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IoTネットワークとは?通信方式の仕組みや種類、活用事例を解説

IoTネットワークとは?通信方式の仕組みや種類、活用事例を解説

2025 12/24
IoTネットワークとは、センサーや機器などの「モノ」がインターネットに接続し、データを送受信できる仕組みです。これにより、工場の設備監視やスマート家電の制御をはじめ、ダムや送電設備など遠隔地のインフラ管理なども可能となります。
本記事では、IoTネットワークの基本概念から通信方式の種類、実際の活用事例などを解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.IoTネットワークとは

IoTネットワークとは、センサー機器などの「モノ」をインターネット接続し、データ送受信できる仕組みです。

センサー機器などのモノ収集した情報は、Wi-FiやLTEといった通信網を通じてクラウドやほかのデバイス送信されます。その後、AIなどで分析処理され、その結果をもとに、機器遠隔操作自動制御可能となります。

IoTネットワーク活用すれば、工場機械家庭用家電をはじめとするさまざまなIoTデバイスネットワーク接続され、業務最適化生活利便性向上実現可能です。

1-1. IoTネットワークの主要機能


IoTネットワーク主要機能以下の3つです。

  • データ収集
  • 通信
  • 制御
IoTネットワークの主要機能のイメージ画像

データ収集」では、センサー温度湿度振動電力消費量などの情報自動取得します。これにより、人手を介さずに現場状況数値化できる点が特徴です。次に「通信」では、収集したデータをWi-Fi、LTE、5G、LPWAなどのネットワークを通じてクラウド管理システム送信します。最後に「制御」では、分析結果に基づいて機器遠隔操作または自動制御します。

例えば工場では、設備稼働状況リアルタイムで「収集」し、IoTネットワークで「通信」したうえで、温度上昇振動異常検知した際に自動稼働停止するなど「制御」します。

この3要素連携により、IoTネットワークは「データを集め、送り、動かす」仕組みを構築し、業務効率化安全性向上実現できるのです。

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2.IoTネットワークの種類

IoTネットワークは、大きく「直接通信方式」と「デバイスゲートウェイ方式」の2種類分類されます。それぞれ、通信距離消費電力産業用途に適した特徴があるため、導入目的に応じて選ぶことが重要です。

2-1. 直接通信方式

直接通信方式とは、IoTデバイス同士中継機器を介さず、直接データをやり取りする通信方式です。代表的な例として、BluetoothやZigBeeなどの短距離無線通信があります。

通信経路シンプルなため、構築コストが低く遅延も少ないのが利点です。一方で、通信距離は数メートルから数十メートル程度に限られ、接続できるデバイス数にも制約があります。そのため、スマートホーム機器制御工場内近距離センサー連携など、小規模局所的なIoTシステムに適しています。

2-2. デバイスゲートウェイ方式

デバイスゲートウェイ方式とは、IoTデバイスゲートウェイ中継装置)を介してクラウドサーバー通信する方式です。ゲートウェイデータ一括集約し、通信規格変換暗号化を行うことで、安全かつ効率的データ送信します。

LTEや5Gなどの高速低遅延通信技術は、工場生産ライン監視スマートシティ交通制御などに利用されています。また、LPWA(Low Power Wide Area)は低消費電力長距離通信可能なため、農業分野環境モニタリングインフラ設備遠隔監視有効です。

これにより、広域分散したデバイスデータ効率的収集し、運用コスト削減できます。

■ 2-2-1. LTE

LTEは、4G通信網活用したIoT向けのモバイル通信方式です。広域エリアカバーし、高速かつ安定したデータ通信を行えます。移動体通信対応しているため、車両管理システム物流位置情報追跡など、移動を伴うIoTデバイスに適しています。

LTEは全国整備された通信インフラ活用できるため、導入コストを抑えながら確実通信環境実現可能です。

関連サービス: KDDI IoT通信サービス LTE

■ 2-2-2. 5G

5Gは、超高速超低遅延多数同時接続実現する次世代通信技術です。リアルタイム性が求められる遠隔操作ロボット自動運転車両制御などに適しており、ミリ秒単位通信実現します。

