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Power Automateとは?活用事例・できることについて解説

Power Automateとは?
活用事例・できることについて解説

2025 10/21
近年、多くの企業が業務効率化や生産性向上を目的にデジタルツールを導入しています。その中でも注目を集めているのが、Microsoftの「Power Automate」です。日々の業務で発生する定型作業や複雑なフローを自動化できるため、限られたリソースをより付加価値の高い業務に集中させられます。本記事では、Power Automateの基本的な仕組みやできること、導入メリット、具体的な活用事例や料金体系、さらには使い方の流れまで分かりやすく解説していきます。

※ 記事制作時の情報です。

1.Power Automateとは

Power Automateは、Microsoftが提供するクラウドベース自動化ツールです。以前は「Microsoft Flow」という名称提供されていました。日々の業務で繰り返し発生する定型的処理自動化し、作業時間削減生産性を高められます。
例えば、メール添付ファイル自動保存アプリ間のデータ連携など、これまで手作業で行っていた作業効率よく処理できます。複雑プログラミング知識がなくても直感的操作設定できる点が大きな特徴です。Microsoft 365やTeamsなどのMicrosoft製品シームレス連携できることも強みで、幅広業務応用可能です。

Power Automateのイメージ画像

2.Power Automateができること

Power Automateができることのイメージ画像

Power Automateを活用すると、以下のような自動化が行えます。

  • ワークフローの自動化
  • タスクの自動実行
  • 異なるアプリ間の連携
これらの機能を使うことで、日々の業務効率的に進められ、従業員はさらに価値の高い業務注力できるようになります。

2-1. ワークフローの自動化

Power Automateの代表的機能が、ワークフロー自動化です。これまで紙やメールで行っていた手続き・申請業務デジタル化し、プロセス全体効率化できます。例えば、休暇申請稟議書提出された際、自動承認者通知を送り、承認されれば人事関連部署情報連携させるといった一連の流れを構築可能です。
これにより、手作業による入力ミス確認漏れといった人的ミス削減し、承認までの待ち時間大幅短縮されます。従業員はこうした利益直結しないノンコア業務から解放され、売上向上につながるコア業務により多くの時間を充てられるようになります。

2-2. タスクの自動実行

タスク自動実行はPower Automateの強みです。スケジュールトリガーを使えば、決まった時刻間隔処理自動起動できます。例えば、毎週月曜日最新売上データシステムから取得してレポート作成する、毎日定時顧客情報バックアップするなどのタスク指定した日時自動実行できます。
また、重要期限が近づいた際にSlackで関係者自動通知を送る仕組みも構築できます。タイムゾーンタイムスタンプの扱いに留意すれば、正確性スピード両立できます。失敗時再試行実行ログ蓄積自動で行えます。

2-3. 異なるアプリ間の連携

Power Automateは、異なるアプリ間のデータ連携得意とします。500種以上コネクタ対応し、Microsoft 365やDynamics 365に加え、GitHubやBox、Xなどとも接続可能です。例えば、ECサイト注文データ即時登録し、在庫更新、SharePointの台帳とTeamsへ同報通知するフロー構築できます。
また、発注承認完了したら、Plannerにタスク起票し、Outlook予定カレンダー自動更新するなどの連携可能です。分断解消し、入力重複転記ミスを抑え、処理速度を高めます。

3.Power Automateを活用することによるメリット

Power Automateを導入すると、次のようなメリットがあります。

  • 人的ミスが減る
  • 業務の効率化が可能
  • 専門知識がなくてもワークフローを簡単に作成できる

これらの利点により、幅広い部門で活用できる基盤が整います。

Power Automateを活用することによるメリットのイメージ画像

3-1. 人的ミスが減る

人が手作業処理を行うと、どんなに注意しても入力漏れや転記ミスといった人的エラー発生しやすいものです。Power Automateを使えば、あらかじめ定義したルールに従って処理が進むため、人為的ミス発生大幅に減らすことができます。
例えば、請求データ複数システム登録する作業自動化すれば、誤入力心配がほぼなくなります。正確性が高まることで、顧客との信頼関係維持にもつながり、業務全体安定性を高められる点が大きな魅力です。

3-2. 業務の効率化が可能

Power Automateは、手作業で行っていた定型業務自動化し、作業時間大幅短縮します。例えば、Excelリスト情報基幹システム一件ずつ転記するようなデータ入力作業自動化できます。これまで数時間かかっていた作業が、自動実行によりわずか数分完了します。これにより担当者単純作業から解放され、入力ミスも防げます。短縮された時間は、データ分析改善提案といった付加価値の高い業務にあてることができ、組織全体生産性アップ貢献します。

3-3. 専門知識がなくてもワークフローを簡単に作成できる

従来業務システム自動化には専門的プログラミングスキル必要でした。しかしPower Automateは、ドラッグドロップ操作中心とした直感的画面設計により、非エンジニアでも簡単ワークフロー作成できます。例えば、人事部門担当者自分採用プロセス承認フロー設計し、必要に応じて修正することも可能です。これにより、システム部門依頼する時間コスト削減でき、現場要望柔軟かつ迅速対応できるようになります。結果として、業務改善スピード加速し、組織全体俊敏性を高められます。

4.Power Automateの活用でできないこと

Power Automateは便利ツールですが、万能ではありません。まず、数十万件規模データ集計複雑数式計算機械学習を伴う分析には不向きで、データ収集分析などに特化したPower BIなど専門的システムとの併用効果的です。加えて、社内システムや特殊なサービスと連携させたい場合専門知識必要になるケースも少なくありません。

