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HTTP (Hypertext Transfer Protocol) とは、WebサーバーとWebブラウザの間でホームページなどの情報をやり取りする際に使われる通信プロトコルです。
私たちがブラウザを使ってWebサイトを閲覧する際、このHTTP通信の仕組みが利用されています。HTTPの特徴は、動作がシンプルである点です。ブラウザからの要求 (リクエスト) に対してサーバーが応答 (レスポンス) を一つ返すという単純な機能で構成されます。
この完結した性質から、Webサイト表示だけでなく、プログラムが他の機能 (API) を呼び出すRESTという仕組みでも広く採用されています。通常、HTTPはTCPという通信プロトコルと組み合わせて使用され、通信にはポート番号80番が使われるのが一般的です。
通信プロトコルとは、コンピューター同士が情報をやり取りする際に必要となる、あらかじめ決められた約束事やルールのことです。インターネットでは、このプロトコルがあることで、異なる種類のコンピューターやソフトウェアでもスムーズに通信できます。
HTTPによる通信は、私たちが使っているWebブラウザなどのクライアントがWebサーバーに対して「要求」を送り、それに対してサーバーが「応答」を返すという、非常にシンプルなやり取りで成り立っています。この一連の流れによって、Webページの内容が私たちの画面に表示されます。
この「要求」と「応答」が具体的にどのようなものなのか、以下で詳しく見ていきましょう。
HTTPリクエストとは、WebブラウザからWebサーバーへ送られる「Webページの情報をください」という要求のことです。ユーザーがURLを入力したり、リンクをクリックしたりすると、Webブラウザは自動的にHTTPリクエストを作成し、Webサーバーへ送信します。このリクエストには、どの情報がほしいのかという要求内容が含まれており、サーバーはそれに応じたデータ (HTML、画像など) を返します。
具体的には、HTTPリクエストには以下の情報が含まれています。
HTTPリクエストは、レストランで店員さんに注文を伝えるようなものです。お客さん (Webブラウザ) が「この料理をください」と注文 (リクエスト) すると、店員さん (Webサーバー) がその注文に応じて料理 (Webページの情報) を運んできます。この注文には、「何を頼んだか (URL)」「どうしてほしいか (メソッド)」「お客さんの好み (ヘッダー)」「追加のメモ (ボディ)」などの情報が含まれているイメージです。
HTTPレスポンスとは、WebサーバーがWebブラウザからの要求 (リクエスト) に対して返す応答のことです。Webサーバーは、リクエストされた内容に応じて、HTMLファイルや画像ファイル、動画ファイルなどの情報をWebブラウザに送り返します。
この応答には、以下の情報が含まれています。
つまり、HTTPレスポンスは、Webブラウザからの「この情報がほしい」という問いかけに対して、Webサーバーが「はい、どうぞ」と情報を返すようなイメージです。
HTTPメソッドは、Webサーバーに対してどのような操作を行いたいかを伝えるための命令の種類です。Webサイトの閲覧やデータの送信など、目的に応じて使い分けられます。
これらのメソッドは、リクエストに含まれており、Webサーバーはそれぞれのメソッドに応じて適切な処理を行います。
HTTPとHTTPSの大きな違いは、インターネット上で行われる通信が暗号化されているか否かです。HTTPSは、HTTPにSSLhttps://biz.kddi.com/content/glossary/s/ssl//TLSという暗号化技術を組み合わせることで、通信内容を保護する仕組みを持っています。
ここではHTTPSの基本的な特徴を紹介し、そのあとにHTTPとの違いを比較形式で詳しく解説します。
HTTPS (Hypertext Transfer Protocol Secure) は、WebブラウザとWebサーバー間の通信を暗号化することで、安全性を高めるプロトコルです。SSL/TLSという技術を使って、送受信されるデータを暗号化するため、第三者による盗聴や改ざんを防ぐことができます。
WebサイトのURLが「https://」で始まっている場合、そのサイトはHTTPSによる通信を行っていることを示します。もともとは、個人情報やクレジットカード情報を入力するECサイトなどで多く利用されていましたが、現在では多くのWebサイトで標準的に導入されているのが一般的です。
| 比較項目 | HTTP | HTTPS |
|---|---|---|
| 通信の暗号化 | なし | あり (SSL/TLSによる暗号化) |
| プロトコル | HTTP | HTTP + SSL/TLS |
| URLの表示 | http:// | https:// |
| ポート番号 | 80 | 443 |
| セキュリティ | 低い (盗聴・改ざん・なりすましのリスクあり) |
高い |
| 主な用途 | Webサイトの閲覧 (現在は非推奨) |
あらゆるWebサイト (特に個人情報を扱う場合) |
HTTPSを導入することで、HTTP/2などの新しい通信技術が利用可能になり、Webページの表示速度や効率も向上します。さらに、Googleなどの検索エンジンでは、HTTPSを使用しているサイトがSEOで有利になる傾向があるため、Webサイト運営者にとっても重要な要素です。
現在では、HTTPSがWebサイトの標準となっており、ユーザーも「https://」で始まるURLを確認することで、安全性を意識した利用が可能になります。
HTTPとは、Webサーバーとブラウザが情報をやり取りするための基本的な通信プロトコルです。一方でHTTPSは、HTTPにSSL/TLSという暗号化技術を組み合わせ、通信の安全性を高めたプロトコルです。両者の大きな違いは通信が暗号化されているか否かにあり、URLの先頭が「http://」か「https://」かで見分けることが可能です。かつては個人情報を扱うページのみでHTTPSが利用されていましたが、現在ではセキュリティ意識の高まりやSEOへの影響から、あらゆるWebサイトで通信全体を暗号化する常時SSL化が標準的な手法となっています。
安全なWeb利用のために、今後はURLに「https」と表示されているか、SSLによるセキュリティが確保されているかを確認するようにしましょう。
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