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不正アクセスを未然に防ぐ12の対策!被害発生時に企業が取るべき対応も

不正アクセスを未然に防ぐ12の対策!被害発生時に企業が取るべき対応も

2026 5/14
不正アクセスによる被害は、企業規模を問わず急増しています。SNSアカウントの乗っ取りから企業の機密情報流出まで、その手口は巧妙化し、ビジネスに深刻な被害をもたらす可能性があります。しかし、その多くは基本的な対策で未然に防ぐことが可能です。
この記事では、不正アクセスの最新動向と具体的な被害事例を踏まえ、企業が優先して取り組むべき実効性の高い対策を紹介します。自社のセキュリティレベルを客観的に見直し、組織的なサイバー防御力を高めるための指針としてご活用ください。

※ 記事制作時の情報です。

1.不正アクセスによる被害の実例

不正アクセスが引き起こす被害は、金銭的なものから社会的信用失墜まで多岐にわたります。ここでは、実際発生している5つの被害紹介し、その危険性具体的解説します。

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1-1. SNSアカウントの乗っ取り

LINEやX (旧Twitter) などのSNSアカウントが乗っ取られ、本人になりすました犯人が、友人フォロワーに対して詐欺メッセージを送る手口です。実際に、有名企業公式アカウントが乗っ取られ、偽のキャンペーン情報発信されたり、個人アカウントから「プリペイドカード購入手伝ってほしい」といったメッセージ知人一同に送られたりする事件が後を絶ちません。

金銭をだまし取られるだけでなく、不適切投稿によって社会的信用が傷つけられたり、更なる詐欺の踏み台にされたりするなど、被害二次三次につながる危険性をはらんでいます。知人から不自然メッセージが届いた際は、電話などSNS以外連絡手段本人事実確認をすることが被害拡大を防ぐポイントです。

1-2. 通販サイトでの不正購入


通販サイトから漏えいしたID・パスワード悪用し、本人になりすましてログインする手口です。登録済みのクレジットカード高額商品購入し、転売して現金化します。ある日クレジットカード会社から身に覚えのない高額請求が届いて初めて被害に気づく、というケース典型です。

犯人商品架空住所協力者の元へ送らせるため、被害発覚時にはすでに手遅れとなっていることも少なくありません。通販サイト側も、正規ログイン不正アクセス完全見極めるのは困難なのが実情です。

通販サイトでの不正購入のイメージ画像

1-3. 銀行口座からの不正送金

金融機関を装ったフィッシング詐欺は、認証情報を盗み出したうえでネットバンキング不正ログインし、預金を根こそぎ犯人口座送金する、極めて悪質手口です。近年は、地方銀行信用金庫利用者を狙った偽サイト精巧さが増しており、被害者が騙されたことに気づかないまま、翌朝には数百万円預金が失われていたというケース発生しています。

加えて、セキュリティ対策十分でない暗号資産 (仮想通貨) の取引口座も新たな標的となっています。暗号資産送金後追跡回収が極めて難しく、被害拡大傾向にあります。警察庁発表でも、令和6年のネットバンキング不正送金被害過去2番目の多さを記録しており、依然として警戒必要状況です。 (注1)

1-4. 個人・機密情報の流出

企業サーバー不正アクセスし、顧客氏名住所・クレジットカード情報といった個人情報や、独自技術などの機密情報を盗み出す攻撃です。2023年には、国内大手通信事業者関連会社サイバー攻撃を受け、40万件以上顧客情報流出した可能性発表されるなど、大企業であっても被害深刻化しています。

盗まれた情報ダークウェブ上で高値売買され、更なる犯罪悪用されます。情報を漏えいさせた企業多額損害賠償はもちろん、築き上げてきたブランドイメージを大きく損なうという計り知れないダメージを負うことになります。

1-5. Webサイトの改ざん

企業公式サイト通販サイト不正侵入し、サイト内容を書き換える手口です。見た目は同じまま、裏でウィルスをばらまくプログラム仕込んだり、偽の決済ページ誘導する詐欺サイトに作り変えたりします。

