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Microsoft Azure (アジュール) とは?機能やメリット、導入のステップを解説

Microsoft Azure (アジュール) とは?
機能やメリット、導入のステップを解説

2025 5/12
Microsoft Azure (アジュール、以下「Azure」) は、企業の業務効率化や生産性向上に役立つクラウドプラットフォームです。多彩な機能やサービスを活用することで、企業はコストの最適化、セキュリティの強化、アプリケーション開発の迅速化など、さまざまな利点を享受できます。本記事では、Azureの基本情報をはじめ、主な機能・サービス、メリット、導入ステップまで詳しく解説し、具体的な活用事例もご紹介します。

※ 記事制作時の情報です。

1.Microsoft Azureとは

Azureは、Microsoft社が展開しているクラウドサービスであり、企業のITインフラ最適化するためのプラットフォームです。

IaaS (注1) と、PaaS (注2)両方機能を兼ね備えており、必要リソース柔軟利用できます。使用量に応じた従量課金制採用しているため、コストを抑えて運用できるのも魅力です。Windows ServerやActive Directoryと高い互換性があり、自社既存システムとの連携ハイブリッドクラウド (注3)構築容易です。世界中データセンター展開し、万が一障害発生しても迅速復旧できる安定的稼働環境実現していることから、さまざまな業界導入が進んでいます。

  • 注1) ITシステムの基盤となるインフラ環境を提供するクラウドサービス。
  • 注2) アプリケーションを開発・実行するためのプラットフォームをクラウド上で提供するサービス。
  • 注3) 自社サーバー (オンプレミス環境) と、パブリッククラウド (クラウドサービス) を組み合わせて使う運用形態。

2.Azureの機能・サービス

Azureには、企業のITインフラアプリケーション開発強力支援する多彩機能サービス用意されています。ここでは、主な機能・サービス紹介します。

Azureの機能・サービスのイメージ。


2-1. Azure Portal

Webベース統合コンソールで、Azure上のリソース一元管理できます。
サービス管理インシデント管理、Webアプリケーション構築およびデプロイなど、管理監視業務支援し、IT担当者日常業務大幅効率化するツールです。

PCやモバイル端末からアクセスでき、カスタマイズ可能ダッシュボードリソースパフォーマンス把握できるほか、リアルタイムリソース使用状況請求情報確認可能なため、コスト管理もしやすくなります。
 


2-2. Azure DevOps


ソフトウェア開発における一連業務支援するツール群です。Azure DevOpsを活用すれば、開発チーム全体生産性向上が図れます。主なツールは、以下の5つです。

ツール 機能
Azure Boards プロジェクト管理とタスクの進捗状況の可視化
Azure Pipelines 継続的インテグレーション (CI) /継続的デリバリー (CD) を使用して、構築からテスト、展開まで可能
Azure Repos ソースコードの共有やバージョン管理
Azure Test Plans 手動または探索的テストツールを利用可能
Azure Artifacts クラウド上でプライベートなパッケージ管理を容易に実行可能

2-3. Azure Functions

アプリケーション開発支援する、サーバーレスイベント駆動型コンピューティングサービスです。特定イベント (HTTPリクエストやGitHubイベントデータベース更新スケジュールイベントなど) が発生したときに、自動的処理実行します。

標準サポートする言語は、C#、Java、JavaScript、PowerShell、Python、TypeScriptなどと幅広く、開発環境に応じて選択することができます。従量課金プラン契約すれば、使用量に応じたコスト調整可能で、アクセス増加時には自動的リソースを増やして対応するため、拡張性にも優れています。
 


2-4. Azure Virtual Machines

IaaSクラウド上で仮想マシン作成管理できるコンピューティングリソースです。Windows系とLinux系のOSをサポートしており、開発用サーバーテストサーバー構築できます。
また、アプリケーションデプロイ動作検証のための環境作成することも可能です。さまざまな用途対応できるよう、複数シリーズラインアップされています。
 


