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日比野 橋本さんは上場企業の受付業務に10年以上従事し、
その経験をもとにクラウド受付システム「RECEPTIONIST」を企画、創業されたのですよね。
橋本様 はい。ビジネスの基本は人と人とのつながりや出会いなので、その出会いをよりよい形につなげる受付は重要な業務です。この受付をよりよい体験にしたいと考えている企業に対し、当社では「RECEPTIONIST」を提供しています。
日比野 テレワークが拡大し、出社はもちろん相手先への訪問や来客の機会も激減しました。受付業務に関し、いま企業はどのような課題やニーズを抱えているのでしょうか。
橋本様 以前は「働き方改革」の文脈で、受付業務の効率化のため「RECEPTIONIST」を導入する企業が大半でした。
しかし、新型コロナウィルス感染症の拡大以降、リスクマネジメントや従業員を守るという観点で「RECEPTIONIST」導入を検討する企業が増えています。
例えば、感染防止のために内線電話には触れたくないというものから、万が一の感染発生時に来客履歴のログを管理したいというものまで、「放置していた受付業務を改善したい」という声が大きくなってきたのです。
またテレワークが増えたことで、数少ない出社中の社員に来客対応負荷がかかるという課題も見えてきて、その解決に向けてお問い合わせいただくこともあります。
日比野 そうしたニーズに「RECEPTIONIST」はどう応えるのでしょうか。
橋本様 来訪者がタブレット端末で受付を行うと、その来訪者と約束のある社内担当者のスマートフォンのメールやSMS、SlackやTeamsに直接通知されます。社内担当者への取次に時間がかかることもないので、スムーズにお出迎えできます。さらに、事前発行しているQRコードを端末にかざせば完全非接触で受付ができるので、安心も担保できます。
受付に検温装置やアルコールを設置している企業も増えましたが、実は体温データや緊急連絡先、海外渡航歴などの情報も、事前に設定すれば「RECEPTIONIST」にログとして残せるんです。こうすることで、万が一社内で感染が発生した場合、あるいは来訪者の感染が判明した場合も迅速に関係者に連絡できます。
日比野 コロナ禍ならではのニーズも満たしながら、完全無人で受け付けできるわけですね。
橋本様 はい。ただ実は、無人だけでなく、有人受付と併用いただくケースも多数あります。例えば「コロナ禍で来客の機会が減り、以前と同じ人数の受付スタッフを確保するのは難しいけれど、会議室への案内や消毒などで人手が必要」という場合がありますよね。来客取次を「RECEPTIONIST」に一任できれば、受付スタッフは人がやるべき仕事に集中できます。
受付のやり方は企業によってさまざまなので、受付に何を求めるのかを軸に考え、柔軟に活用できるのが「RECEPTIONIST」の強みです。
よく「なぜ前職の仕事を奪うようなサービスを開発したのですか」と聞かれるのですが、奪うつもりで開発したわけではありません。
私自身、来訪者に受付票を手書きで記入してもらい、受付スタッフが内線で取り次ぐのは非効率だと当時から感じていました。
そこから解放したほうが、人にしかできないご案内やお茶出しなどのおもてなし会議室の準備・清掃に集中できますし、パフォーマンスも高くなり、結果的に社内に価値を還元できるはずと感じたからです。
日比野 受付だけでなく、日程調整や会議室予約サービスも提供していると伺いましたが、その理由を教えてください。
橋本様 来訪者が受付にいらっしゃるということは、その前に日程調整と会議室予約が必要になりますよね。
当たり前といえば当たり前なのですが、実はこれは関係者間の調整や連絡などが何往復にもなる煩雑な業務です。
スムーズに日程調整が進まない経験は、きっと多くの方がお持ちでしょう。
当社では以前からこの部分を含めた強化を考えていましたが、コロナ禍になり「社内、社外の人をつなげる」という点でより付加価値を高めていく必要があると考え、「調整アポ」、会議室やWeb会議用スペースを予約できる「予約ルームズ」の提供を開始しました。
