※ 記事制作時の情報です。
DX (デジタルトランスフォーメーション) とは、デジタル技術を活用して業務効率やサービスを抜本的に改善し、新しい価値を生み出す取り組みです。企業にとっても競争力維持のために欠かせない施策であり、業務の自動化や働き方の多様化、顧客体験の向上を目的として、幅広い分野で導入が進んでいます。
ここでは、KDDIが支援した実際のDX成功事例を紹介します。
関連記事: DX推進とは何か簡単に解説|企業の取組事例も紹介
アスファルト合材の受発注をクラウド基盤の「KDDIクラウドプラットフォーム」とモバイルでオンライン化する「アスプラネットシステム」を共同開発し、入力負担や確認漏れを削減し、現場と本部の進捗共有を高速化しました。
【課題】
受注業務や情報共有の省力化を進めるとともに、お客さまの合材発注の負担を減らし、道路舗装現場の多様なニーズに応えることが求められていました。
【解決策と効果】
PCやモバイル端末から受注情報の共有を迅速化したことで業務スピードが向上しました。「アスプラネットシステム」のモバイルアプリを導入したことで、夜間・休日の工事現場からでも時間を気にせず発注が可能となり、お客さまの省力化に貢献しました。さらに、合材の品質試験を依頼する機能や産業廃棄物を依頼する機能を実装したことで、顧客サービスの充実と満足度向上につなげました。
関連記事: お客さま導入事例 大成ロテック株式会社様
工場設備の稼働状況をIoTで可視化する「工場IoT見える化ソリューション」を導入することで、生産設備の稼働状況をリアルタイムで可視化。生産性向上と計画的な保守を実現し、スマート工場への進化を進めています。
【課題】
需要増に応じた生産性向上が求められ、設備の稼働・トラブル状況を詳細に把握する体制づくりや、DX推進により生産部門に加え間接部門の効率化にも取り組む必要がありました。
【解決策と効果】
工場のほぼすべての生産設備をIoTでモニタリングし稼働をリアルタイムに把握できるようにしたことで、生産量は計画値 (0.3~0.5%) を上回り約1%増加を実現。ライン停止要因を特定できるようにしたことで早期修繕や将来の予防保全に活用。さらにペーパーレス化やオンライン会議の導入で間接部門の効率化も進みました。
関連記事: お客さま導入事例 積水(無錫)塑料科技有限公司様
データセンターの運用保守業務をKDDIの「ITヘルプデスク」とオンサイトサービスを活用し、24時間365日の対応体制を構築しアウトソースすることで、システム部門の人員を戦略的業務に集中させ、グループ全体のDX推進体制を整えました。
【課題】
システム部門の約半数が運用保守に従事しており戦略的業務に割ける人員が限られていました。また、高度化するサイバー攻撃への対策強化と、夜間を含む障害対応の即応性向上も求められていました。
【解決策と効果】
運用保守業務をアウトソースしたことで本社集約が進み戦略的業務へ注力できるようになりました。組織再編によりセキュリティ専任者を配置したことでグループ会社も含めた対策強化が可能となり、さらに24時間対応のサービスデスクを活用したことで障害への即応性を高め、安定したシステム運用を実現しました。
関連記事: お客さま導入事例 小田急電鉄株式会社様
KDDIのリモートワーク接続サービス「KDDI Flex Remote Access」をはじめ、クラウドアプリ「PHONE APPLI PEOPLE」と「LINE WORKS with KDDI」を導入し、リモートワークの利便性とセキュリティを高めながら、社内外のコミュニケーションを円滑にする環境を整えました。
【課題】
オフィスの固定電話中心の働き方から転換し、多様な勤務形態に対応する必要がありました。また、リモートワーク時のセキュリティ強化に加えて、社内外のコミュニケーション活性化も求められていました。
【解決策と効果】
ほぼ全社員にノートPCと「auスマートフォン」を貸与し、「KDDI Flex Remote Access」で社内ネットワークへ安全に接続できるようにしたことで、場所を選ばず働ける環境を実現しました。「PHONE APPLI PEOPLE」でクラウド電話帳を導入したことで連絡先を一元管理し、情報漏えいリスクを低減しました。さらに「LINE WORKS with KDDI」を活用したことで社内外のやり取りが活性化し、フットワークの軽いリモートワークと業務スピード向上につなげています。
