Azureは高い拡張性を備えており、企業のニーズに合わせてリソースを簡単に拡張・縮小できます。トラフィックの急増や一時的な需要の高まりにも迅速に対応でき、不要になったリソースを削減することにより、コストの最適化を容易に行うことができます。
また、ハイブリッドクラウドを運用し、既存のオンプレミス環境のリソースが不足した場合には、Azure側でリソースを一時的に増やして補完可能です。サービス全体の柔軟性・拡張性が高く、スタートアップから大企業まで、さまざまな規模のビジネスに有用です。
通信と多様なケイパビリティを活用し、DXと事業基盤サービスでお客さまビジネスを支援します。
CO2排出量の可視化から削減まで、一貫してカーボンニュートラル実現を支援します。
KDDIは『つなぐチカラ』でビジネス、ライフスタイル、社会をアップデートします。
場所にとらわれずつながるソリューションを、デバイスからセキュリティまで支援します。
多数の次世代型低軌道衛星により高速・低遅延通信を提供します。
データセンターからネットワークまで、業務に最適なソリューションをトータルで提供します。
中小規模の事業者向けに特化したスマートフォンのご利用方法のご案内です。
中小規模事業者のやりたいことや変えたいことを、モバイルとクラウドの技術を用いてサポートします。
※ 記事制作時の情報です。
Azureは、Microsoft社が展開しているクラウドサービスであり、企業のITインフラを最適化するためのプラットフォームです。
IaaS (注1) と、PaaS (注2) の両方の機能を兼ね備えており、必要なリソースを柔軟に利用できます。使用量に応じた従量課金制を採用しているため、コストを抑えて運用できるのも魅力です。Windows ServerやActive Directoryと高い互換性があり、自社の既存システムとの連携やハイブリッドクラウド (注3) の構築も容易です。世界中にデータセンターを展開し、万が一障害が発生しても迅速に復旧できる安定的な稼働環境を実現していることから、さまざまな業界で導入が進んでいます。
Azureには、企業のITインフラやアプリケーション開発を強力に支援する多彩な機能とサービスが用意されています。ここでは、主な機能・サービスを紹介します。
Webベースの統合コンソールで、Azure上のリソースを一元管理できます。
サービス管理やインシデント管理、Webアプリケーションの構築およびデプロイなど、管理・監視業務を支援し、IT担当者の日常業務を大幅に効率化するツールです。
PCやモバイル端末からアクセスでき、カスタマイズ可能なダッシュボードでリソースやパフォーマンスを把握できるほか、リアルタイムでリソース使用状況や請求情報が確認可能なため、コスト管理もしやすくなります。
ソフトウェア開発における一連の業務を支援するツール群です。Azure DevOpsを活用すれば、開発チーム全体の生産性向上が図れます。主なツールは、以下の5つです。
ツール | 機能 |
---|---|
Azure Boards | プロジェクト管理とタスクの進捗状況の可視化 |
Azure Pipelines | 継続的インテグレーション (CI) /継続的デリバリー (CD) を使用して、構築からテスト、展開まで可能 |
Azure Repos | ソースコードの共有やバージョン管理 |
Azure Test Plans | 手動または探索的テストツールを利用可能 |
Azure Artifacts | クラウド上でプライベートなパッケージ管理を容易に実行可能 |
アプリケーション開発を支援する、サーバーレスのイベント駆動型コンピューティングサービスです。特定のイベント (HTTPリクエストやGitHubイベント、データベース更新、スケジュールイベントなど) が発生したときに、自動的に処理を実行します。
標準でサポートする言語は、C#、Java、JavaScript、PowerShell、Python、TypeScriptなどと幅広く、開発環境に応じて選択することができます。従量課金プランを契約すれば、使用量に応じたコスト調整が可能で、アクセス増加時には自動的にリソースを増やして対応するため、拡張性にも優れています。
IaaSクラウド上で仮想マシンを作成・管理できるコンピューティングリソースです。Windows系とLinux系のOSをサポートしており、開発用サーバーやテストサーバーを構築できます。
