このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

閉じる
閉じる
SOCとは?仕組みや必要性、CSIRTとの違いまで解説

SOCとは?仕組みや必要性、CSIRTとの違いまで解説

2026 3/5
サイバー攻撃の巧妙化・高度化が加速する昨今、「SOCという言葉は聞いたことがあるが、具体的に何をする組織なのか分からない」という方も少なくないはずです。SOC (Security Operations Center) は、企業のシステムやネットワークを常時監視し、セキュリティ脅威を早期に検知・分析するための重要な役割を担います。
一方で、CSIRTやMDRとの違いが曖昧で、自社に必要かどうかを判断できないケースも珍しくありません。本記事では、SOCの基本的な仕組みや役割、必要とされる背景、ほか組織との違いを分かりやすく解説します。自社のセキュリティ体制を見直す際の参考にしてください。

※ 記事制作時の情報です。

1.SOCとは何か

SOC (Security Operations Center:ソック) とは、企業ネットワーク環境を24時間365日体制監視し、不正挙動攻撃の兆しをいち早く把握して、必要に応じた技術的対応を行う専門組織です。サーバーデバイスから発生するログ継続的監視することで、被害拡大防止する重要役割を担います。

なお、本記事で扱うSOCはセキュリティ分野組織意味しており、半導体分野で使われるSoC (System on a Chip) とは異なる概念です。

SOCとは何かのイメージ画像

1-1. SOCの正式名称と基本的な役割

SOC (Security Operations Center) は、企業のIT環境継続的監視し、セキュリティ上の異常検知分析する専門組織で、単なる監視だけではなく、被害抑制再発防止までを見据えた運用も行います。

SOCの主な機能以下のとおりです。

  • データ保護ログ通信データ監視し、不正挙動検知
  • インフラ保護サーバーネットワークへの攻撃兆候把握
  • トランザクション保護業務システム不正利用異常操作監視
  • インシデント対応支援検知内容整理し、対応部門共有

これらの機能を通じて、SOCは企業セキュリティ対策における中核的役割を果たします。

1-2. SOC運用に必要な3つの要素

SOCを安定して運用するためには、人・プロセス・テクノロジーの3要素バランスよく整えることが欠かせません。いずれか一つが欠けると、監視対応の質が低下しやすくなります。

要素 内容 具体例
監視・分析・判断を担う担当者 セキュリティアナリスト、運用担当者
プロセス 対応手順や判断ルール インシデント対応フロー、エスカレーション基準
テクノロジー 監視・分析を支える仕組み SIEM、SOAR、EDR

テクノロジー面では、ログ集約分析するSIEMや、対応自動化するSOAR、端末挙動監視するEDRなどが活用されます。これらの技術要素を組み合わせることで、脅威検知から対応までの流れを効率的に回しやすくなります。

また、これらのテクノロジー活用しつつ、人とプロセスを含めた運用体制として提供されるサービス一例がJSOCです。自社でSOCを構築するのではなく、外部サービスとして監視分析対応を委ねる選択肢として位置付けられます。

運用状況把握には、具体的なKPIを設定して改善を図るアプローチ一般的です。

例えば、平均検知時間 (MTTD) や平均復旧時間 (MTTR)、重大度別アラート件数誤検知率、SLA遵守率などを定期的可視化することで、SOC運用改善点把握しやすくなります。

2.SOCとCSIRTの違いとは

SOCとCSIRTは、いずれもセキュリティ対策に関わる組織ですが、担う役割が異なります。SOCが平常時からの監視検知担当するのに対し、CSIRTは主にインシデント発生後対応を担う組織です。

項目 SOC CSIRT
主な役割 常時監視・脅威検知 事故対応・判断
対応タイミング 平常時〜発生直後 発生後
業務内容 ログ監視、アラート分析 影響評価、報告、再発防止

実運用では、SOCが異常検知し、影響が大きいと判断した場合にCSIRTへエスカレーションします。CSIRTは状況整理関係部門との調整を行い、全社対応主導します。両組織連携することで、脅威早期発見から復旧までの迅速対応体制構築可能です。

3.SOCとMDRの違いとは

SOCは、自社内セキュリティ監視対応を行う組織体制を指します。一方、MDR (Managed Detection and Response) は、SOCが担う監視分析初動対応機能外部サービスとして提供する形態です。自社体制構築するか、外部に委ねるかが両者の大きな違いといえます。