過去には、有名企業のWebサイトが改ざんされ、アクセスしただけでコンピューターウィルス感染する状態になっていた事件発生しました。この場合企業意図せずして自社サイトが「攻撃加害者」となってしまい、信用失墜は免れません。

また、サイト調査復旧には多額費用時間がかかります。単純な改ざんの復旧だけでも数十万円情報漏えいの調査セキュリティ対策再構築まで含めると、数百万円以上かかるケースも珍しくありません。その間のビジネス機会損失甚大です。

2.【従業員側】不正アクセスを未然に防ぐ6つの対策

不正アクセスは、従業員一人ひとりの少しの注意で防げるものも少なくありません。ここでは、今日から実践できる6つの基本的対策を、優先度の高い順に紹介します。

  1. 複雑パスワード設定
  2. パスワードの使いまわし禁止
  3. OSやアプリ最新版への更新
  4. 多要素認証設定
  5. 不審メールを開かない
  6. フリーWi-Fiは利用しない

2-1. 複雑なパスワードの設定


パスワードは、不正アクセスから身を守るための最初の、そして最も重要防壁です。英大文字小文字数字記号を組み合わせ、10桁以上のできるだけ長い文字列にしましょう。「password」や「12345678」、自分誕生日といった推測されやすいパスワード絶対に避けるべきです。安全パスワード自力で考えるのが難しい場合は、「ランダムな3つの単語を組み合わせる (例:Correct Horse Battery)」といった手法効果的です。

複雑なパスワードの設定のイメージ画像

2-2. パスワードの使いまわし禁止

複数のサービスで同じパスワードの使いまわしは、極めて危険です。一つのサービスからパスワードが漏えいした場合、その情報を使ってほかのサービスにも次々と不正ログインされてしまう「パスワードリスト攻撃」の標的となります。サービスごとに異なるパスワードを設定し、パスワード管理ツールなどを使って安全に管理しましょう。

2-3. 多要素認証の設定

多要素認証 (MFA) は、ID・パスワードに加えて、SMSで送られる確認コードや、スマートフォンアプリでの承認指紋・顔などの生体認証といった、複数要素を組み合わせて本人確認を行う仕組みです。万が一パスワードが盗まれても、この第二の鍵が不正アクセスを防いでくれます。Googleや各種SNSなど、多くのサービス簡単設定できるため、必ず有効にしておきましょう。

2-4. OSやアプリの最新版への更新

利用しているPCやスマートフォンのOS、そしてインストールしているアプリは、常に最新状態に保ちましょう。ソフトウェア更新プログラムには、発見された脆弱性 (セキュリティ上の欠陥) を修正する「セキュリティパッチ」が含まれています。多くのデバイスアプリでは自動更新設定できますので、有効にしておくことを強く推奨します。

2-5. 不審なメールを開かない

アカウントロックされました」「当選おめでとうございます」といった件名で、偽のWebサイト誘導し、IDやパスワードを盗み取ろうとするフィッシング詐欺メールには、細心注意必要です。送信元メールアドレス正規のものと微妙に違う、文章不自然日本語が使われている、などの特徴があります。被害を防ぐためにも、安易リンククリックしたり、添付ファイルを開いたりしないようにしましょう。どのような手口があるか、フィッシング対策協議会公開する最新緊急情報ニュース確認しておくことも有効です。(注2)

2-6. フリーWi-Fiは利用しない

カフェや駅などで提供されている、パスワードなしで接続できるフリーWi-Fiは、通信内容暗号化されていないことが多く、第三者盗聴される危険性があります。このような環境下で、ネットバンキング通販サイトなどへアクセス個人情報入力する行為非常危険です。やむを得ずフリーWi-Fiを利用する場合は、VPN (仮想プライベートネットワーク) を使って通信暗号化するなど、十分対策を講じましょう。総務省も、公衆無線LANを安全利用するためのガイドライン (注3)公開し、注意を呼びかけています。