また、アプリケーションのデプロイや動作検証のための環境を作成することも可能です。さまざまな用途に対応できるよう、複数のシリーズがラインアップされています。
安定した稼働環境と高い拡張性を提供するクラウドストレージサービスで、主なストレージオプションは次のとおりです。
ストレージオプション | 機能 |
---|---|
Azure BLOB | 大量の非構造化データ (画像、動画、ログなど) を保存 |
Azure Files | SMBプロトコルなどを介してクラウド上に共有ドライブを構築 |
Azure Queue | アプリケーションコンポーネント間で、非同期メッセージキューを利用可能 |
Azure Table | NoSQLデータを保存するための構造化ストレージサービス |
このように4種類のストレージ層が用意されており、使用頻度に応じてコストを最適化できます。ローカル冗長ストレージなど複数のレプリケーションオプションも用意されており、データのバックアップやアーカイブ、ビッグデータ分析基盤に適しています。
重要なデータを守るためのクラウドベースの情報保護ソリューションです。オンプレミス環境かクラウド環境かを問わず、データの移動先で一貫した環境を提供し、情報漏えいを未然に防ぎます。メールやドキュメント、機密情報などにラベルを付与して管理でき、ユーザーごとのアクセス制限機能や暗号化によるデータ保護が可能です。「Microsoft 365」との統合で、業務効率を維持しながらセキュリティ強化にも貢献します。
AI技術を活用した製品群を提供するプラットフォームで、代表的なサービスは以下の3つです。
サービス | 特徴 |
---|---|
Azure OpenAI Service | GPT-4oなどのOpenAI製品を利用可能 |
Azure AI Foundry | 生成AIアプリケーションやAPIの開発・デプロイを支援 |
Azure AI Search | 高度なRAG (注4) を備えたAI検索システム |
Azure AIは既存サービスと連携が容易なため、大規模データ処理やリアルタイム分析、需要予測、異常検知など幅広い分野で活用されています。業務プロセスの自動化により顧客対応に注力できるため、顧客体験の向上などの効果も見込めます。
Azureを導入することで、企業は多くのメリットが得られます。ここでは、拡張性やコスト、セキュリティの面におけるAzureの3つのメリットについて解説します。
Azureを導入する際には、適切な手順を踏むことが重要です。ここでは、以下の5ステップについて解説します。
Azureを導入する前に、自社のビジネス課題やシステム環境を正しく認識するために情報を集め、理解を深めることが必要です。
例えば、次のような情報は重要です。
事前に情報収集を行い、導入後のイメージを具体的につかむことで、運用開始までのプロセスがスムーズに進行します。
アセスメント (事前評価) のステップでは、現在のオンプレミス環境や既存のシステムを評価して、Azure導入の可否や優先順位を判断します。
主なアセスメント内容として、以下が挙げられます。
入念なアセスメントは移行時のリスクを最小化するだけでなく、コストの最適化にも役立ちます。
Azureを利用するためのクラウド環境を整備し、スムーズなシステム移行や安定した運用を目指します。オンライン移行の場合は、クラウドとオンプレミス環境のネットワーク接続を適切に設計することが重要です。まずは、Microsoftアカウントまたは組織アカウントを用意し、AzureにサインインしてAzureアカウントを作成します。次に、テナント (Microsoft Entra ID) とサブスクリプション (注5) を準備し、仮想ネットワークの構築や接続方式 (VPN、エクスプレスルート) の設計、セキュリティ設定 (ファイアウォール、アクセス制御)、リソース管理の設定を進めます。
なお、特定のシナリオにおいて既存のサブスクリプションを移行する場合、プロセスを完了させるためにダウンタイムが必要となることがあります。そのため、ダウンタイムが必要かどうかを評価するには、慎重な計画が求められます。
