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AIツールとは、AI (人工知能) の技術を活用して業務や生活を効率化・高度化するためのソフトウェアやサービスを指します。近年注目されている生成AIもその一つで、文章や画像、音声、動画などさまざまなコンテンツを自動で作成できるツールが急増しています。これらのAIツールは、ディープラーニングや機械学習といった技術を基盤に進化してきました。幅広い領域でAIツールの活用が進んでおり、中小企業でも導入しやすいクラウド型のサービスも増えています。
KDDIの生成AIサービスの詳細は下記をご覧ください。
関連サービス: 生成AI
AIツールの代表的な10種類を一覧表にまとめ、用途や選び方を整理しました。
ツール名 | 分野 | 特徴 |
---|---|---|
ChatGPT | 文章・画像・音声 | 自然な対話や文章作成に加え、画像も扱える。幅広い業務に対応可能。 |
Google Gemini | 文章・画像・動画・音声 | Googleサービスと相性がよく、推論力が強み。 |
Perplexity AI | 文章・画像・動画・音声 | 出典付きで情報を提示。リサーチに役立つ。 |
Stable Diffusion | 画像 | 写実的で高品質な画像を生成。カスタマイズ性が高く独自モデルの構築にも活用できる。 |
Midjourney | 画像 | 独創的で印象的な画像を生成。Discord上で利用。 |
Adobe Firefly | 画像 | Photoshopなどと連携。商用利用に便利。 |
Runway | 画像・動画・音声 | 短い動画や特殊効果を直感的に作成可能。プロモーション動画に活用できる。 |
Sora | 動画 | テキストからリアルな短尺~長尺動画を生成。シミュレーションや商品紹介などで注目されている。 |
Claude | 文章・画像 | 長文の要約や整理が得意。契約書やレポート業務で活用しやすい。 |
Notion AI | 文書 | Notion内で文章作成や翻訳をサポート。日常の業務効率化に役立つ。 |
ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が開発した生成AIサービスです。文章生成や要約にとどまらず、プログラミング支援、資料作成、画像や音声の理解といった多様な用途を一つのツールで担います。
日本語を含む多言語での自然な応答が可能で、チャット形式による手軽さと、対応範囲の広さ・高い精度による調査・企画・顧客対応など、幅広い業務をサポートできる点が強みです。また2025年7月には「ChatGPT エージェント」によって検索やアプリ操作を自動化し、実務アシスタントとしての存在感を高めています。
プランは無料のFreeと有料のPlus、Pro、チーム向けのBusiness、大規模導入用のEnterpriseと段階的に用意されています。利用規模やセキュリティ要件に応じて選択できる点も魅力です。
ChatGPTの詳細は下記をご覧ください。
Google Geminiは、Google社が開発した生成AIサービスです。ChatGPTと同様に、文章・画像・動画をすべて扱えるマルチモーダルAIですが、大きな違いは推論力にあります。
複数の情報を突き合わせ、筋道立てて結論を出す推論力が高く、表や画像、短い動画を横断して要点を整理し、全体像を捉えることを得意としています。
検索や資料作成、プログラミング支援、画像解析など幅広く対応し、特にGoogleサービスとの親和性が強みです。Google Workspaceやクラウド環境と連携しやすく、既存の業務基盤に組み込みやすい点も特徴です。
プランは、無料のGemini Free、最新モデルを利用できるGemini Advanced、業務統合に向いたGemini for Workspace、さらに大規模利用のEnterprise向けが用意されており、利用規模に応じて選択できます。
Geminiの詳細は下記をご覧ください。
Perplexity AIは、アメリカのPerplexity社が提供する、検索と対話型AIを組み合わせたサービスです。質問に対して、回答と同時に根拠となる出典リンクを提示します。