関連記事: お客さま導入事例 株式会社ルミネ様
KDDIの「エネルギー見える化ソリューション (外部サイトへ遷移します)」を導入し、工場の電力使用をリアルタイムに可視化。電力コスト削減とカーボンニュートラルの実現に取り組んでいます。
【課題】
中国でのカーボンニュートラル推進に対応し、省エネや創エネ施策を進めてきた同社では、さらなる電力コスト削減と消費状況の正確な把握が求められていました。
【解決策と効果】
工場の約150箇所にセンサーを設置し、無線規格「LoRa」とLPWA (Low Power, Wide Area) 回線規格の一つ「NB-IoT」を用いてクラウド上でデータを収集し可視化しました。これにより深夜帯のコンプレッサー稼働やVOC処理装置の無駄運転を発見し、修繕・改善によって、年間数百万円規模の電力コスト削減が見込まれています。
IoTセンサーからデータを収集する「KDDI IoTクラウド Standard」を活用し、牡蠣養殖場の水温・濁度・カゴの揺れを可視化。データ分析と現場アプリで、省力化と安定生産をめざす「あまべ牡蠣スマート養殖プロジェクト」を推進しています。
【課題】
那佐湾は従来の養殖方式では生育が難しく、持続的に運営できるモデルの確立と、現場の負担を抑えつつ品質を維持することが課題でした。
【解決策と効果】
牡蠣養殖の現場でさまざまなIoTセンサーから収集したデータをKDDI IoTクラウドに蓄積することで、水温や気温、カゴの揺れ、濁度の変化のモニタリングを可能にしました。作業判断をデータに基づき行えるようになり、省力化と安定生産につながりました。さらに漁場管理アプリケーションで作業記録を一元管理し、ノウハウ共有を実現しています。
全面的なテレワーク移行とWeb会議の利用増でひっ迫したリモートアクセス環境をネットワーク機能とセキュリティ機能を兼ね備えたクラウド型セキュリティサービス「ゲートウェイセキュリティ powered by Prisma Access」で再構築し、セキュリティ強化と通信速度向上を同時に実現しました。
【課題】
全面的なテレワーク移行でリモートアクセスがひっ迫し、既存ネットワークを維持しつつ運用コストの削減とセキュリティを強化する必要がありました。
【解決策と効果】
「ゲートウェイセキュリティ powered by Prisma Access」を導入しインターネット通信を社内ネットワークから切り離すことで速度を約2〜3倍に向上。さらに国内外で同一ポリシーを適用しゼロトラストを実現し、拠点回線の最適化で移行コストを圧縮しました。
関連記事: お客さま導入事例 ノーベルファーマ株式会社様
KDDIと共同設立した「KDDIデジタルセキュリティ株式会社 (KDSec)」を通じ、最新の脅威に対応するマネージドセキュリティやゼロトラストへの移行支援を提供。あらゆる企業のDXを支える「セキュリティの土台」を構築しました。
【課題】
クラウドやIoTの普及で攻撃が高度化・多様化し、企業規模や業種を問わず包括的なセキュリティ対策が求められていました。
【解決策と効果】
EDR (Endpoint Detection and Response) による攻撃の検知や端末隔離、被害範囲の特定などに加えて、24時間365日体制で専門のセキュリティアナリストが監視するマネージドサービスを組み合わせてセキュリティ運用における負担を軽減。また、海外拠点についてもKDDIのグローバルカバレッジを活用して各国法規制に準拠した支援により、企業が安心してDXを推進できる環境を実現しています。
映像をクラウド上に蓄積・管理できる「KDDI Video Management Service (KVMS)」で各地の物流センターの監視カメラ映像を本社に集約し集中管理。防火・防犯を含むリスク管理を強化し、将来のAI解析による予防・予知にもつなげました。
【課題】