また、契約書最終チェックイレギュラーな問い合わせ対応のように、人の判断現場での微調整が求められるタスクについては、完全自動化困難です。このため、Power Automateは定型的業務効率化特化して活用し、人による判断必要業務とは適切に切り分けて使うことが重要です。

5.Power Automateの活用事例5選

5-1. 損害保険会社

大手損害保険会社では、全社員主体的業務効率化に取り組める「市民開発型DX」を推進するため、Power Automate (クラウドフロー) とPower Automate for desktopを全社展開しています。現場社員自分業務に合わせてノーコード自動化フロー作成し、有給申請ミーティング調整各種フォーム運用など日常業務効率化しています。コストを抑えつつ分かりやすい操作性評価され、導入後わずか数週間で300人以上市民開発を始めました。社内コミュニティ教育プログラム活用し、社員一人ひとりの業務改善生産性向上に大きく貢献しています。

5-2. 教育機関

教育機関においてもPower Automateを活用した業務自動化が広がっており、財務処理電子化紙運用削減業務効率化に大きな成果を上げています。ある大学ではAcrobat Sign・Forms・SharePointと連携し、銀行口座振込依頼書受付財務システム登録までを電子化しています。転記紙運用を廃し、処理時間最短1週間→20~30分、工数を5~6割削減しました。2022年度は220業務活用し、現在は400超に拡大しています。PADやAVD連携スケール運用実現しています。Teamsのコミュニティトレーニング現場開発支援し、電子契約自動保管などハイパーオートメーション段階的推進しています。

5-3. 総合化学メーカー

国内総合化学メーカーでは、全社的なDX推進一環としてPower Automateを積極的活用しています。工場内の「ヒヤリ・ハット事例登録集約共有をPower AutomateとTeamsで自動化し、安全情報即時共有業務効率大幅向上実現しました。従業員自らがPower Automateを使って現場業務自動化を進め、年間1,400時間以上削減効果が生まれています。これにより、全従業員デジタル活用人財となる「デジタルノーマル期」に向けて、現場主導業務改善デジタルスキル底上げが進んでいます。

5-4. 日用品メーカー

日用品生活消耗品を扱うあるメーカーでは、DX推進中核としてPower Automateを活用し、社内業務効率化イノベーション実現しています。社員自らがPower Automateを使い、健康状態出社回数報告業務プロセス自動化情報共有アプリ開発など、現場発信業務改善積極的に行っています。特に、アプリ操作やRPAの作成専門知識がなくても実践できるため、多くの社員市民開発者として活躍し始めています。この取り組みにより、業務大幅時間削減データ一元管理現場モチベーション向上に繋がっています。

5-5. 飲料メーカー

大手飲料メーカー製造工場では、品質管理業務効率化のためにPower Automateを積極的活用しています。工場独自品質管理チェックシート健康管理アプリ、暑さ指数管理アプリ開発にPower AppsとPower Automateを組み合わせることで、紙ベースだった手作業デジタル化し、情報自動通知承認業務効率化実現しました。特に暑さ指数管理アプリでは、IoT機器によるデータ取得をPower Automateで自動連携し、Teamsに熱中症警戒アラートリアルタイム配信しています。これにより年間約700時間業務削減効果が得られ、人材育成他拠点への展開も進んでいます。

6.Power Automateの利用プラン・料金

Power Automateには、用途に応じて複数料金プラン設定されています。主なものとして、「ユーザー単位プラン」と「フロー単位プラン」があります。ユーザー単位プランは、1人のユーザー自身複数フロー自由作成し、幅広自動化個別に行いたい場合最適です。
一方フロー単位プランは、特定業務プロセス組織全体共有して運用したいケースに適しています。なお、いずれのプランにもAPIリクエスト数の上限が設けられており、プランごとにその制限値が異なる点に注意必要です。導入時には、業務内容利用頻度を踏まえて最適プラン検討することが大切です。
また、料金体系変更されることもあるため、常に最新公式情報確認しながら選定してください。

7.Power Automateの使い方

① インストール

Power Automateを利用するには、まずアプリインストールします。PCやスマートフォンアプリストアから簡単入手可能です。Office 365のアカウントを持っていれば、追加設定なしで利用を始められます。導入第一歩として、自分環境に合わせてアプリ準備しましょう。

② サンプルフローを開く

初めて利用する方は、サンプルフローを開いて仕組みを理解するのがおすすめです。Microsoftが提供するテンプレートには、メール自動保存通知送信など実用的なものが揃っています。実際に動かすことで、どのように自動化が進むのかを体験できます。

③ フローの作成

慣れてきたら、自分業務に合わせたオリジナルフロー作成しましょう。直感的画面操作条件アクション設定でき、専門的知識がなくても実現可能です。例えば、特定メール受信したら自動的ファイル保存する、といったフロー作成できます。

④ フローの実行

作成したフローは、条件が満たされたタイミング自動的実行されます。実行状況管理画面確認でき、問題があれば修正簡単に行えます。実際フローを動かすことで、業務自動化されていることを実感できます。

8.まとめ

Power Automateは、業務自動化効率化実現する強力クラウドツールです。直感的操作性で非エンジニアでも活用でき、ミス削減作業時間短縮業務プロセス最適化に大きく貢献します。多種多様システムとの連携豊富事例参考に、さまざまな業界部門導入が進んでいます。
しかし、すべてを自動化できるわけではないという限界もあります。そのため、導入にあたっては目的明確にし、適材適所活用することが重要です。

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