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ペネトレーションテストとは?その目的と脆弱性診断との違いについて解説

ペネトレーションテストとは?
その目的と脆弱性診断との違いについて解説

2025 10/30
サイバー攻撃の手法が年々高度化するなか、企業が自社システムの安全性を検証する手段のひとつとして注目を集めているのが「ペネトレーションテスト」です。「ペンテスト」や「侵入テスト」とも呼ばれ、攻撃者の立場に立って実際にシステムに侵入を試みることで、セキュリティの脆弱性を見つけるテスト手法です。今回は、ペネトレーションテストの仕組みや目的、脆弱性診断とはどのように違うのか、さらに種類や実施方法についても紹介します。

※ 記事制作時の情報です。

1.ペネトレーションテストとは

ペネトレーションテストは、サイバー攻撃巧妙化する現代において不可欠セキュリティ検証手法です。この手法では、実際ハッカー同様攻撃技術を用いてシステムネッワークへの侵入を試み (ホワイトハッカー)、潜在的脆弱性発見します。

脆弱性診断既定チェック項目に基づく受動的検査であるのに対し、ペネトレーションテストは攻撃者立場から能動的システム弱点を探り、実際被害範囲まで検証する点で大きく異なります。
外部インターネットからの不正アクセスや内部ネットワークでの権限昇格など、さまざまな攻撃想定した実証的検査を行います。近年サイバー犯罪高度化により、理論的脆弱性だけでなく実際悪用可能リスク把握することが重要となっており、効果的セキュリティ投資の判断材料として活用されています。

ペネトレーションテストのイメージ画像

ペネトレーションテストの目的


ペネトレーションテストの方法についての説明図。攻撃者 (ホワイトハッカー) がシステムの脆弱性を突いて侵入を試みる様子や、侵入に成功・失敗した場合のリスク、そしてセキュリティ対策の重要性を示している。ルーターやWebサーバー、メールサーバーなどのシステムに対して、実際の攻撃を模して弱点を見つけ出し、未然に防ぐための活動を表している。

ペネトレーションテスト目的は、実際攻撃を模して弱点を見つけ、被害未然に防ぐことです。外部から侵入できるか、内部から情報が持ち出せるかを確かめ、診断だけでは見逃しやすいリスク把握します。
結果をもとに対策実施すれば、企業セキュリティ着実強化できます。

また、発見した弱点重要度見極め、対策優先順位をつける判断材料にもなります。

2.ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いについて

企業セキュリティ強化において重要な「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」は、それぞれ異なる特徴役割を持っています。以下の表で両者の違いを詳しく比較します。

ペネトレーションテスト 脆弱性診断
目的 実際に侵入できるか、影響範囲を検証 既知の脆弱性を網羅的に確認
検証方法 攻撃者視点で手動を交えて侵入を試行 ツールやチェックリストに基づく自動・半自動診断
実施期間 数週間〜数カ月かかる場合がある 比較的短期間で実施可能
実施者 高度な知識を持つ専門技術者 セキュリティ診断サービス提供者
負荷 システムに一定の負荷がかかる場合がある サーバーへの影響は軽微

脆弱性診断短時間かつ低負荷実施できるため定期的セキュリティチェックに適していますが、理論的脆弱性発見に留まる場合があります。一方ペネトレーションテスト時間専門性を要するものの、現実的脅威レベル正確把握できる貴重検証手法です。

3.ペネトレーションテストの種類

ペネトレーションテストは大きく「外部ペネトレーションテスト」と「内部ペネトレーションテスト」に分けられます。前者インターネット経由の攻撃想定し、後者は社内ネットワークからの不正想定するものです。

3-1. 外部ペネトレーションテスト


外部ペネトレーションテストとは、外から会社システムに入り込めるかどうかをチェックするテストのことです。調べる対象は、ホームページ公開しているサーバーなど、外部から誰でもアクセスできる部分です。実際不正アクセス標的型攻撃模倣することで、インターネット上でどの程度リスクにさらされているのかがわかります。
外部からの攻撃規模の小さい会社でも起こりえるため、このテスト防御力を高めるうえで欠かせない検証手段となります。