SOCとMDRのどちらを選ぶべきかは、自社体制リソースとの整合性考慮して見極めることが重要です。

SOCとMDRの導入判断チェックリスト
確認項目 確認内容 チェック結果
コスト 自社でセキュリティ人材の採用・育成に取り組めるか
可用性 24時間365日の監視体制を社内で維持できるか
専門性 高度な分析やインシデント対応を担えるスキルを確保できるか

上記条件をすべて満たせる場合はSOC、一部でも難しい場合はMDRの導入現実的選択肢となります。

4.SOCが必要とされる背景

SOCが注目される背景には、主に以下の3つの要因があります。

  • サイバー攻撃巧妙化多様化
    巧妙攻撃が増え、常時監視による早期検知が求められている
  • セキュリティ人材慢性的不足
    専門人材確保が難しく、運用負荷軽減する仕組みが必要
  • コンプライアンス要求強化
    ログ管理監査対応重要性が高まっている

こうした課題への実効力のある対策として、監視基盤活用したSOC運用検討する企業が増えています。その具体的選択肢の一つとして、JSOCのような外部SOCサービス活用する形も挙げられます。

4-1. サイバー攻撃の巧妙化と多様化


サイバー攻撃の巧妙化と多様化のイメージ画像

近年のサイバー攻撃は手口高度化多様化しており、従来境界防御中心とした対策だけでは防ぎきれないのが実情です。代表的脅威の一つであるランサムウェアは、システム停止させたうえで金銭要求する攻撃であり、企業継続性甚大影響を及ぼします。

APT (高度標的型攻撃) は、特定組織を狙い、長期間にわたって侵入を続ける攻撃です。さらに、取引先委託先を踏み台にするサプライチェーン攻撃も増えており、自社だけでなくビジネスパートナーを含めた広範対策が求められています。

こうした脅威対処するには、異常挙動リアルタイムで捉える監視体制が欠かせません。SOCによる常時監視導入することで、最新攻撃手法に対しても迅速初動対応可能になるでしょう。

4-2. セキュリティ人材の慢性的な不足

SOCを安定的運用するには、セキュリティに関する専門知識を持つ人材が欠かせません。しかし、攻撃手法高度化に伴い、監視分析対応を担える人材確保は年々難しくなっています。複数分野知識実務経験が求められる点が、人材不足深刻化させる要因の一つです。

SOCに必要とされる主なスキルは、設計構築にとどまりません。膨大ログの中から異常兆候見極め、対応要否判断する力が求められます。

具体的には、ログアラート横断的分析する力、重要度見極める判断力影響範囲整理して関係部門正確共有する調整力などが必要です。これらを社内だけで賄うのが難しい場合外部SOCを活用する選択肢も考えられます。

項目 社内SOC 外部SOC
人材確保 採用・育成が必要 専門人材を活用
運用負荷 社内対応が中心 運用を委託
体制構築 時間とコストが必要 比較的短期間でコストも抑えやすい

このように、自社体制リソースに応じてアウトソース検討することが有効です。

4-3. コンプライアンス要求の強化

近年情報セキュリティに関するコンプライアンス要求は強まっており、監査報告への対応企業に求められています。ログ保存アクセス履歴管理など、日常的運用体制整備が欠かせません。

SOCは、ログ一元管理監視状況可視化を通じて、監査対応報告要件支援する役割を担います。インシデント発生時必要証跡迅速提示できる体制を整えることで、規制対応を進めやすくなります。

現在規制への適合状況については、以下チェック項目確認しましょう。

コンプライアンス対応チェックリスト
確認項目 確認内容 チェック結果
ログ保存 操作ログや通信ログを一定期間保存できているか
監査対応 不正アクセスや事故発生時に、必要な証跡を提示できるか
報告要件 インシデント発生時の報告フローが明確になっているか

5.SOCの主要業務内容

SOCの主要業務は、リアルタイム監視インシデント対応脅威分析の3つです。システムネットワークログ常時監視し、異常検知した場合は速やかに対応移行します。

各業務独立しているわけではなく、監視で得た情報をもとに対応分析を行うことで、被害抑制再発防止につなげます。24時間365日体制でこのサイクル継続することが、SOC運用成否を分ける重要ポイントです。