拠点ごとに運用・保存されるカメラ映像は本社で横断的に把握できず、離席時もスマートフォンなどで確認できる仕組みが求められていました。さらに物流センターの大規模化により、現場ごとの監視負担軽減や、予防・予知といったより高度な監視が求められていました。
【解決策と効果】
KDDI閉域網を用いるKVMSを活用して、既設カメラを活かしながら本社での一元管理を実現し、遠隔からのリアルタイム確認を可能にしました。さらに、「安全コックピット」によりクラウド上で映像を集中管理することで拠点負荷を抑えつつ、AIによるリアルタイム解析にも対応。防火・防犯の高度化や事故の予防・予知へつながる体制が整いました。
合同帰宅困難者対策訓練で、衛星通信サービス「Starlink Business」を活用することで、災害時の通信途絶リスクを解消し、一時滞在施設での受付や安否確認を円滑化しました。
【課題】
災害時の通信途絶に備え、一時滞在施設での連絡手段の確保と、開設状況・滞在人数を迅速に把握・共有する体制が求められていました。
【解決策と効果】
Starlink Businessにより災害時でも通信環境を素早く構築し、帰宅困難者のスマートフォンのLINEでの受付・安否確認が可能になりました。さらに帰宅困難者対策オペレーションシステムと連動し、滞在人数のリアルタイム可視化・共有につなげる運用の有効性を検証しました。
働く場所やネットワークの境界を意識せず情報資産を保護する「マネージド ゼロトラスト」とクラウド型校務支援システム「BLEND」により校務を安全にデジタル化。事務作業を効率化して、教員が授業や生徒対応に専念できる環境を実現しました。
【課題】
校務のデジタル化を進めつつ機密情報を適切に保護し、場所を選ばず安全に校務のデジタル化を行える環境整備が求められていました。
【解決策と効果】
マネージド ゼロトラストにより端末・場所に依存せず通信を統制し、セキュアな接続と、校務端末の利用が可能になりました。あわせてBLENDの活用により、出欠・成績・帳票・事務・連絡・Web出願を一気通貫でデジタル化し、先生方の柔軟な働き方改革の促進と、生徒・保護者との情報共有の円滑化につなげています。
IoTセンサーとクラウドの「KDDI IoT通信サービス LTE」を活用して、京野菜「万願寺甘とう」の栽培データを可視化し、篤農家のノウハウを共有することで収量拡大と地域農業の活性化を実現しました。
【課題】
栽培管理の難しい『万願寺甘とう』の生産量を拡大するためには、栽培ハウスごとの環境に合わせたシステム構築が求められていました。しかし、生産者だけではIoTの導入や安定稼働のための技術的知見が不足しており、機器選定から通信環境の整備、トラブル対応までを包括的に支援できるパートナーの存在が不可欠でした。
【解決策と効果】
「KDDI IoT通信サービス LTE」を導入し、栽培ハウスにセンサーを設置して環境データをクラウドに蓄積・共有できる仕組みを整えました。栽培状況の可視化により、生産者同士が温度や水やりの量などのデータを基に議論し、管理方法を数値で比較できるようになりました。栽培の最適化に向けた研究も進み、収量拡大や地域のSDGs推進につなげています。
関連記事: お客さま導入事例 京都府舞鶴市様
本記事では製造・医療・自治体・教育・農業といった幅広い業界のDX成功事例を紹介しました。
各事例に共通するのは、現場課題を明確にし、クラウド・IoT・AI・セキュリティなどの技術を組み合わせて解決した点です。業務効率化にとどまらず、人材育成や地域活性化にもつながっており、DXは企業や自治体の持続的成長を支える重要な手段といえます。
KDDIは、AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX」を通じて、お客さまのDXを推進します。最適化したネットワークの設計・構築やデータの蓄積・融合・分析を行い、AIが組み込まれたサービスやソリューションを各業界に最適化して提供することで、法人のお客さまの事業成長と社会課題の解決を支援していきます。
受発注や工場運営の効率化、物流や防災、教育や農業など、多様な領域の課題を解決してきた実績があり、業界特性に応じた支援が可能です。安心の技術基盤と伴走型サポートにより、DXを確実に前進させます。詳細は以下のページをご覧ください。