※ 記事制作時の情報です。
AIは大量のデータを基にパターンを学習し、推論を行います。特に、多様かつ膨大な情報を含むビッグデータは、AIの精度向上において不可欠な要素です。AIとデータは相互に依存する関係にあります。
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AIが扱うデータは、大きく以下の3つに分類できます。
構造化データは表形式のデータで、数値や日時などの規則性を持つため処理しやすい点が特徴です。半構造化データは、JSON (注1) や XML (注2) のようにタグで情報が整理されているものの、構造が固定されていないデータを指します。
非構造化データは、文章・画像・音声など形式が一定でないデータです。
| データ種別 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 構造化データ | 規則的に整理された表形式データ | ・売上データ ・在庫数 ・日時 |
| 半構造化データ | 一部に構造を持つ柔軟なデータ | ・JSON ・XML ・ログデータ |
| 非構造化データ | 明確な構造を持たないデータ | ・画像 ・音声 ・メール本文 |
AIは与えられた大量のデータから特徴を抽出し、パターンを生成することで学習します。主な学習方法は以下の3つです。
教師あり学習は、正解ラベルが付与されたデータを用いて、AIが予測モデルを学習する手法です。
例えば、スパムメール判定では、スパムや非スパムの正解が示されたデータを学習し、新しいメールを分類します。また、株価予測のように、過去のデータと結果を学習して将来の数値を予測する場合にも用いられます。
教師あり学習のメリットは、高い精度のモデルを構築しやすい点です。一方で、正解データを大量に用意する必要があるため、学習にかかるコストが高くなる点はデメリットといえます。学習対象によってはラベル付けが難しいケースもあり、事前のデータ整備が重要となる学習方法です。
教師なし学習は、正解ラベルが存在しないデータをAIが自動的に分類や構造化する学習方法です。
代表例として、ECサイトにおける顧客セグメンテーションが挙げられます。購買履歴や閲覧履歴などの膨大なデータを分析し、行動特性が似ている顧客をグループ化することで、最適なキャンペーン設計や商品提案につなげられます。
メリットは、ラベル付け作業が不要なためデータ準備の負担が少なく、未知の関係性や新しいパターンを自動で発見できる点です。既存の仮説にとらわれない分析が可能なため、マーケティングや商品企画において新たな洞察を得られる可能性があります。ただし、得られた結果の意味づけには担当者の解釈が必要となる点が課題です。
強化学習は、AIが行動すると結果が返ってくるという仕組みを利用し、最適な行動ルールを試行錯誤しながら学ぶ手法です。AIは行動ごとに得られる報酬(ごほうび)が最大化されるよう、自ら行動パターンを改善していきます。
主な例としては、ゲームAIやロボットの動作制御が挙げられます。ゲームAIでは勝利という報酬に向けて戦略を自律的に学び、対戦を繰り返すほど強くなります。ロボット制御では「転ばずに歩けた」「目的地に到達した」などが報酬となり、より滑らかで効率的な動作を実現します。
強化学習のメリットは、人間が教えにくい複雑な判断や連続した行動を、AI自身が学習できる点です。一方で、膨大な試行回数や計算リソースが必要となるほか、報酬設定を誤ると意図しない行動パターンを学習してしまうリスクがあります。
AIと自社データを連携するためには、社内に散在する情報を一元化し、AIが検索・参照しやすい形へ整備する必要があります。特に社内文書は形式が統一されておらず量も膨大であるため、高精度な検索機能が不可欠です。
環境を整備することで、AIは最新かつ正確な社内情報を基に、回答や推論を行えるようになります。
RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、AIが外部データを検索し、その内容をベースに回答を生成する仕組みです。企業でAIを活用する際には、自社独自の規程やナレッジを活用するRAGが不可欠となります
RAGを導入することで、最新かつ正確な自社データを参照し、企業固有の文脈に沿った精度の高い回答が可能になります。
RAGを活用してデータを連携させることで、企業は以下のメリットを得られます。
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RAGを導入することで、AIの回答精度は大幅に向上します。
RAGを用いない場合、AIは過去の学習データに依存して回答するため、事実と異なる内容(ハルシネーション)を出力するリスクがあります。また、社内情報を参照できないことによる回答の不整合も発生しがちです。
一方、RAGを活用すれば、AIは最新かつ信頼性の高い社内データを直接参照して回答を生成します。これにより情報源の曖昧さや誤情報の混入といった課題を大幅に減少可能です。
社内規程やマニュアル、FAQなどの正確な根拠に基づいた回答が得られるため、業務上の判断ミス防止にもつながります。
RAGにより、AIを企業ごとの業務特性に合わせて高度にカスタマイズできます。
一般的なAIモデルは汎用的な知識しか持たないため、企業固有の専門用語や特殊な業務プロセスまでは理解していません。
しかしRAGを活用すれば、自社文書を参照しながら回答を生成するため、その企業ならではの文脈に沿った応答が可能です。独自の申請フローや社内ルール、製品仕様などを正確に捉え、実務に即したAIアシスタントを構築できます。
結果として現場での利便性が高まり、部門ごとの業務特性に合わせた柔軟な運用も実現します。
RAGを活用したAIは、定型業務の自動化や情報検索の高速化を実現し、従業員の業務負荷を大幅に削減します。
例えば、問い合わせ対応やマニュアル検索をAIが代行すれば、担当者はより高度な判断が必要なコア業務に集中することが可能です。必要な情報をAIが即時に提示するため、業務スピードが向上し、限られた人員でも効率的に業務を回せる体制づくりに貢献します。
人手不足が深刻化する昨今において、AIが業務の隙間を埋め、生産性向上と省人化の両立を支援する点は大きなメリットです。
AI活用を成功させるために重要なポイントは以下の2つです。
AI活用で成果を出すには「何を解決したいのか」を明確にすることが重要です。
目的が曖昧なまま進めると、どの部署のデータを集めるべきか、AIにどのような処理をさせるかといった判断軸が定まりません。その結果、不要なデータを収集したり、実務に合わないシステムを構築してしまったりするおそれがあります。
成功の秘訣は、特定の部署や課題に絞って小さく活用するスモールスタートです。例えば、問い合わせ工数の削減や資料検索の効率化など、現場の課題に直結するテーマから始めることで、成果を早期に可視化できます。これにより社内理解を得やすくなり、スムーズな全社展開へとつなげることが可能です。
AIの精度は、入力するデータの質に大きく左右されます。誤字脱字、欠損データ、重複などが含まれていると、AIの判断が不正確になり、期待した成果が得られません。
そのため、活用前にデータクレンジングを行い、データを整備することが重要です。具体的には、欠損値の補完、フォーマット統一、不要データの削除などを実施します。データが整理されて初めて、AIは正しく学習し、実務で活用できる精度に到達します。このデータクレンジングこそが、AI活用の成否を分ける重要工程といっても過言ではありません。
AIによるデータ活用を成功させるには、目的を明確にしたうえで、質の高いデータをAIに取り込み、分析できる仕組みを整えることが重要です。特にRAGを活用すれば、社内データを正確に参照した回答が可能になり、業務効率化や判断の高度化に大きく貢献します。
まずは小さく始めて成果を積み上げながら、自社に最適なAI活用を段階的に進めていくことが、効果を最大化する鍵となります。
KDDIは、AIを活用したデータ分析や業務改善を検討されている法人のお客さまに
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