さらに、1平方キロメートル当たり100万台規模デバイス接続にも対応しているため、大規模スマートシティ製造工場ネットワーク基盤として活用が進んでいます。

■ 2-2-3. LPWA

LPWA(Low Power Wide Area)は、低消費電力かつ長距離通信実現する無線通信技術総称です。1回の電池交換数年間稼働できるため、電源確保が難しい農業用センサーインフラ設備遠隔監視に適しています。

通信速度低速ですが、少量データ長期間安定的送信できる点が強みです。広範囲デバイスを低コスト管理できるため、メンテナンス負荷コストを抑えた運用可能です。

関連サービス: KDDI IoT通信サービス LPWA

■ 2-2-4. Bluetooth

Bluetoothは、近距離での無線通信を行う技術です。消費電力が少なく、ペアリング設定容易に行えます。数メートルから十数メートル範囲での通信可能で、ウェアラブルデバイススマート家電などのデータ通信に多く利用されています。

特にBluetooth Low Energy(BLE)は、電池駆動小型IoT機器に適しており、スマートウォッチなどで活用されているのが特徴です。

■ 2-2-5. ZigBee

ZigBeeは、低消費電力多点間通信可能メッシュネットワーク方式採用しています。通信距離は短いものの、デバイス同士中継し合うため、広いエリアカバーすることが可能です。

主にスマートホーム産業用センサー網などで利用され、照明制御温湿度管理など、常時接続必要なIoT環境に適しています。省エネ性と信頼性を兼ね備え、安定したデータ伝送実現できるのが特徴です。

■ 2-2-6. Z-Wave

Z-Waveは、家庭オフィス向けのスマートホーム制御特化した無線通信方式です。独自周波数使用するため、ほかの無線機器との干渉が少なく安定した通信を行えます。その特性を活かし、ドアロック照明セキュリティ機器などで利用されています。

通信距離数十メートル程度ですが、メッシュ接続により複数機器連携させることで通信範囲拡大可能です。

2-3. 冗長化

IoTネットワーク冗長化とは、通信経路機器二重化し、障害発生してもシステム継続稼働させる仕組みです。例えば、メイン回線トラブルが生じた際は、自動的予備回線へ切り替えることで、データ通信中断を防ぎます。

冗長化工場生産ライン交通インフラなど、常時稼働が求められる環境において特に重要です。冗長化導入することで、ネットワーク信頼性を高め、業務停止リスク最小限に抑えられます。

2-4. IoT専用SIM

IoT専用SIMとは、IoTデバイス向けに設計された、長期間安定して動作する通信カードです。スマートフォン用のSIMと異なり、遠隔管理自動通信制御最適化されており、大量機器同時接続できます。

また、閉域網外部インターネット経由しない通信経路)の利用により、不正アクセスリスク低減できる点も特徴です。さらに低容量プラン従量課金制選択できるため、用途に応じて通信料金削減できる点も大きなメリットといえます。

3.IoTネットワークのメリット

本章ではIoTネットワーク導入で得られるメリット解説します。

  • リアルタイムデータ収集活用
  • 遠隔地からの監視制御
  • 業務効率化コスト削減

3-1. リアルタイムなデータ収集と活用


リアルタイムなデータ収集と活用のイメージ画像

IoTネットワーク活用すれば、センサー機器からの情報リアルタイム収集分析できます。これにより、状況変化即座把握し、迅速意思決定可能です。

例えば製造業では、設備温度振動データ常時監視し、異常早期検知による品質管理故障予防実現しています。蓄積したデータをAIで分析することにより、生産効率最適化不良率削減推進できるでしょう。

3-2. 遠隔地からの監視・制御

IoTネットワーク利用することで、離れた場所から設備機器状態監視制御できます。デバイス常時ネットワーク接続されているため、現場に行かなくても運転状況異常確認可能です。

例えば、送電設備水道インフラでは、遠隔監視により保守要員現地巡回削減し、コスト時間節約実現しています。異常検知されると自動警告発信する仕組みにより、トラブル対応迅速化安全性向上につながります。

3-3. 業務効率化とコスト削減

IoTネットワークによるデータ連携は、業務自動化効率化を大きく後押しします。センサー機器取得した情報をもとに、自動最適処理を行うことで、人手作業削減ミス防止可能です。

