi-Fiの悪用暗号化されていないWi-Fiを利用中通信傍受され、マルウェアが送り込まれる事例もあります。

このように、感染経路多様化しており、どのような利用環境でも注意必要です。

4.マルウェア感染による被害

マルウェア感染による被害は、個人企業双方深刻影響を及ぼします。主な被害例は次のようなものがあります。

  • 情報漏えい:顧客データ取引情報外部流出します。信用低下だけでなく、場合によっては法的責任を問われるおそれがあります。
  • 金銭的被害ランサムウェアによる身代金要求不正送金など、直接的損失発生します。システム復旧のための費用も大きな負担になります。
  • 業務停止システム障害データ消失により業務が止まり、生産性大幅低下します。特に製造物流では損害拡大します。
  • 二次感染拡散感染端末起点に、社内外ネットワークマルウェアが広がり、被害が続けて発生することがあります。
  • 企業イメージ低下顧客取引先信頼が損なわれ、ブランド価値毀損株価下落など、長期的ダメージにつながる可能性があります。
マルウェア感染による被害のイメージ画像

個人にとってはプライバシー侵害企業にとっては経営リスク増大につながるため、被害防止が極めて重要です。

5.マルウェアに感染しないための予防策

マルウェア被害を避けるために、特に次の6つは、企業でも個人でも共通して対策の柱となります。

  • OSやソフト定期更新脆弱性修正するアップデート適用し、攻撃の入り口を塞ぎます。
  • ウィルス対策ソフト導入自動スキャン端末常時監視し、不審な動きを早い段階検知して感染を防ぎます。
  • 不審メールを開かない習慣送信元不明メールや、不自然件名のものは開かず、添付ファイル実行もしないよう徹底します。
  • 多要素認証活用パスワードに加えて生体認証ワンタイムパスワードを組み合わせ、なりすましのリスクを抑えます。
  • バックアップ定期取得重要データクラウド外部メディアにも保存し、感染しても迅速復旧できる体制を整えます。
  • 社内教育ルール策定従業員全員最新手口を知り、適切行動できるよう、継続的研修ルールづくりを行います。

マルウェア被害金銭的損失だけでなく、信頼低下という大きなダメージも招きます。日ごろからの対策が、後のトラブルを防ぐ効果的方法です。

6.マルウェアに感染した場合の対処法

万が一感染してしまった場合は、迅速対応被害拡大を防ぐ決め手となります。以下手順参考に、落ち着いて行動しましょう。

  • ネットワークから切り離す:まずは感染端末インターネット社内ネットワークから遮断し、ほかの機器への拡散を防ぎます。
  • セキュリティソフトスキャン最新定義ファイルを使い、感染状況確認します。自動駆除ができない場合専門業者相談します。
  • バックアップからの復旧感染前データ保存されていれば、安全環境復旧を行います。上書きはせず、別媒体作業するのが安全です。
  • 社内外への報告被害企業内発生した場合は、情報システム部門上司に速やかに報告します。必要に応じて顧客関係先への通知も行います。
  • 再発防止見直し:感染経路特定し、社内ルールシステム設定見直します。教育強化多層防御導入効果的です。

早期対応により、情報漏えいや業務停止といった二次被害最小限に抑えられます。感染可能性を感じたら、自己判断せず専門家相談しましょう。

7.まとめ

マルウェアは日々進化し、私たちの身近環境にも潜んでいます。ウィルスランサムウェアだけでなく、痕跡を残さないファイルレスマルウェアなど、新しい手口登場しています。感染を防ぐためには、日常的注意継続的対策不可欠です。基本的セキュリティ対策徹底し、万が一の際も冷静対処できる体制を整えましょう。特に企業では、情報漏えいや信用失墜を防ぐために、組織的管理社員教育両面重要です。正しい知識と備えが、サイバー攻撃から身を守る最善方法です。

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