このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

閉じる
閉じる
クラウドセキュリティとは? 主なリスクと必須の対策を分かりやすく解説

クラウドセキュリティとは? 主なリスクと必須の対策を分かりやすく解説

2025 11/19
クラウドサービスの利用がビジネスに欠かせない現代では、クラウドのセキュリティ対策は企業が最優先で取り組むべき課題の一つです。
クラウドセキュリティとは、クラウドコンピューティング環境をさまざまな脅威から保護するための技術や方針、管理策の総称を指します。
本記事では、クラウド利用に伴う具体的なリスクを整理し、情報資産を守るために実践すべきクラウドのセキュリティ対策について、初心者にも分かりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.クラウドセキュリティとは

クラウドセキュリティとは、クラウドサービス上のデータアプリケーションインフラ保護するための一連対策を指します。近年クラウド利用が広がる一方で、設定ミスによる情報漏えい、不正アクセスサイバー攻撃などのリスク増加しています。

これらのリスク対応するためには、クラウド事業者利用者がそれぞれの責任範囲対策を担う「責任共有モデル」の理解不可欠です。安全クラウド活用には、利用者側主体的セキュリティ対策に取り組む姿勢が求められます。

クラウドセキュリティとはのイメージ画像

関連サービス: セキュリティ

2.クラウドセキュリティの必要性

2-1. クラウド環境の変化と新たな脅威

現在、多くの企業基幹システム重要データクラウド移行する「デジタルトランスフォーメーション (DX) 」を推進しています。また、リモートワークをはじめとする多様な働き方の普及により、場所を問わず社内データアクセスする機会増加しました。

これに伴い、従来社内ネットワーク前提とした境界型防御モデルでは対応しきれない、新たなセキュリティリスク顕在化しています。クラウド上に企業重要情報集約されることで、サイバー攻撃標的となるリスクも高まっているのです。

このような背景から、事業継続性確保し、企業社会的信用維持するためには、クラウド環境最適化されたセキュリティ対策導入急務となっています。

2-2. クラウドサービスの市場規模

クラウド環境変化とともに、クラウドサービス利用拡大セキュリティ重要性を高めるだけでなく、市場にも大きな影響を与えています。

総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、2024年の日本パブリッククラウド市場前年比26.1%増の4兆1,423億円に達しました。

企業のIT投資クラウド中心へとシフトする中で、クラウドサービス今後拡大見込まれており、関連するセキュリティ対策運用管理ニーズもますます高まっていくと考えられます。

  • ※ 外部サイトへ遷移します。

3.クラウドセキュリティガイドラインについて

クラウドセキュリティガイドラインについてのイメージ画像

総務省が定めるクラウドセキュリティガイドラインは、クラウドサービス安全利用するための具体的指針提供するものです。これは、クラウドサービス事業者利用者双方に、情報セキュリティマネジメント観点から推奨される対策留意事項体系的に示しています。

具体的には、Boxのようなクラウドストレージビジネスメールサービスなど、多様クラウドサービス利用想定しており、セキュリティポリシー策定リスクアセスメント実施脆弱性管理アクセス制御などの実践的ガイダンスが含まれています。

これらのガイドライン参照することで、企業クラウド環境におけるセキュリティレベル向上させ、情報漏えいや不正アクセスなどのリスク低減することが可能です。

  • ※ 外部サイトへ遷移します。

4.クラウドセキュリティにおけるリスクと対策一覧

クラウドにおけるリスクは、不正アクセス情報漏えいといった外部からの脅威だけでなく、設定ミス内部不正といった内部要因によっても引き起こされます。

以下ではクラウドセキュリティにおける主要リスクと、それらに対処するための必須対策について詳しく解説します。

クラウドセキュリティにおけるリスクと対策一覧のイメージ画像
  • データ流出リスク
  • サイバー攻撃を受けるリスク
  • データ消失リスク
  • データガバナンス曖昧になるリスク
  • プライバシー保護に関するリスク
  • シャドーITのリスク

4-1. データ流出のリスク

クラウド環境では、機密情報個人情報外部流出するリスク存在します。このデータ流出は、攻撃者システム脆弱性悪用したり、フィッシング詐欺で盗んだ認証情報を使ってシステム侵入したりすることで発生します。