SOCの主要業務内容のイメージ画像

5-1. リアルタイム監視の仕組み

SOCのリアルタイム監視は、ログ収集からアラート生成までを一連工程として継続的に行います。工程を止めずに回すことで、SOCは24時間365日体制リアルタイム監視実現しています。主なワークフロー以下のとおりです。

No. 工程 内容 使用技術 処理時間目安
1 ログ生成 機器や端末での操作・通信に伴い、イベントログを生成 各機器の標準ログ機能 即時
2 ログ収集・転送 生成されたログを監視基盤へ集約 エージェント型/エージェントレス収集 数秒〜数分
3 正規化・前処理 日時やIPアドレスを統一し、分析しやすい形式に変換 ログ正規化処理 数秒以内
4 SIEM相関分析 複数ログを横断的に照合し、不審な挙動を検知 SIEMの相関ルール 数秒〜数十秒
5 リスク判定 重要度を評価し、対応要否を判断 ルール判定、スコアリング 即時〜数秒
6 アラート生成・通知 必要な事象を担当者へ通知 アラート管理、チケット連携 即時

一つでも未対応項目がある場合には、SOCの導入外部SOCサービス活用によって、ログ管理証跡提示報告フロー改善効率的に進めましょう。

内部リソースだけでは対応が難しい場合でも、SOCを活用することで、コンプライアンス要求確実に応えられる体制構築しやすくなります。

5-2. インシデント発生時の対応手順

SOCでは、インシデント発生時にあらかじめ定めた標準プレイブックに沿って対応します。一般的な流れは以下の6段階です。

No. 段階 主な内容 担当者 エスカレーション基準 必要な証跡
1 検知 監視システムが不審な挙動を検知し、初期情報を記録 SOC監視担当 重要度が一定基準を超えた場合 アラート内容、検知時刻
2 分析 ログや通信内容を確認し、影響範囲を把握 SOCアナリスト 被害の可能性があると判断した場合 ログデータ、分析結果
3 判断 インシデントの深刻度を判定 SOC責任者 業務影響が想定される場合 判断根拠、影響評価
4 対応 アクセス遮断や端末隔離などの初動対応 SOC対応担当 被害拡大のおそれがある場合 対応内容、実施時刻
5 報告 関係部門やCSIRTへ状況を共有 SOC責任者/CSIRT 社内外への共有が必要な場合 報告資料、連絡記録
6 記録・振り返り 対応結果を整理し再発防止策を検討 SOC/関係部門 全件実施 対応記録、改善案

このように、各フェーズにおける担当者判断基準明確にすることで、混乱を抑えた対応可能になります。

5-3. 脅威情報を活用した予防策

SOCでは、外部内部から得られる脅威インテリジェンス活用し、攻撃兆候早期把握する取り組みが行われます。具体的には、不正なIPアドレスファイル特徴量などをSIEMに取り込み、検知ルールとして活用する手法主流です。

取り込んだ情報は、IOC (Indicator of Compromise:侵害指標) として各セキュリティ機器自動配信され、通信遮断警告表示などに反映されます。人手による設定作業を減らすことで、対応のばらつきを抑えやすくなります。

また、定期的ログ横断確認する脅威ハンティング実施し、見逃しがないかを点検することも欠かせません。脅威インテリジェンス脅威ハンティングを組み合わせることで、未知攻撃への早期対処検知精度向上につなげられます。 

6. まとめ

SOCは、企業のIT環境におけるセキュリティ状況継続的把握し、異常兆候を早い段階で見つけて対応につなげる役割を担います。リアルタイム監視インシデント対応脅威分析を通じて、被害最小化再発防止を支えます。

一方で、専門人材確保運用負荷増大法規制への適合といった課題直面するケースも少なくありません。だからこそ、SOCやCSIRT、MDRの役割を正しく理解し、自社体制目的に合った運用形態選択することが大切です。

本記事解説したSOCの仕組みや必要性を、自社セキュリティ体制をより強固なものにするための判断材料として、ぜひ活用してください。

セキュリティ対策なら、KDDIにご相談ください

SOCの構築運用には、専門知識や24時間365日体制が求められます。自社での対応が難しい場合は、外部サービス活用有効選択肢です。KDDIでは、SOC運用支援する「KDDI マネージドセキュリティサービス」を提供しています。

「KDDI マネージドセキュリティサービス」の詳細は、以下ページをご確認ください。


ピックアップ