このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

閉じる
閉じる
閉じる
出会いをつなぐ来客受付—進む受付業務のデジタル化
Smart Workコラム vol. 23

出会いをつなぐ来客受付—進む受付業務のデジタル化

2021 11/5
テレワークが普及し、出社はもちろん訪問・来客の機会が激減している現在。そのような状況の中で注目されているのがクラウド受付システム「RECEPTIONIST」です。
コロナ禍のいま、企業の受付業務はどんな課題を抱え、どう進化しようとしているのか。
大企業の受付業務に10年以上従事し、「人と人が出会う第一歩となる受付をよりよいものにしたい」という株式会社RECEPTIONIST 代表取締役CEO 橋本 真里子 様に、KDDI株式会社 クラウドサービス企画部 ビジネスアプリケーショングループ グループリーダー 日比野 健太郎が話を聞きました。
※ 記事内の社名、部署名、役職は取材当時のものです。

コロナ禍で急増する受付業務のデジタル化

橋本 真里子様

株式会社RECEPTIONIST
代表取締役CEO
橋本 真里子 様

日比野 橋本さんは上場企業受付業務に10年以上従事し、
その経験をもとにクラウド受付システム「RECEPTIONIST」を企画創業されたのですよね。

橋本様 はい。ビジネス基本は人と人とのつながりや出会いなので、その出会いをよりよい形につなげる受付重要業務です。この受付をよりよい体験にしたいと考えている企業に対し、当社では「RECEPTIONIST」を提供しています。

日比野 テレワーク拡大し、出社はもちろん相手先への訪問来客機会激減しました。受付業務に関し、いま企業はどのような課題ニーズを抱えているのでしょうか。

橋本様 以前は「働き方改革」の文脈で、受付業務効率化のため「RECEPTIONIST」を導入する企業大半でした。
しかし、新型コロナウィルス感染症拡大以降リスクマネジメント従業員を守るという観点で「RECEPTIONIST」導入検討する企業が増えています。
例えば、感染防止のために内線電話には触れたくないというものから、万が一の感染発生時来客履歴ログ管理したいというものまで、「放置していた受付業務改善したい」という声が大きくなってきたのです。
またテレワークが増えたことで、数少ない出社中社員来客対応負荷がかかるという課題も見えてきて、その解決に向けてお問い合わせいただくこともあります。

日比野 健太郎

KDDI株式会社
ソリューション事業本部 サービス企画開発本部
クラウドサービス企画部
ビジネスアプリケーショングループ グループリーダー
日比野 健太郎

クラウド受付システム「RECEPTIONIST」がもたらす価値

日比野 そうしたニーズに「RECEPTIONIST」はどう応えるのでしょうか。

橋本様 来訪者タブレット端末受付を行うと、その来訪者約束のある社内担当者スマートフォンメールやSMS、SlackやTeamsに直接通知されます。社内担当者への取次時間がかかることもないので、スムーズにお出迎えできます。さらに、事前発行しているQRコード端末にかざせば完全非接触受付ができるので、安心担保できます。
受付検温装置アルコール設置している企業も増えましたが、実は体温データ緊急連絡先海外渡航歴などの情報も、事前設定すれば「RECEPTIONIST」にログとして残せるんです。こうすることで、万が一社内感染発生した場合、あるいは来訪者感染判明した場合迅速関係者連絡できます。

日比野 コロナ禍ならではのニーズも満たしながら、完全無人で受け付けできるわけですね。

「RECEPTIONIST」の画面イメージ
初めて使用する来訪者にも使いやすいシンプルなインターフェース

橋本様 はい。ただ実は、無人だけでなく、有人受付併用いただくケース多数あります。例えば「コロナ禍で来客機会が減り、以前と同じ人数受付スタッフ確保するのは難しいけれど、会議室への案内消毒などで人手必要」という場合がありますよね。来客取次を「RECEPTIONIST」に一任できれば、受付スタッフは人がやるべき仕事集中できます。
受付のやり方は企業によってさまざまなので、受付に何を求めるのかを軸に考え、柔軟活用できるのが「RECEPTIONIST」の強みです。

よく「なぜ前職仕事を奪うようなサービス開発したのですか」と聞かれるのですが、奪うつもりで開発したわけではありません。
私自身来訪者受付票手書きで記入してもらい、受付スタッフ内線で取り次ぐのは非効率だと当時から感じていました。
そこから解放したほうが、人にしかできないご案内やお茶出しなどのおもてなし会議室準備清掃集中できますし、パフォーマンスも高くなり、結果的社内価値還元できるはずと感じたからです。