2-5. Azure Storage


安定した稼働環境と高い拡張性提供するクラウドストレージサービスで、主なストレージオプションは次のとおりです。

ストレージオプション 機能
Azure BLOB 大量の非構造化データ (画像、動画、ログなど) を保存
Azure Files SMBプロトコルなどを介してクラウド上に共有ドライブを構築
Azure Queue アプリケーションコンポーネント間で、非同期メッセージキューを利用可能
Azure Table NoSQLデータを保存するための構造化ストレージサービス

このように4種類ストレージ層が用意されており、使用頻度に応じてコスト最適化できます。ローカル冗長ストレージなど複数レプリケーションオプション用意されており、データバックアップアーカイブビッグデータ分析基盤に適しています。
 


2-6. Azure Information Protection

重要データを守るためのクラウドベース情報保護ソリューションです。オンプレミス環境クラウド環境かを問わず、データ移動先一貫した環境提供し、情報漏えいを未然に防ぎます。メールドキュメント機密情報などにラベル付与して管理でき、ユーザーごとのアクセス制限機能暗号化によるデータ保護可能です。「Microsoft 365」との統合で、業務効率維持しながらセキュリティ強化にも貢献します。
 


2-7. Azure AI

AI技術活用した製品群提供するプラットフォームで、代表的サービス以下の3つです。

サービス 特徴
Azure OpenAI Service GPT-4oなどのOpenAI製品を利用可能
Azure AI Foundry 生成AIアプリケーションやAPIの開発・デプロイを支援
Azure AI Search 高度なRAG (注4) を備えたAI検索システム

Azure AIは既存サービス連携容易なため、大規模データ処理リアルタイム分析需要予測異常検知など幅広分野活用されています。業務プロセス自動化により顧客対応注力できるため、顧客体験向上などの効果見込めます。

  • 注4) 生成AIの回答に検索情報を組み合わせて、精度を高める技術。

3.Azureを利用するメリット

Azureを利用するメリットのイメージ。

Azureを導入することで、企業は多くのメリットが得られます。ここでは、拡張性コストセキュリティの面におけるAzureの3つのメリットについて解説します。

4.Azureを導入するステップ


Azureを導入する際には、適切手順を踏むことが重要です。ここでは、以下の5ステップについて解説します。

  1. 情報収集
  2. アセスメント
  3. 環境整備
  4. システム移行
  5. 運用保守
Azureを導入するステップのイメージ。

Step 1. 情報収集

Azureを導入する前に、自社ビジネス課題システム環境を正しく認識するために情報を集め、理解を深めることが必要です。
例えば、次のような情報重要です。

  • 現行システム課題とAzureで解決可能ポイント確認
  • Azureの提供サービス価格体系サポート内容把握
  • 自社課題解決参考となる導入事例ベストプラクティスなどの調査

事前情報収集を行い、導入後イメージ具体的につかむことで、運用開始までのプロセススムーズ進行します。


Step 2. アセスメント

アセスメント (事前評価) ステップでは、現在オンプレミス環境既存システム評価して、Azure導入可否優先順位判断します。
主なアセスメント内容として、以下が挙げられます。

  • 現行システムでAzureに移行可能アプリケーションデータ特定
  • アプリケーション稼働状況依存関係調査
  • 移行方式決定 (オフラインオンラインのどちらで転送するか、転送時にどのサービス利用するかなど)
  • 利用料金シミュレーション

入念アセスメント移行時リスク最小化するだけでなく、コスト最適化にも役立ちます。


Step 3. 環境整備

Azureを利用するためのクラウド環境整備し、スムーズシステム移行安定した運用目指します。オンライン移行場合は、クラウドオンプレミス環境ネットワーク接続適切設計することが重要です。まずは、Microsoftアカウントまたは組織アカウント用意し、AzureにサインインしてAzureアカウント作成します。次に、テナント (Microsoft Entra ID) とサブスクリプション (注5)準備し、仮想ネットワーク構築接続方式 (VPN、エクスプレスルート) の設計、セキュリティ設定 (ファイアウォール、アクセス制御)、リソース管理設定を進めます。

なお、特定シナリオにおいて既存サブスクリプション移行する場合プロセス完了させるためにダウンタイム必要となることがあります。そのため、ダウンタイム必要かどうかを評価するには、慎重計画が求められます。

