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変化よりも安定? Z世代が求めるこれからの働き方
Smart Workコラム vol. 35

変化よりも安定? Z世代が求めるこれからの働き方

2025 2/6

Z世代 (1996年~2010年ごろまでの生まれ) の「理想の働き方」に注目が集まっています。新たな世代が希望する働きやすい環境を整備することは、企業が人材を確保する面でも重要です。企業は、Z世代のニーズに応えるためにどのような職場環境を提供すべきなのでしょうか? KDDIではZ世代を中心に512人を対象としたオンライン調査を実施。「Z世代の社会人」「Z世代の学生」「ミレニアル世代の社会人」の3つのグループに分け、各世代の働き方に対する意識や希望を掘り下げます。

※ 2022年8月5日公開

理想の働き方: Z世代の中でも社会経験があると「オフィス出社」が増加する傾向に

世代別理想とする働き方

世代別理想とする働き方
出典: KDDI株式会社

Z世代社会人理想とする働き方は「できる限り毎日オフィス出社する」が38.8%で最も多く、次に「できる限りテレワークで、出社最低限」が27.6%、「ハイブリッド」が19.1%という結果に。Z世代社会人オフィス派が非常に多い結果となりました。

一方、これから働き始めるZ世代学生は「ハイブリッド」を希望する割合が44.3%で最多、次に「テレワーク中心」が28.3%、「毎日オフィス出社」は17.0%に留まりました。同じZ世代でも「できる限り毎日オフィス出社する」は倍以上の差がついており、学生社会人の間で大きなギャップがあることがわかります。

また、この中で一番キャリアがあるミレニアル世代社会人 (2016年以前入社) は「毎日オフィス出社」を希望する割合が43.7%と最も多く、Z世代社会人と似た傾向が見られました。

調査結果から、社会人経験が長いほどオフィス出社メリットを感じていることがわかります。一方で、これから社会に出るZ世代学生は、ハイブリッドな働き方を理想とし、柔軟ワークスタイルを求めているといえます。同じZ世代でも学生社会人との間でギャップがある点については、企業が働き方について積極的コミュニケーションを取り、理想現実とのギャップを埋めていく必要があるでしょう。


会社にあったらうれしい制度: どの世代でも「週休3日制」が人気

就業先の企業にあるとうれしい制度

就業先の企業にあるとうれしい制度
出典: KDDI株式会社

就業先企業にあるとうれしい制度」は、どの世代でも「週休3日制」が一番人気でした。Z世代社会人は56.6%、Z世代学生で53.8%、ミレニアル世代社会人では69.7%と圧倒的数字です。社会人経験が長いほど、週休3日制の「ありがたみ」を感じていることがわかります。

また、すべての世代で「フレックス」と「副業制度が求められています。「副業」に関してはZ世代学生が39.6%、ミレニアル世代社会人では41.3%にも上ります。

社会経験を積むほど「副業」を希望する割合が増えるのは、新たなチャレンジキャリアアップを考える傾向にあるためでしょう。そのため、企業就業者経験人脈を新たに広げられるような制度を整えることが大切です。

例えば、KDDIでは2020年6月から、自部署以外業務経験できる「社内副業制度」を取り入れています。実際制度利用者からは「他部署とのつながりが本業に活きてくる」「将来的キャリアを描く上でも、副業経験は大きな気づきを与えてくれる」など、自身にとってプラスになったと実感を得た声があがっています。

一方、若い世代ほど「育成プログラム」や「社内ベンチャー制度」などの諸制度への関心が高い傾向にあります。Z世代に対しては、魅力的社内制度を整えることが有効アピールとなりそうです。


働きたい場所: すべての世代で「地元」が人気

働きたい場所

働きたい場所
出典: KDDI株式会社

「働きたい場所」は、Z世代社会人の48.0%、Z世代学生の53.8%、そしてミレニアル世代社会人の55.5%が「地元」を希望しており、すべての世代地元志向が強いことがわかります。

