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「ファシリティ」とは、企業の業務を支える施設や設備、備品などの物的資産を指します。オフィスビルや工場といった建物や土地、機器、家具などが含まれ、それらが形成する物理的環境も対象になります。また、従業員が快適に働ける環境づくりにおいても重要な役割を担います。
企業活動では、「人材」「資金」「情報」と並び、ファシリティも経営資源として欠かせない要素です。土地や建物の設計、設備の維持管理、備品の調達は、生産性の向上や業務効率化にも大きく影響します。
「ファシリティマネジメント」は、企業の施設や設備を効率的に運営・管理し、経営戦略を支援するための手法です。1970年代後半にアメリカで生まれ、1987年に公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会が設立されました (注1)。
これまでは主にコスト削減や効率化、リスク管理の観点から注目されてきましたが、環境への配慮や最新テクノロジーの活用も重視され、より関心が高まっています。
近年、日本では、従来の建物を解体して新しく建て替える「スクラップアンドビルド型」から、既存施設を長期的に活用する「ストック型」へとシフトし、施設の維持管理や運用コストの最適化が経営課題となりました。
同時に、働き方改革の推進によって、オフィス環境が従業員の生産性に影響を与えるという認識が浸透したことも、ファシリティマネジメントが一層注目される背景となっています。
ファシリティマネジメントは、通常、企業の総務部が主管部門となり、施設管理や設備投資、修繕計画といった実務対応だけでなく、各部門との調整や外部業者との折衝も担います。
また、経営層と現場をつなぐ橋渡し役として、経営戦略に基づいた施設計画の立案から、従業員の要望を反映した職場環境の改善まで総務部が一元的に管理し、効率的に運営することが求められます。
ファシリティマネジメントが扱う領域は、民間企業の施設だけでなく、公共施設を含む広範囲に及びます。病院や学校、銀行、美術館、空港などの駐車場や空調設備の管理から、セキュリティ対策、環境性能の向上、防災対策まで、包括的な対応が必要となります。
「施設管理 (ビルマネジメント)」が建物や設備の点検・修繕による維持管理を主な目的とするのに対し、「ファシリティマネジメント」は経営戦略と連携させながら施設の最適化を図る点が主な違いです。例えば、照明設備の更新の際、施設管理は機器の交換や性能維持に主眼を置きますが、ファシリティマネジメントは省エネ効果やオフィス環境の改善といった経営判断を加えます。
ファシリティマネジメントは維持管理だけでなく、施設の価値向上と経営の効率化を目指す包括的な取り組みといえるでしょう。
ファシリティマネジメントは、組織の役割に応じて次の3つの階層で構成されます。
日本国内におけるファシリティマネジメントの具体的な事例として、以下の2つを紹介します。
KDDIは虎ノ門オフィスにおいて、戦略的なファシリティマネジメントを実践しています。施設内座席数の4割削減、ネットワークやクラウド、オンライン会議ツールなどのデジタル設備の拡充により、効率的な運営を行っています。さらに、「ハブオフィス (本社)」「サテライトオフィス」「ホーム (自宅)」という3つの拠点を活用し、多様な働き方を支援している点も特徴です。
オフィス内には業務への集中ブースや共創スペースを確保し、従業員の柔軟な働き方に対応する環境を整備しました。リモートワークが普及した今だからこそ、対面で生まれる議論の価値を重視し、より質の高いコミュニケーションを促進するための試行錯誤が続けられています。こうした取り組みは、単に自社の改革にとどまらず、その知見とノウハウを顧客企業にも提供していく方針です。
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JR東日本様とKDDIは、2025年3月に開業したTAKANAWA GATEWAY CITYにおいて、先進的なファシリティマネジメントを展開中です。この新本社計画は虎ノ門オフィスのファシリティマネジメント経験を活かし、業界DXのさらなる推進と、会社や部門の枠を超えた新たな価値を創出するオフィス環境の実現を企図しています。
また、「都市OS (注2)」を活用し、街全体のデータを収集・分析することで、施設運営の効率化と新たなサービス創出を目指します。4K相当の高画質映像とステレオ音響で、オフィスが離れていても同じ空間にいるような臨場感を得られる「空間自在ワークプレイスサービス」の導入など、デジタル技術を駆使した新しい価値や文化の共創の場となることを志しています。
さらに、防災・人流データを活用した避難経路の最適化など、社会課題の解決にも貢献し、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」、いわば持続可能な施設運営のモデルケースとして注目されています。
これらのノウハウは、KDDIが提供する「ファシリティソリューション」にも活かされ、企業における施設管理の効率化や生産性向上に役立つことが期待されます。
ファシリティが、オフィスビルや工場などの建物や土地、機器、家具などを含む物的資産を意味するのに対し、ファシリティマネジメントは、企業の施設・設備を戦略的に管理・運用し、経営の効率化と企業価値の向上を目指す手法を指します。ファシリティマネジメントは、昨今の多様な働き方の推進に伴い、従業員の生産性向上に直結する重要な経営戦略といえるでしょう。
KDDIは、豊富な知見を活かし、ファシリティとICTを融合させた効率的なオフィス環境の構築をサポートします。レイアウト設計やネットワーク構築、ICTインフラ整備から内装工事まで一貫したサービスを提供し、入居・運用計画も含めてサポートすることにより、オフィス構築をスムーズに行うことが可能です。快適で生産性の高いオフィス環境を目指す企業さまは、ぜひKDDIにご相談ください。