  • 注5) Azureにおけるサブスクリプションとは、管理課金スケール単位のことで、必要に応じて設定する。

Step 4. システム移行

既存システムをAzureへ移行するステップです。データアプリケーション移行した後、動作確認まで実施します。仮想マシンストレージデータベースなどのAzureリソース新規作成し、ツール使用して、サーバーデータ移行作業を進めます。
Azureでは、クラウド移行ツール
「Azure Migrate」が用意されており、クラウド移行時進行状況追跡管理することができます。アプリケーション移行後は、依存関係調整などを行います。移行作業完了したら、システム正常稼働できているか確認します。


Step 5. 運用保守

動作確認問題がなければ、本格的にAzureでのシステム運用開始します。移行後のAzure環境安定運用させつつ、継続的改善を行います。また、定期的運用保守計画策定 (バックアップ、リソース最適化障害対応) も欠かせません。
Azure Monitorによるシステム監視や、Log Analyticsを活用したデータ分析などで運用面での課題解決できます。適切運用保守実施により、Azureのパフォーマンス最大限に引き出すことが可能です。


5.Azure活用事例

ここでは、Azureを導入してセキュリティ強化やITインフラ効率化成功した2つの企業事例紹介します。どちらの事例も、導入から運用保守までKDDIが一貫したサポートを行っています。


5-1. 信頼性の高いクラウド環境でビジネスを守る

エース株式会社様は、増大するサイバーセキュリティ脅威自然災害リスク対応するため、「Microsoft Azure with KDDI」を活用したクラウド基盤構築実施しました。既存のMicrosoft製品との高い親和性に加え、ネットワーク設計からセキュリティ設計構築運用監視まで一気通貫で任せられるなど、KDDIの技術サポート体制評価し、採用決定したとのことです。

Azureを導入することにより、国内2拠点冗長構成災害対策への強化実現し、サーバー更新手間不要になったことで維持管理費を約15%削減しました。KDDIのほかサービスとの連携により、高いセキュリティ確保しています。


5-2. クラウドと委託で運用保守から解放

日本光電工業株式会社様は、ITインフラ効率的運用管理目指し、従来オンプレミス環境から「Microsoft Azure with KDDI」へ移行しました。

サーバーネットワーク機器監視運用をKDDIに一元化することで、システム担当者運用保守負担大幅軽減できました。Windowsアップデートなどの定期メンテナンスを「KDDI ITアウトソースセンター (ITOS)」に委託したことにより、DX推進セキュリティ強化などの新たな施策集中して取り組める環境実現しています。

6.まとめ

Microsoft Azureは、柔軟リソース管理コスト最適化しやすい料金体系を持ち、強固セキュリティを備えたクラウドプラットフォームです。Microsoft製品はもちろん、Linuxなどのオープンソースソフトウェアとも高い親和性を持っています。拡張性の高さやAI・データ分析機能活用することにより、企業成長市場競争力向上にも貢献します。

適切導入運用を行うことで、デジタル戦略加速させる強力基盤となるでしょう。


Azureの導入と活用をご検討中の方はKDDIへ

KDDIでは「Microsoft Azure with KDDI」を提供しており、Azureを導入される企業サポートを行っています。お客さまのニーズに合わせて、IaaS・PaaSから高度機能まで柔軟多彩機能選択でき、最適クラウド環境構築できます。
また、Microsoft製品オンプレミスシステムとの高い親和性を持ち、業界最大品揃えを誇るコンプライアンスサービス特徴で、画像認識などの最先端コグニティブサービス機械学習機能手軽にご利用いただけます。

さらに、「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」と「ダイレクト接続 for Microsoft Azure」を組み合わせることで、Azure ExpressRouteにより、閉域網接続する便利機能利用することができます。

これにより、お客さまの環境に対してセキュア安定した帯域確保でき、オンプレミスのようなハードウェア資産管理保守作業不要になり、運用負担軽減されます。CPU数やメモリー容量自由に選べるVirtual Machineの豊富ラインアップにより、お客さまのビジネス最適クラウド環境実現できます。

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