都会よりも慣れ親しんだ地元で働きたいと考える傾向顕著に表れる結果になりました。この背景にはリモートワーク普及し、働く場所に縛られずとも成果を出せる社会へと変化してきた結果都会に出て働く必要性が薄れてきたことも一因にあるかもしれません。

また、インターネットやEコマース発展によって、都会地方物資情報格差が縮まっており、都会利便性だけに頼らない生活可能となっています。さらに、若い世代変化よりも安定安心感大事にする傾向が強まっているため、安心感のある地元で働くことが選ばれやすいのかもしれません。


会社選択で重要視するポイント: Z世代は「安定」と「柔軟性」を求める傾向に

職業や会社の選択をする時に重要視するポイント (3つ選択)

職業や会社の選択をする時に重要視するポイント (3つ選択)
出典: KDDI株式会社

職業会社選択をするときに重要視するポイント」は、どの世代でも「時間場所柔軟な働き方ができる」「安定している」「給与が高い」が50%以上支持を集めました。特にZ世代は「安定」と「柔軟性」を求める傾向が強く、現代変化する労働環境適応しつつ、安心感重視していることがわかります。

一方で「やりがいがある」を選ぶ割合は、世代間で違いが見られました。ミレニアル世代社会人は24.8%、Z世代社会人は23.7%ですが、Z世代学生は38.7%と高く、学生の方が「やりがい」を重視しています。
育休制度充実」の選択ミレニアル世代倍以上に高いのは、仕事家庭両立目指ライフステージ転換期実際に向かえたという違いがあると言えます。

また「社会貢献やSDGsへの積極性」「育成プログラム」「会社ビジョンへの共感」「D&I (多様性インクルージョン)」「海外で働く機会」などは10%未満支持率に留まりました。ただし、細かく見ると、Z世代の方がミレニアル世代よりも「SDGs」や「D&I」に対する感度がやや高い傾向があります。Z世代安定柔軟性重視しつつ、社会的価値にも興味を持っていることがわかります。


職場でのコミュニケーション方法: どの世代でも「対面」が圧倒的

職場で一番コミュニケーションが取りやすいと感じる方法

職場で一番コミュニケーションが取りやすいと感じる方法
出典: KDDI株式会社

職場一番コミュニケーションが取りやすいと感じる方法」は、どの世代でも「対面」が圧倒的支持されています。Z世代社会人では61.2%、Z世代学生では58.5%、ミレニアル世代社会人では69.7%という数値です。特に、社会人経験を積むほど対面価値見出している傾向があります。

2位の回答は「チャット」で、若い世代ほどチャットを使ったコミュニケーション支持しています。これは普段から若い世代ほど、LINEなどのチャットツールプライベートで使っている影響があると考えられます。今後も、仕事上コミュニケーションツールとして、チャットを使いやすいと感じる世代が増えていくことが予想されるでしょう。


Z世代は「安定」と「柔軟性」を求める―時代に合った職場環境の整備が重要

Z世代が働き方で求める傾向として重要キーワードは「安定」と「柔軟性」です。意外に思われるかもしれませんが、Z世代変化冒険挑戦よりも、まずは安心できる職場環境重視しています。この背景には、昨今の厳しい経済環境の中で抱える不安感関係しているのかもしれません。

また、Z世代は「テレワーク」「フレックス」「副業」など、柔軟な働き方にも高い関心を持っています。安定した職場環境を求めつつも、柔軟制度活用しながらライフスタイルに合った働き方を望んでいるといえるでしょう。

コロナ禍でオンラインを通して勉学友人との関係を築くといった学生時代を過ごしたZ世代ニーズに応えるためには、全員オフィス出社するなどの一律の働き方ではなく、柔軟安全なIT環境を整えることが必要です。企業未来人材確保するためには、個々の働き手が時間場所自由に選べる環境提供することが、ますます重要になっています。


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