ユーザーは生成された内容の根拠をその場で確認でき、調査やレポート作成に活用しやすい点が強みです。例えば「生成AIの最新動向」を調べたい場合、従来の検索では情報の取捨選択に時間がかかりましたが、Perplexityは要点を整理したうえで出典を明示するため、必要な情報とその根拠を簡単に確認できます。
プランは基本的な機能を備えた無料版と、最新モデルや高速処理が使えるPro版 (月額制)、企業向けのEnterprise Proプラン、開発者向けに従量課金制のAPIプランが提供されています。
Stable Diffusionは、イギリスのStability AI社が開発した、文章入力から高品質な画像を生成できるオープンソースの画像生成AIモデルです。商用利用も可能で、AIモデルを自由にカスタマイズし、学習データを追加して独自のモデルを構築できます。
例えば、LoRA (Low-Rank Adaptation) という技術を用いた追加学習で、特定の画風やキャラクターをモデルに学習させ、既存のモデルでは表現しきれなかった独自のスタイルを反映した画像生成を実現可能です。アートやデザインの制作はもちろん、商品イメージや広告素材の作成など、クリエイティブ分野で幅広く活用されています。
また、ローカル環境に導入して利用できるため、社内データを外部に送らずに処理可能であり、セキュリティ面でも安心です。利用環境に応じて料金体系が分かれており、Webサービス版は1日10枚まで無料、ローカルPCなら完全無料で使え、さらに有料プランも用意されています。
Midjourney社が提供するMidjourneyは、文章入力から高品質かつ独創性のある画像を生成できるAIツールです。写真風のリアルな表現だけではなく、絵画風や幻想的なスタイルまで幅広く対応し、クリエイティブ分野で人気を集めています。アート制作や広告デザイン、Webのビジュアル素材作成に多く活用されており、表現の自由度の高さが特徴です。
利用は主にチャットアプリのDiscord上で行われ、専用のチャンネルにプロンプトを入力すると短時間で複数の候補画像を提示します。
料金プランは利用頻度やプライベート利用の可否、速度制限の有無で分かれており、Basic、Standard、Pro、Megaの4プランです。独創的な画像生成に強みを持つツールとして、多くのデザイナーに支持されています。
Adobe Fireflyは、Adobeが提供する画像生成に特化した生成AIツールです。画像の一部を差し替える「生成塗りつぶし」や、文字に特殊な効果を加える「テキストエフェクト」など、既存のデザイン作業を補助する機能を備えています。IllustratorやPhotoshopといった既存のAdobe製品と連携できるため、デザイン業務の効率化に直結する点が大きな魅力です。例えば、Adobe Creative Cloud内で即座に共有・編集できるほか、企業が保有するロゴやフォント、カラーパレットといった素材もそのまま活用できるため、制作の手間を減らせます。
利用者は直感的に操作でき、プロのデザイナーが精度を高める用途はもちろん、初心者が簡単に使えるUIも整備されています。利用は無料ですが、Fireflyの全機能を利用するためにはFirefly専用のプラン、またはCreative Cloud Proなどの上位プランの契約が必要です。
Runwayは、アメリカのRunway AI社が提供する、テキストや静止画から動画を自動生成できるAIツールです。専門知識がなくても扱いやすいシンプルな操作性が特徴で、映像制作の手間を大きく削減できます。さらに、編集機能やエフェクト追加も搭載しているため、ゼロからの動画生成と既存動画の編集を一体的に行える点が特徴です。
特に「Gen-2」と呼ばれる動画生成モデルは、リアルな表現力と動きの自然さで注目されています。プランは無料版のほか、生成時間や解像度の制限が緩和される有料版が用意されており、個人クリエイターから映像制作会社まで幅広く利用できます。効率的に映像制作を進めたいユーザーに適したAIツールです。
Soraは、OpenAIが開発した動画生成AIで、テキストや画像、動画を基に数秒から数十秒までの高精細な動画を生成できるAIモデルです。
複数のアスペクト比 (横長、縦長、スクエア) に対応し、物理法則や現実的な動きを理解しているかのような自然な映像表現が可能です。広告や教育コンテンツ、クリエイティブな映像制作など幅広い用途での活用が期待されています。