「調整アポ」は、主要スケジューラーと連動し、自分たちの空き日時を表示するURLを相手先に送って日時を選んでいただくサービスです。
「RECEPTIONIST」や「予約ルームズ」と連携し、受付や会議室の確保までスムーズに行えるほか、Web会議のURLも自動発行できるため、さまざまなシーンでご利用いただけます。
「予約ルームズ」は会議室やWeb会議用のブース/スペースを予約するツールです。
ユニークな点として、来訪者が「RECEPTIONIST」で受付を済ませると、使用予定の会議室に設置しているタブレットなどの端末にアラートを表示する機能があります。直前までその会議室を他の方が使っている場合、そのアラートによって退出を促すことができるんです。
実は受付業務の1つに、時間超過の会議室から退室していただく“お部屋出し”というのがあり、会議室利用における課題の1つだと感じていました。これを解決するものです。
「予約ルームズ」の画面イメージ
会議室の端末で会議終了までの時間をお知らせ。退出を促すアラートも表示します。
日比野 まさに受付ご経験者ならではの発想ですね。アナログのやり取りが当たり前だった調整、受付、会議室の予約から退室までがシームレスかつ効率的にできるように進化したわけですね。
日比野 来客者や業者の方にメッセージを出したり、待ち受け画面に季節感を出したりなど、おもてなしの気持ちを反映したプロダクト作りにも注力なさっていますね。
橋本様 応対が「人」から「iPad」に変わることで無機質さを感じる方もいらっしゃいます。
そこで「○○さま、いらっしゃいませ」「ありがとうございます」などを来訪者に合わせてメッセージングしていくことで、おもてなしの気持ちを表現できると考えました。
会えることが当たり前ではないからこそ、会えたときのその場の体験価値を高めることに、少しでもお役立ていただけると嬉しいです。
もちろん氏名や所属などの個人情報を周囲に向けて表示するのは望ましくないので、受付していただいた最後の画面で出すようにしています。
日比野 「RECEPTIONIST」導入企業からはどんなお声がありますか。
橋本様 最も多いのは、「来客の取次から解放された!」とのお声ですね。スタッフが総務と受付を兼務されているケースだと、月数十時間の業務削減効果が出たというお話もあります。また、工場などでは守衛の方が受付を兼ねているケースも多いのですが、「RECEPTIONIST」導入後は、取次の負担はなくなり、守衛業務と来訪者への検温、消毒に注力できるようになったというお声もありました。まさに、私たちが「RECEPTIONIST」で目指している姿です。
ユニークなご感想でいえば、「受付をIT化することで、先進企業というイメージを打ち出せるようになった」というお声もあります。オフィスの内装を変えることなく、日程調整から受付、会議室予約がスムーズになることで、採用面接に来た方から「DX化が進んでいる企業なんだ」と感心されることもあるそうで、人事の方にも喜んでいただいているようです。
日比野 なるほど、リスクマネジメントや業務効率化だけではない、「RECEPTIONIST」の影響度がうかがえますね。「RECEPTIONIST」導入のコツをぜひ教えてください。
橋本様 まずは一部署、一拠点など小さく始めて徐々に大きく展開する形がいいと思います。実際に使ってみて、「こういう使い方がうちの会社には合っているな」「うちの受付はこんな感じにしたいな」と、受付のあるべき姿や課題を明らかにしてから導入したほうがスムーズですし、そこから悩みが出てくればコンサルティングもいたします。
日比野 受付業務は、まさにDX化の盲点でした。「社内外の人と人との出会いをつなぐ」場でデジタルがその体験価値を向上させ、人同士のつながりもさらによいものになっていく――単なるデジタル化に留まらない「RECEPTIONIST」の価値を改めて感じました。今日はありがとうございました。