ペネトレーションテストのイメージ画像

3-2. 内部ペネトレーションテスト

内部ペネトレーションテストは、社内ネットワーク端末アクセスできる状況前提実施されます。内部関係者不正利用や、外部攻撃者一度侵入したあとに社内の別のサーバー端末へ次々と広がっていくケース想定することが目的です。
特に大規模組織では内部からのリスク深刻化しやすく、アクセス権限設定セキュリティポリシー機能しているかを確認するうえで有効です。内部からの攻撃軽視せずに備えることは、総合的セキュリティ強化直結します。

4.ペネトレーションテストの主な手法

ペネトレーションテスト手法には「ブラッボックステスト」「ホワイトボックステスト」「グレーボックステスト」の3種類があります。提供される情報量検証範囲に応じて選択され、それぞれ実際攻撃シナリオを異なる角度から再現します。

4-1. ブラックボックステスト

ブラックボックステストとは、システム内部情報をほとんど与えずに外部から侵入を試みる検査です。例えば、ウェブサイトログイン画面や公開サーバーに対して、不正ログインできないか試したり、入力フォームから情報が漏れないかを確認したりします。
実際攻撃に近い形で安全性確認できますが、情報不足するため見落としが生じやすく、侵入までに時間がかかることがあり、費用期間が多めに必要になる場合もあります。

4-2. ホワイトボックステスト

ホワイトボックステストは、システム内部構造ソースコードなどの情報事前確認しながら行うテスト方法です。例えば、プログラム処理フローデータのやり取りを把握したうえで、脆弱性セキュリティ上の問題点効率よく洗い出せます。
開発段階での品質向上改善点明確化役立ちますが、外部攻撃者視点で行うテストに比べると、未知攻撃への耐性実際侵入リスク完全再現できるわけではない点には注意必要です。

4-3. グレーボックステスト


ペネトレーションテストのイメージ画像

グレーボックステストは、システム一部情報だけを使って行う検証方法で、ブラッボックスとホワイトボックスメリットを兼ね備えています。例えると、家の間取り図の一部だけ見せてもらい、どこに鍵があるかを推測しながら侵入できるか試すイメージです。これにより現実的攻撃想定できます。
ただし情報が限られるため、見落とす部分がある点や完全内部情報がないと効率的問題を見つけにくい点がデメリットです。それでも実際リスク確認する有効手段として、多くの企業活用されています。

5.ペネトレーションテストの実施方法

5-1. 社内で進める

自社ペネトレーションテストを行う場合社内システム業務状況をよく知っているので、問題が見つかってもすぐに対応できます。例えば、自社サーバー社内アプリ脆弱性があれば、担当者がすぐに修正方法検討できます。
また、情報外部に漏れる心配も少ないのが安心です。しかし、専門知識を持つ人材テスト用の環境必要で、準備が整っていないと負担コストがかかる点には注意必要です。社内十分体制がある企業に向いた方法です。

5-2. 信頼できる業者に外部委託する

外部専門業者ペネトレーションテスト依頼すると、最新攻撃手法に詳しいエンジニア実際攻撃想定して検証してくれます。自社専門スタッフがいない、複雑規模の大きいシステムを調べたい場合に特に有効です。
ただし、依頼には費用がかかるほか、社内での調整契約内容確認にも時間必要です。依頼先を選ぶ際は、これまでの実績サポート範囲をしっかり確認し、自社最適支援を受けられるようにすることが大切です。

6.まとめ

ペネトレーションテストは、攻撃者視点に立ってシステム弱点を洗い出せる有効検証手段です。脆弱性診断との違いや、外部内部からの検証ブラッボックス・ホワイトボックスグレーボックス手法特徴理解することが大切です。
また、それぞれの手法特性把握することで、自社に合ったテスト選択できます。コスト時間はかかりますが、その成果企業防御力を大きく高めるものとなります。

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