既存システムをAzureへ移行するステップです。データやアプリケーションを移行した後、動作確認まで実施します。仮想マシンやストレージ、データベースなどのAzureリソースを新規作成し、ツールを使用して、サーバーやデータの移行作業を進めます。
Azureでは、クラウド移行ツール
「Azure Migrate」が用意されており、クラウド移行時に進行状況を追跡・管理することができます。アプリケーションの移行後は、依存関係の調整などを行います。移行作業が完了したら、システムが正常に稼働できているか確認します。
動作確認で問題がなければ、本格的にAzureでのシステム運用を開始します。移行後のAzure環境を安定運用させつつ、継続的に改善を行います。また、定期的な運用保守計画の策定 (バックアップ、リソース最適化、障害対応) も欠かせません。
Azure Monitorによるシステムの監視や、Log Analyticsを活用したデータ分析などで運用面での課題が解決できます。適切な運用保守の実施により、Azureのパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能です。
ここでは、Azureを導入してセキュリティ強化やITインフラの効率化に成功した2つの企業事例を紹介します。どちらの事例も、導入から運用・保守までKDDIが一貫したサポートを行っています。
エース株式会社様は、増大するサイバーセキュリティの脅威や自然災害のリスクに対応するため、「Microsoft Azure with KDDI」を活用したクラウド基盤の構築を実施しました。既存のMicrosoft製品との高い親和性に加え、ネットワーク設計からセキュリティ設計、構築、運用監視まで一気通貫で任せられるなど、KDDIの技術サポート体制を評価し、採用を決定したとのことです。
Azureを導入することにより、国内2拠点の冗長構成で災害対策への強化を実現し、サーバー更新の手間が不要になったことで維持管理費を約15%削減しました。KDDIのほかサービスとの連携により、高いセキュリティも確保しています。
日本光電工業株式会社様は、ITインフラの効率的な運用管理を目指し、従来のオンプレミス環境から「Microsoft Azure with KDDI」へ移行しました。
サーバーやネットワーク機器の監視・運用をKDDIに一元化することで、システム担当者の運用保守負担を大幅に軽減できました。Windowsアップデートなどの定期メンテナンスを「KDDI ITアウトソースセンター (ITOS)」に委託したことにより、DX推進やセキュリティ強化などの新たな施策に集中して取り組める環境を実現しています。
Microsoft Azureは、柔軟なリソース管理とコストを最適化しやすい料金体系を持ち、強固なセキュリティを備えたクラウドプラットフォームです。Microsoft製品はもちろん、Linuxなどのオープンソースソフトウェアとも高い親和性を持っています。拡張性の高さやAI・データ分析機能を活用することにより、企業の成長や市場競争力の向上にも貢献します。
適切な導入と運用を行うことで、デジタル戦略を加速させる強力な基盤となるでしょう。
KDDIでは「Microsoft Azure with KDDI」を提供しており、Azureを導入される企業のサポートを行っています。お客さまのニーズに合わせて、IaaS・PaaSから高度な機能まで柔軟に多彩な機能を選択でき、最適なクラウド環境を構築できます。
また、Microsoft製品やオンプレミスのシステムとの高い親和性を持ち、業界最大の品揃えを誇るコンプライアンスサービスが特徴で、画像認識などの最先端のコグニティブサービスや機械学習機能を手軽にご利用いただけます。
さらに、「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」と「ダイレクト接続 for Microsoft Azure」を組み合わせることで、Azure ExpressRouteにより、閉域網に接続する便利な機能を利用することができます。
これにより、お客さまの環境に対してセキュアで安定した帯域を確保でき、オンプレミスのようなハードウェアの資産管理や保守作業が不要になり、運用負担が軽減されます。CPU数やメモリー容量を自由に選べるVirtual Machineの豊富なラインアップにより、お客さまのビジネスに最適なクラウド環境が実現できます。