日比野 受付だけでなく、日程調整会議室予約サービス提供していると伺いましたが、その理由を教えてください。

橋本様 来訪者受付にいらっしゃるということは、その前に日程調整会議室予約必要になりますよね。
当たり前といえば当たり前なのですが、実はこれは関係者間調整連絡などが何往復にもなる煩雑業務です。
スムーズ日程調整が進まない経験は、きっと多くの方がお持ちでしょう。

当社では以前からこの部分を含めた強化を考えていましたが、コロナ禍になり「社内社外の人をつなげる」という点でより付加価値を高めていく必要があると考え、「調整アポ」、会議室やWeb会議用スペース予約できる「予約ルームズ」の提供開始しました。

調整アポ」は、主要スケジューラー連動し、自分たちの空き日時表示するURLを相手先に送って日時を選んでいただくサービスです。
「RECEPTIONIST」や「予約ルームズ」と連携し、受付会議室確保までスムーズに行えるほか、Web会議のURLも自動発行できるため、さまざまなシーンでご利用いただけます。

「調整アポ」の画面イメージ
「調整アポ」の画面イメージ
スケジュールの空き状況が共有され、会議日時の調整がスムーズに

予約ルームズ」は会議室やWeb会議用ブーススペース予約するツールです。
ユニークな点として、来訪者が「RECEPTIONIST」で受付を済ませると、使用予定会議室設置しているタブレットなどの端末アラート表示する機能があります。直前までその会議室を他の方が使っている場合、そのアラートによって退出を促すことができるんです。

実は受付業務の1つに、時間超過会議室から退室していただく“お部屋出し”というのがあり、会議室利用における課題の1つだと感じていました。これを解決するものです。

「予約ルームズ」の画面イメージ
会議室の端末で会議終了までの時間をお知らせ。退出を促すアラートも表示します。

日比野 まさに受付経験者ならではの発想ですね。アナログのやり取りが当たり前だった調整受付会議室予約から退室までがシームレスかつ効率的にできるように進化したわけですね。


会えることが当たり前ではない現在、
受付システムでおもてなしを

画像はイメージです。
受付完了の画面で、来訪者に合わせたメッセージ表示が可能です。

日比野 来客者業者の方にメッセージを出したり、待ち受け画面季節感を出したりなど、おもてなしの気持ちを反映したプロダクト作りにも注力なさっていますね。

橋本様 応対が「人」から「iPad」に変わることで無機質さを感じる方もいらっしゃいます。
そこで「○○さま、いらっしゃいませ」「ありがとうございます」などを来訪者に合わせてメッセージングしていくことで、おもてなしの気持ちを表現できると考えました。
会えることが当たり前ではないからこそ、会えたときのその場の体験価値を高めることに、少しでもお役立ていただけると嬉しいです。

もちろん氏名所属などの個人情報周囲に向けて表示するのは望ましくないので、受付していただいた最後画面で出すようにしています。


受付業務のデジタル化で見えてくるもの

日比野 「RECEPTIONIST」導入企業からはどんなお声がありますか。

橋本様 最も多いのは、「来客取次から解放された!」とのお声ですね。スタッフ総務受付兼務されているケースだと、月数十時間業務削減効果が出たというお話もあります。また、工場などでは守衛の方が受付を兼ねているケースも多いのですが、「RECEPTIONIST」導入後は、取次負担はなくなり、守衛業務来訪者への検温消毒注力できるようになったというお声もありました。まさに、私たちが「RECEPTIONIST」で目指している姿です。

ユニークなご感想でいえば、「受付をIT化することで、先進企業というイメージを打ち出せるようになった」というお声もあります。オフィス内装を変えることなく、日程調整から受付会議室予約スムーズになることで、採用面接に来た方から「DX化が進んでいる企業なんだ」と感心されることもあるそうで、人事の方にも喜んでいただいているようです。

日比野 なるほど、リスクマネジメント業務効率化だけではない、「RECEPTIONIST」の影響度がうかがえますね。「RECEPTIONIST」導入コツをぜひ教えてください。

橋本様 まずは一部署一拠点など小さく始めて徐々に大きく展開する形がいいと思います。実際に使ってみて、「こういう使い方がうちの会社には合っているな」「うちの受付はこんな感じにしたいな」と、受付のあるべき姿や課題を明らかにしてから導入したほうがスムーズですし、そこから悩みが出てくればコンサルティングもいたします。

日比野 受付業務は、まさにDX化の盲点でした。「社内外の人と人との出会いをつなぐ」場でデジタルがその体験価値向上させ、人同士のつながりもさらによいものになっていく――単なるデジタル化に留まらない「RECEPTIONIST」の価値を改めて感じました。今日はありがとうございました。



ピックアップ