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スマートフォンを使うだけでカーボンニュートラル!?
Smart Workコラム vol. 40

スマートフォンを使うだけでカーボンニュートラル!?

2024 10/4
気候変動への対応は国際的な課題となっており、企業にもカーボンニュートラル (温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること) への取り組みが求められている。カーボンニュートラルを実現するためには、サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減が不可欠であるが、その対応に多くの企業が苦労しているのが実状だ。KDDIは企業向けのカーボンニュートラルへの取り組み方を提案し、スマートフォンの利用から始められる具体的なソリューションを提供する。

※ 2023年5月31日公開

企業に求められるカーボンニュートラル対応の重要性と課題

現在気候変動に対する対応国際的にも課題になっており、各企業にも「カーボンニュートラル」への取り組みが求められている。気候変動自然環境破壊、延いては企業経済活動にも深刻影響を与えるため、国際的目標である2050年までにCO2排出量実質ゼロにするという「カーボンニュートラル」の達成は、企業持続可能性にも直結している。

しかし、企業が「カーボンニュートラル」を達成するには、複数課題が立ちはだかる。

まず、温室効果ガス (GHG) 排出量は3つの区分に分けて算定報告するという考え方が国際的基準となっている。事業者自直接排出する温室効果ガス (Scope1) 、次に電力会社から供給された電気使用による間接排出 (Scope2)、そして資材サービス調達物流社員通勤出張など、サプライチェーン全体からのCO2排出 (Scope3) だ。

上流(サプライチェーンにおける輸入に関する排出)→自社(自社における直接・間接排出)→下流(サプライチェーンにおける販売に関する排出)
サプライチェーン排出量

中でもScope3はCO2排出量全体の8割を占めるケースが多いため、 企業自社のCO2排出量 (Scope1) だけでなく、サプライチェーン全体排出量 (Scope3) を管理し、削減する必要がある。ただし、これには原材料調達から製品廃棄に至るまで、幅広範囲でのCO2排出源特定対策が求められる。特に中小企業にとっては、サプライチェーン全体のCO2排出量管理困難であり、大企業のように資源集中して対応することが難しい状況だ。

さらに、企業が「カーボンニュートラル」の実現に向けて具体的行動を起こすためには、先進技術導入再生可能エネルギーへの転換不可欠になる。こうした対策には高いコストが伴うため、多くの企業経済的負担を感じているのが実情である。

また、近年東証プライム市場上場企業に対しては、気候関連情報開示義務付けられ、有価証券報告書備考欄にもその記載をすることが課されている。目標設定義務付けが進み、カーボンニュートラル実現に向け消費者ステークホルダーから取り組みを求められる中、その課題に取り組まないことは経営上リスクにもなっている。


スマートフォン利用によって削減できた排出量を可視化、開示

KDDIは2023年4月より、CO2排出量削減可視化実現する「グリーンモバイル」を法人向けに提供開始した。
このサービスは、KDDIを利用する企業すべてのスマートフォン料金プラン適用される。

KDDIは通信事業者として日本で初めて、通信サービス提供する過程発生するCO2排出量実測値 (一次データ) を開示する試みを行い、スマートフォンをご利用のすべての法人のお客さまのScope3におけるCO2排出量削減支援企業自社スマートフォン利用に伴うCO2排出量正確把握し、サプライチェーン全体におけるCO2排出量 (Scope3) の削減目標設定達成状況管理可能になる。

法人のお客さまのスマートフォンでカーボンニュートラルを実現

前述したとおり、Scope3におけるCO2排出量算出削減については自社活動範囲外にまたがるため、企業としても取り組みが難しい。しかし、本プランであれば、KDDIが実際電力グリーン化していくことでCO2排出削減し、その分をオフセット (相殺) することで、Scope3の排出量削減貢献できる。


カーボンニュートラルの実現に向けた企業の取り組み方とは

企業日常的業務の中でも、カーボンニュートラル貢献することが可能だ。
例えば、 リモートワーク導入従業員通勤によるCO2排出削減し、カーボンニュートラルへの貢献促進する重要手段だ。また、前述したKDDIが提供している「グリーンモバイル」は法人スマートフォン利用に関するCO2排出量可視化し、通信サービス提供までの電力再生可能エネルギーにできるため、実質KDDIのスマートフォン利用するだけでCO2排出量削減貢献ができる。

日常的業務の中で手軽に取り組める方法活用することで、企業カーボンニュートラル実現に向けた一歩を踏み出せる。KDDIは今後も「カーボンニュートラル」の価値を折り込んだDX化を進め、社会持続的成長貢献していく。


カーボンニュートラル推進を支援する我々の取り組み

KDDIは、テクノロジー気候変動問題に取り組むスタートアップであるアスエネ株式会社提携し、アスエネ株式会社のCO2排出量見える化・削減報告クラウドサービス「ASUENE」とKDDIの「KDDI Green Digital Solution」を通じて、企業カーボンニュートラル実現に向けた支援共同実施してきた。

また、東京電力ホールディングス株式会社株式会社エナリスと共にauリニューアブルエナジー株式会社事業主体として、2025年度蓄電池事業参入に向けて、大型蓄電池設備建設開始する。これにより、電力安定供給再生可能エネルギー普及拡大貢献することを目指している。

そして、KDDIは2023年6月29日、群馬県と「GX (グリーントランスフォーメーション) 推進による自立分散型社会実現に向けた連携協定」を締結した。本協定締結により、群馬県目指再生可能エネルギー計画的普及電源自立分散化をKDDIおよびauリニューアブルエナジーが支援する。群馬県は、全国でも有数日照時間を誇り「群馬県再生可能エネルギー推進計画」に基づき再生可能エネルギー計画的普及を図っている。本協定事例を他の自治体にも横展開しながら、auリニューアブルエナジーがパーパスとして掲げる「再生可能エネルギーで、“自然” と “地域社会” をつなぎ、地球と人が、ともに豊かに暮らせる未来へ。」の実現目指す。


KDDIの新たな目標/2040年度末までにネットゼロ達成

カーボンニュートラル」の課題に対して、KDDI株式会社は2024年5月9日に脱炭素社会実現加速させるため、2040年度末までにネットゼロ達成することを含む4つの新しい環境目標発表した。

  • KDDIグループのネットゼロ達成 (2040年度)
  • KDDIグループのカーボンニュートラル達成 (2030年度)
  • KDDI追加性再生可能エネルギー比率50%以上 (2030年度)
  • TELEHOUSEのデータセンターが使用する電力の100%を、再生可能エネルギー由来の電力に切り替え (2025年度)
2019年から2040年度までのCO2排出量の推移を「Scope1+Scope2」「Scope3」で表現
2025年から2030年度の「追加性再エネ」「再エネ」「再エネ以外の電源」の割合
  • ※ ネットゼロ:KDDIの事業活動に関わる排出 (Scope1およびScope2) に加え、Scope3を含むサプライチェーン全体からのCO2排出量実質ゼロにする。
  • ※ 追加性企業自身太陽光発電設備などを新たに導入することで、社会全体再生可能エネルギー導入量増加につながる効果を持つこと。

米国欧州連合に比べると取り組みが遅れている日本において、 2040年度ネットゼロ達成という目標は、KDDIが持続可能未来を築くための大切一歩であり、明るい未来実現すべく、この挑戦推進していく。


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