3.【管理者側】不正アクセスを未然に防ぐ6つの対策

企業セキュリティは、従業員個人努力だけでは守れません。技術的対策組織的対策を組み合わせた、包括的リスク管理体制構築不可欠です。

  1. アクセス権限最小化
  2. 認証システム強化
  3. セキュリティツール導入
  4. 脆弱性診断定期実施
  5. 従業員へのセキュリティ教育
  6. インシデント対応計画策定

3-1. アクセス権限の最小化

「何も信用しない」ことを前提とするゼロトラストの考え方に基づき、従業員には業務上必要最小限アクセス権限のみを付与します。万が一、従業員アカウントが乗っ取られても、アクセスできる範囲限定されていれば、被害最小限に食い止められます。部署役職に応じてネットワーク分割 (セグメンテーション) し、機密性の高い情報資産へのアクセス経路厳格管理しましょう。

3-2. 認証システムの強化


認証システムの強化のイメージ画像

パスワードだけに頼った認証は、もはや安全とはいえません。企業として、多要素認証導入必須とすべきです。また、Wi-Fiの暗号化方式は、より強固な「WPA3」に対応した機器選定するなど、社内インフラセキュリティ基準を高く保つことが求められます。将来的には、生体認証などを活用したパスワードレス認証への移行視野に入れるべきでしょう。

3-3. セキュリティツールの導入

不正アクセスを防ぐためには、複数セキュリティツールを組み合わせた「多層防御」の考え方も大切です。外部からの攻撃を防ぐ「ファイアウォール」、不正通信検知遮断する「IPS/IDS」、そしてPCやサーバーなど端末 (エンドポイント) での不審な動きを監視する「EDR」などを適切に組み合わせ、あらゆる侵入経路想定した防御壁構築しましょう。

3-4. 脆弱性診断の定期実施

不正アクセスを防ぐため、脆弱性診断継続的実施する必要があります。脆弱性診断とは、自社のWebサイトサーバーに、攻撃糸口となる弱点がないかを専門家確認する取り組みです。これにより、自社では気づけなかった潜在的セキュリティホール発見し、攻撃を受ける前に対策を講じることが可能です。発見された脆弱性は、危険度および影響度に応じて優先順位設定し、計画的修正を行いましょう。

3-5. 従業員へのセキュリティ教育

組織全体セキュリティレベルを高めるには、従業員一人ひとりの意識行動底上げすることが不可欠です。全従業員対象としたセキュリティ教育継続的実施しましょう。フィッシング詐欺メールへの対応訓練や、パスワード適切管理方法社内情報取扱ルールなどを学ぶことで、日常業務に潜むリスクへの対処力が高まります。新入社員研修に組み込むだけでなく、年に数回全社的研修注意喚起を行い、組織全体セキュリティ意識を高いレベル維持しましょう。

3-6. インシデント対応計画の策定


不正アクセス発生した場合に備え、インシデント対応計画をあらかじめ策定しておきましょう。どれだけ対策を講じても、リスク完全ゼロにすることはできないため、被害最小限に抑えるための準備が欠かせません。

インシデント対応計画では、事故発生時に「誰が」「何を」「どの順序で行うのか」を明確に定めます。被害拡大防止から復旧関係各所への報告までを想定した行動手順事前整理しておくことで、緊急時にも冷静かつ迅速対応可能になります。

インシデント対応計画の策定のイメージ画像

4.不正アクセスの被害に遭った場合に企業がとるべき対応

万が一、不正アクセス被害に遭ってしまった場合初動対応の速さが被害拡大を食い止める鍵となります。パニックにならず、以下手順冷静対処しましょう。

ステップ1. 被害拡大の防止 (初動対応)