また、アクセス権限設定ミス原因で、本来アクセスできないはずの従業員外部の人が重要データに触れてしまうケースも少なくありません。もしデータ流出してしまえば、企業金銭的損害だけでなく、お客さまや取引先からの信用も失い、事業継続が難しくなる可能性もあります。

このような事態を防ぐためには、アクセス制御徹底多要素認証導入定期的脆弱性診断といった対策不可欠です。

4-2. サイバー攻撃を受けるリスク

インターネットを介して利用されるクラウドサービスは、常に外部からの攻撃にさらされています。代表的攻撃手法には、サーバー大量データを送りつけてサービス停止させるDDoS攻撃データ暗号化して身代金要求するランサムウェア攻撃アプリケーション脆弱性を突いて不正侵入する攻撃などがあります。

こうした攻撃を受けると、サービス停止によるビジネス機会損失や、データ復旧多大コスト時間を要するなど、事業への影響深刻です。

クラウドプラットフォーム自体堅牢であっても、その上で稼働するアプリケーション設定不備攻撃起点となることもあります。

対策としては、多要素認証導入、OSやアプリケーション定期的脆弱性診断修正、Webアプリケーションファイアウォール (WAF) の導入などが有効です。

4-3. データ消失のリスク

サイバー攻撃システム障害従業員操作ミスなど、さまざまな要因によってクラウド上のデータ消失するリスク存在します。

例えば、ランサムウェア攻撃によってデータ暗号化され、復旧不能になるケースや、管理者が誤って重要データ削除してしまうケースが考えられます。

多くのクラウドサービス事業者データ冗長化バックアップ体制整備していますが、それだけではすべてのリスクカバーできるわけではありません。

特に利用者側設定ミス管理不備によるデータ消失は、サービス提供者責任範囲外となる場合が多いです。

重要業務データが失われれば、事業継続困難になるため、利用者側でも定期的バックアップ復旧テスト実施不可欠です。

4-4. データガバナンスが曖昧になるリスク

クラウド利用拡大し、複数サービスを組み合わせて活用するようになると、データ保存場所管理者不明確になりがちです。その結果統一的データ管理困難になり、ガバナンス曖昧さが課題となります。

さらに、各部門独自クラウドサービス導入すると、全社的セキュリティポリシー適用されず、データ管理責任不明瞭になります。これにより、データ分類アクセス制御不十分となり、情報漏えいやコンプライアンス違反リスクが高まります。

こうしたリスク回避するためには、データ管理方針明確に定め、各部門利用するクラウドサービス一元的把握管理することが重要です。

4-5. プライバシー保護に関するリスク

クラウド上にお客さまの個人情報プライベートデータ保存する場合個人情報保護法やGDPR (EU一般データ保護規則) といった国内外法規制遵守する必要があります。

データ保存先国外データセンターである場合現地法律適用される可能性考慮しなければなりません。

これらの規制への対応不十分場合規制当局から高額制裁金を科されるだけでなく、企業ブランドイメージが大きく損なわれるリスクがあります。

データ越境移転に関するルールや、本人からのデータ開示要求への対応手順など、プライバシー保護観点から適切管理体制整備することが極めて重要です。

4-6. シャドーITのリスク

シャドーITとは、企業のIT部門許可管理下にないクラウドサービスを、従業員業務目的個人的利用することです。従業員業務効率化目的として利用することが多いですが、これらのサービス企業セキュリティポリシー対象外となるため、認証強度不十分であったり、データの取り扱い規約企業基準を満たしていなかったりするリスクがあります。

その結果情報漏えいやマルウェア感染温床となりやすく、セキュリティインシデント発生してもIT部門状況把握できず、対応困難になるという問題が生じます。

対策としては、従業員へのセキュリティ教育徹底し、シャドーITのリスク周知することが重要です。また、安全代替サービス社内提供し、利用ルール明確化することで、シャドーITの発生抑制できます。

5.クラウドセキュリティのインシデント事例

クラウドセキュリティ対策理論方法論を学ぶことも重要ですが、過去実際発生したインシデント事例から教訓を得ることは、リスクをより現実的なものとして捉え、対策必要性を深く理解する上で非常有効です。

ここでは、クラウド設定不備不正アクセス原因発生した国内代表的インシデント事例紹介します。

5-1. Microsoft 365への不正アクセスで2万件の機密データが流出 (2019年)

