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日比野 ここ数年RPAが注目されていますが、具体的にどのようなニーズが多いのでしょうか。
嶋田様 当社がクラウドRPA「BizteX cobit」を正式リリースした2017年11月当時は働き方改革が叫ばれており、「RPAを使えば残業時間が減らせる、生産性が上がる」と期待する方が多かったと思います。
そこでまず、ツールの特性や、できること・できないことについて情報収集する方が大半でした。
その後2年くらい経つと、大企業は一通り各社のツールを試し終わり、各ツールの特徴を理解した上で「さらにこの業務を効率化したい」「他社のツールではうまくいかなかったが、このツールでは対応できるのか」といった観点でお問い合わせをいただくケースが増えました。一方中小企業は、RPAという言葉は聞いていても、実際に利用しているところはまだ少なかった印象があります。
日比野 コロナ禍でその傾向に変化はありましたか?
嶋田様 リモートワーク環境に対応し、自宅からでも使えるRPAに対するニーズが増えてきました。
それともう1つ、例えば請求書を扱う経理部のように「業務で使う紙文書をAI-OCRでデータ化したい」や、「顧客からの問い合わせをチャットボットで対応したい」というように、RPAの周辺業務も合わせて効率化したいというケースが増えてきました。
日比野 最初のころは、働き方改革や生産性向上など、経営サイドからのニーズが大きかったものが、RPAが根付くにつれ、現場の細かい業務の効率化や自動化、リモート対応などにニーズがシフトしてきた印象ですね。RPAは業種や業務で使い分けるものなのか、それとも1つに絞ったほうがいいのか、どちらでしょうか。
嶋田様 やはりツールによって得意・不得意がありますし、実際に導入企業を見ていると、使い分けしているところが多いですね。
「業務」、「環境」、そして「使う人」。この3つの観点で適したRPAを選ぶことがポイントだと思います。
RPAベンダーの姿勢も重要です。たとえ自社のRPAの範囲でなくても、業務やビジネスモデル全体を見て、より効率化できる手立てを提案してくれるところがあれば、安心して長く使っていけるはずです。
日比野 「BizteX cobit」が得意とする領域を教えてください。
嶋田様 クラウドツールにログインし、定期的にデータの入出力をするなど、Webブラウザベースで行う定型業務に強いのが特長です。現場の方が使いやすいようにシンプルなUIでわかりやすさを重視しています。
例えば、Google Workspace と連携し、「Slack」や「Chatwork」などのチャットツールやメールを通じて自動でやり取りしたり、データをスプレッドシートに展開して保存するなど、Google Workspace との連携機能はかなり作り込んでいます。
さらにもう1つ、各種SaaSツールとAPI経由で連携できるiPaaS (注1)「BizteX Connect (注2)」を昨年リリースしました。これにより、RPAが向かない分野ではAPI経由でデータを入出力できるようになりました。
日比野 具体的に、どのようなケースに適しているのでしょう?
嶋田様 例えば、ある広告代理店では、クライアントごとにネット広告の週次レポートを送付する業務を営業アシスタントの方が担当していました。そこへRPAを導入したことで、管理画面から広告配信の実績データをコピーし、Excelでグラフ化してレポートを作り、メールを作成して送付するところまでが完結します。
その後、作ったExcelシートを外部ストレージサービスや Google ドライブに格納する際には、「BizteX Connect (注2)」が連携して保存するといった形で、クラウドRPAとiPaaSを組み合わせて利用することにより処理できる業務量が倍になったような例があります。
日比野 生産性が倍になったわけですね。
嶋田様 それだけではなく、重要なのは処理業務量が倍になったことで、案件獲得に一層注力できるようになったという点です。それまでは案件を増やしたくても、アシスタントの方への負荷がかかるので新たに人を採用しなければならず、売上が上がっても粗利が増えないジレンマがありました。そこへRPAを入れることで、「人を増やさなくても案件数を倍にできる」という状態になったのです。
単にコストを削減するというだけでなく、トップラインを伸ばすために業務を改善するという意味で、RPAの効果は非常に大きいと思います。
日比野 今後、RPAはどのように発展していくのでしょうか。
嶋田様 いまコロナ禍でデジタルトランスフォーメーション (DX) が叫ばれていますが、もともと日本の労働人口低下に対する懸念があり、デジタル化は急務と言われてきました。しかし一方で、そのデジタル化を推進するにはエンジニアリングリソースが大量に必要になり、人材確保も課題です。
当社事業のRPAとiPaaSは、こうした日本全体の労働に関わる課題を裏側から支えるものです。エンジニアリングに関して言えば、実はAPI連携開発ひとつとっても、貴重なエンジニアのリソースを2〜3週間費やすことになってしまうと言われています。「BizteX cobit」、「BizteX Connect (注2)」を使えば、その分のリソースをエンジニアの本来の力を発揮できる開発業務に注力できることになります。
また現在は、リモートだからこそ人間同士のコミュニケーションを取り、発想を広げていく必要性に多くの方が改めて気付いていますよね。RPAとiPaaSの両方に業務を任せることで、人間にしかできないことに注力するための時間を増やせます。だからこそRPAの果たす役割は今後も重要性が増していくはずです。
当社は「BizteX cobit」リリース以来、4万体以上のロボットで2,000種ものWebサービスと連携することで、クラウドの業務を自動化し、デジタルの労働力を培ってきた自負があります。労働の未来を創るRPAを通して、これからもお客さまのさまざまな働き方をご支援していきたいと思います。