例えば物流業では、車両位置情報温度データ自動記録し、配送ルート最適化することで燃料費労働時間削減しています。こうした仕組みは、人手不足課題となる現場での省力化コスト最適化に大きく貢献します。

4.IoTネットワークの課題

IoTネットワーク普及が進む一方で、運用にはセキュリティ導入コスト人材不足といった課題存在します。

IoTでは膨大な数のデバイス常時ネットワーク接続されるため、不正アクセス情報漏えいのリスクが高まります。センサー設置通信環境構築費用クラウド利用料など、初期費用運用コスト発生する点にも注意必要です。また、IoTを専門とする人材確保が難しい点も課題といえます。

セキュリティリスクを防ぐには、IoTネットワーク社内業務ネットワーク物理的または論理的に分ける「ネットワーク分離」がおすすめです。これにより、万一IoTネットワーク侵入された場合も、基幹システム重要データへの被害を防げます。

5.IoTネットワークの活用事例

IoTの具体的活用事例業界別紹介します。

  • 製造業スマート工場
  • 農業スマート農業
  • 物流業配送ルート最適化
  • 医療遠隔患者モニタリング
  • 暮らし:スマートホーム

5-1. 製造業:スマート工場

製造業では、IoTネットワーク活用したスマート工場化が進んでいます。生産ライン各設備センサー設置し、温度振動稼働時間などをリアルタイム取得。これらのデータをIoTネットワーク経由クラウド送信し、AIが異常検知すると自動停止メンテナンス通知を行います。

実際に、ある工場では稼働状況の見える化により業務革新が進み、予想の2倍となる1%/日を超える生産量の伸び率を実現しました。

  • ※ 外部サイトに遷移します。

5-2. 農業:スマート農業


農業分野では、IoTネットワーク活用したスマート農業注目されています。圃場農作物栽培するための農地総称)に設置した温湿度日照土壌センサーリアルタイム環境データ収集し、クラウド上で自動解析結果に基づいて給水量肥料散布量制御可能です。

これにより、水使用量削減収穫量向上など、効率的かつ持続可能農業経営実現できます。

農業:スマート農業のイメージ画像

5-3. 物流業:配送ルートの最適化

物流業では、IoTネットワーク活用して配送ルート最適化を図っています。トラック貨物にGPSデバイス搭載し、位置情報温度積載状況リアルタイム収集。IoTネットワークを通じて管理システム分析し、最短ルート自動算出します。その結果配送効率向上燃料費削減などの効果確認されています。

また、渋滞回避再配達削減にも寄与し、サステナブル物流運営を支えています。

5-4. 医療:遠隔患者モニタリング

医療分野では、IoTネットワーク活用した遠隔患者モニタリング普及しています。

患者装着するウェアラブルデバイス心拍数血圧体温などを計測し、IoTネットワークを介して医療機関データ送信します。これにより、医師リアルタイム患者状態把握し、異常兆候早期検知可能です。

結果として、入院日数短縮医療スタッフ負担軽減につながり、在宅医療質向上寄与しています。

5-5. 暮らし:スマートホーム

日常生活においては、IoTネットワーク活用したスマートホーム導入が進んでいます。家電照明空調などがIoTネットワーク連携し、スマートフォン音声操作遠隔制御可能です。

さらに、使用状況データをAIが分析し、最適運転モード自動提案。これにより電力消費削減につながり、快適居住環境維持できます。

6.自社に合うIoTネットワークの選び方

自社最適なIoTネットワークを選ぶには、導入目的明確にすることが重要です。遠隔監視自動制御など、解決したい業務課題具体化することで、必要通信速度データ量が定まります。

次に、通信環境適合性確認しましょう。通信エリアの広さや設置場所電波状況により、5G・LTE・LPWAなど最適方式選択可能です。また、セキュリティ要件を満たせるかも重要ポイントです。

7.まとめ

IoTネットワークは、モノインターネットをつなぎ、リアルタイムデータ活用可能とする基盤です。製造農業物流医療住宅などあらゆる分野で、業務効率化や新たな価値創出を支えています。自社最適なIoTネットワークを選ぶには、課題目的明確にし、最適通信方式構成検討することが重要です。

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