ある国内大手電気メーカーにおいて、攻撃者フィッシングメールを用いて従業員アカウント情報窃取し、Microsoft 365へ不正アクセスした事例発生しました。

この攻撃により、従業員メールボックスクラウドストレージ内に保管されていた約2万件機密データ外部流出したと報告されています。

この事例背景には、多要素認証運用不十分だった可能性や、従業員不審メールに気づかず認証情報入力してしまったことが挙げられます。

インシデント後の調査レポートでは、認証方式運用セキュリティポリシー見直しの必要性が浮き彫りとなり、技術的対策従業員教育両面から対応することの重要性が改めて認識されました。

5-2. クラウド型営業システムの設定不備で149万件の情報流出 (2020年)

ある大手インターネット事業者利用していたクラウド型の営業支援システムにおいて、アクセス権限設定不備があったことが原因で、大規模情報流出発生しました。本来認証されたユーザーのみが閲覧できるはずの顧客情報を含むデータベースが、インターネット上で誰でもアクセス可能状態になっていたのです。

この設定不備により、最大で約149万件個人情報企業情報外部流出した可能性があると報告されています。

この事例は、クラウドサービス利便性の裏で、利用者側が担うべき設定管理責任がいかに重要かを示しています。クラウド事業者セキュリティ機能に頼るだけでなく、利用者自身定期的設定確認監査することの必要性が改めて認識されるきっかけとなりました。

6.クラウドセキュリティを高めるための対策事例

ここでは、KDDIのソリューションコンサルティング活用してクラウドセキュリティ強化した企業事例を3つ紹介します。

  • 医療機器業界
  • 金融サービス
  • 住宅設備機器業界

6-1. 医療機器業界の事例

医療機器業界のある企業では、社内外のIT機器運用保守に多くの手間時間を要しており、特に障害対応海外拠点管理課題でした。そこでKDDIの「ITアウトソースセンター」を導入し、24時間365日の監視保守体制構築障害対応アップデート作業委託することで、担当者負担軽減し、DX推進セキュリティ強化など本来業務集中できる環境実現しました。従来社内運用体制比較して運用の質も向上し、トラブル未然防止にも貢献しています。

6-2. 金融サービス業界の事例

金融サービス業界のある企業では、物理サーバー運用管理負担柔軟な働き方への対応課題を抱えていました。KDDIの「cloudpack with KDDI」を活用し、社内システムフルクラウド化。クラウド型仮想デスクトップ監視保守サービス導入により、セキュア快適テレワーク環境実現しました。これにより、運用負担軽減され、本来業務集中できる体制が整い、保守費用も30%以上削減されました。

6-3. 住宅設備機器業界の事例

住宅設備機器業界のある企業では、スマートフォン浴槽遠隔操作するIoTサービス開発に取り組む中で、クラウド環境選定複数ベンダーとの連携課題を抱えていました。KDDIは、要件定義から開発運用までを一貫して支援し、プロジェクト全体をPMOとして推進。AWSを活用したクラウド環境構築することで、セキュリティ保守性両立し、短期間安定したサービス開発実現しました。今後サービス拡張にも柔軟対応できる強固基盤構築されました。

導入事例: TOTO株式会社 様

7.まとめ

クラウド市場拡大が続く中、クラウドセキュリティ重要性今後ますます高まっていくと考えられます。本記事紹介したように、クラウド利用にはデータ流出サイバー攻撃など、さまざまなリスクが伴います。しかし、適切対策を講じることで、安全性確保することは十分可能です。

インシデント事例対策事例参考に、自社セキュリティ体制見直すことが求められます。対策を進める際には、総務省経済産業省米国NISTが公開しているクラウドセキュリティガイドライン各種ホワイトペーパー非常有用です。 

さらに、最新脅威動向対策技術を学ぶためには、関連するイベントセミナーへの参加効果的です。

セキュリティインシデント企業信用株価影響を及ぼす可能性があるため、経営課題として捉え、継続的に取り組みましょう。

クラウドセキュリティの導入を検討中の方はKDDIへ

KDDIでは、お客さまの環境目的に合わせて、さまざまなクラウドセキュリティサービスをご用意しています。クラウドサービス構築から運用まで、ワンストップサポートし、セキュリティ配慮した最適クラウド環境実現します。

クラウドセキュリティについては、ぜひKDDIにご相談ください。

関連記事


ピックアップ