まずは被害がこれ以上拡大しないようにするための緊急措置として、「止める」「守る」を最優先行動します。不正アクセスが疑われるサーバーやPCを発見したら、直ちにLANケーブルを抜く、Wi-Fiを切るなどしてネットワークから物理的隔離してください。これにより、マルウェアがほかの機器感染を広げたり、攻撃者がさらに内部侵入したりするのを防ぎます。

それに加え、乗っ取られた可能性のあるアカウントパスワードも直ちに変更します。特に、システム根幹を揺るがす管理者権限を持つアカウント最優先です。同じパスワードを使い回しているほかのサービスがあれば、認証情報がすでに盗まれている前提で、それらもすべて変更してください。

ステップ2. 社内への報告と体制構築

次に、組織として動くための体制を整えます。この段階でのスピードが、その後の対応全体の質を決定します。インシデント発見者は、速やかに情報システム部門セキュリティ委員会直属上司第一報を入れましょう。

この時点では詳細不明でも「何かが起きている」という事実迅速共有することが重要です。報告を受けた責任者は、経営層法務広報など関連部署メンバーを含む緊急対応チーム招集し、指揮系統一本化して、組織的対応開始します。

ステップ3. 被害状況の調査と影響範囲の特定

緊急対応チーム指揮のもと、何が起きたのかを正確把握するための詳細調査着手します。調査の妨げにならないよう、まずは隔離した機器ディスクイメージ保全 (コピー) したうえで、ウィルススキャンサーバーアクセスログ解析を行ってください。

これにより「いつ、誰が、どこから侵入し、何をしたのか」という攻撃経路手口特定します。その調査結果に基づき、Webサイトが改ざんされていないか、顧客情報機密情報がどれだけ流出したかなど、被害影響範囲正確に明らかにしていきます。

ステップ4. 外部への報告と公的機関への相談

調査判明した客観的事実に基づき、社外のしかるべき関係者への対応開始します。調査によって個人情報漏えいなどが確定した場合は、影響を受ける可能性のある顧客取引先に、速やかに事実報告し、謝罪するとともに、今後対応について説明します。

また、金銭的被害悪質サイバー攻撃確認された場合は、証拠を揃えて最寄りの警察署被害届提出するか、サイバー犯罪相談窓口 (注4)相談してください。個人情報漏えいが発生した際は、個人情報保護委員会への報告法律義務付けられています。

出典: 個人情報保護委員会ウェブサイト「漏えい等報告・本人への通知の義務化について

  • ※ 外部サイトへ遷移します。

ステップ5. システムの復旧と再発防止策の実施

ビジネス正常化させ、将来安全確保するための最終段階です。バックアップからの復元や、OSのクリーンインストールなどを通じて、システム完全安全状態に戻します。この際、自社だけでの対応困難場合は、サイバーセキュリティ専門調査会社 (デジタル端末情報収集分析するフォレンジック会社など) に支援依頼し、原因根絶したうえでの復旧不可欠です。

そして最後に、今回攻撃手口侵入経路徹底的分析し、同じ被害二度と遭わないための恒久的対策 (セキュリティポリシー見直し、新たな機器導入など) を策定し、実行します。

5.まとめ

本記事では、不正アクセス具体的手口被害実例、そして個人企業がそれぞれ取るべき対策について網羅的解説しました。巧妙化するサイバー攻撃から自らの情報資産を守るためには、継続的対策が欠かせません。

  • 個人ができる未然対策複雑パスワード設定パスワードの使い回し禁止多要素認証有効化が特に重要
  • 企業が取るべき未然対策アクセス権限最小化認証システム強化多層防御ツール導入といった技術的対策と、従業員教育インシデント対応計画策定といった組織的対策両輪で進める。
  • 万が一の事態への対応ネットワークからの遮断パスワード変更状況調査関係者への報告専門家への相談迅速に行う。

これらを全て自社だけで対応するのは、技術面運用面ともに負担が大きくなりがちです。もしセキュリティ対策不安がある場合は、専門家サポート外部サービス活用視野に入れることが、現実的かつ効果的選択肢となるでしょう。

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