現在はChatGPTの有料プラン (Plus/Pro) で利用でき、解像度や生成時間はプランによって異なります。今後さらに機能が拡張されれば、Runwayなど既存の動画生成サービスと並ぶ主要な選択肢となるでしょう。
Claudeは、Anthropic社が開発した対話型AIで、長文の読解や要約に強みを持ちます。学術論文、契約書、ビジネスレポートといった数万字規模の文書も処理できるため、リサーチや資料レビュー、会議記録の整理など幅広い業務に活用されています。また、会話文脈を丁寧に追跡する設計がされており、複雑な質問にも論理的かつわかりやすく回答できる点が魅力です。
プランは無料版に加えて、有料の「Claude Pro」では長文入力や応答速度が強化され、法人向けにはより大容量のコンテンツを扱える拡張版も用意されています。個人の学習から企業の知識業務まで、多様なニーズに対応できるツールです。
Notion AIは、Notion Labs社が提供するドキュメントやタスク管理ツール「Notion」に統合されたAI機能です。複数のAIツールを個別導入する代わりに文章作成や要約、翻訳、アイデアのブレインストーミングなどを一元化できるため、業務効率化やコスト削減につながります。
例えば、従来のメモ・タスク管理機能に加え、AIが自動で文章を整理・整形するため、レポートや議事録の作成、プロジェクト管理資料の下書きなどに活用できます。
また、ワークスペース全体と連動して動作するため、過去のノートやデータベースを参照しながら情報を統合でき、AI検索やリサーチモードを活用して必要な答えを瞬時に引き出せる点も大きな特徴です。料金体系はNotionの通常プランにアドオン形式で追加でき、個人からチームまで幅広いユーザーに導入されています。
AIツールを導入する際には、解決したい課題を明確にし、導入実績や社内環境との相性を確認することが大切です。以下の3つの観点を参考に検討しましょう。
AIツールを導入する際は、まず自社の課題を具体的に把握することが欠かせません。例えば、顧客対応の効率化、データ分析の高度化、マーケティング業務の自動化など、どの領域で改善が必要か明確にしましょう。
課題が不明確なまま導入すると、機能を十分に活用できず、費用対効果が下がります。導入目的を整理しておくことで、最適なツールを効率的に選定でき、期待した効果が得られない可能性も抑えられます。
AIツールの選定時は、どれだけ多くの企業や組織で活用されているかを必ず確認しましょう。導入実績が豊富なツールは、安定性や信頼性が見込め、トラブル時の解決事例も多いため安心感があります。
さらに、自社と近い業種や規模での事例を調べると、実際にどのような課題を解決できたのかを把握できます。事例ページやユーザーの声を参考にすることで、導入後の具体的な活用イメージを描けるでしょう。
AIツールは高性能なものほど、安定したネットワークや十分なPC性能、セキュリティ対策など環境面の整備が欠かせません。導入前には、自社のシステムやインフラが必要条件を満たしているかを確認することが重要です。
また、クラウド型かオンプレミス型かによって導入のハードルが変わります。クラウド型なら初期投資が抑えられる場合がありますが、セキュリティポリシーに適合するか検討が必要です。環境の整備状況を把握することで、導入後のトラブルや予期せぬ追加コストを抑えることができます。
AIツールは文章生成から画像・動画制作、業務支援、情報収集まで幅広い用途に対応しており、企業の業務効率化や競争力強化に直結します。成果につなげるためには、用途に応じて最適なツールを選定することが重要です。
本記事でご紹介した特徴や選び方を参考に、自社の課題にフィットするAIツールを導入することで、日々の業務改善や新たな価値創出が見込まれます。
AI活用を進める際には、信頼できるパートナーの存在が成功の鍵を握ります。KDDIは、AIの導入に必要な高度なセキュリティやセキュアな環境の提供から、導入時のコンサルティング、設計、構築までをトータルサポートし、安心してAIを活用できる環境を整備します。さらに、関連するサービスや事例も豊富に揃えており、導入効果を具体的にイメージしていただけます。詳細は以下のページをご覧ください。