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位置情報サービスとは?利用メリットや設定方法・おすすめサービスを解説

位置情報サービスとは?
利用メリットや設定方法・おすすめサービスを解説

2025 2/25
位置情報サービスは、GPSやWi-Fiなどの技術を利用し、ユーザーの現在位置を特定する機能です。地図検索や乗換案内だけでなく、マーケティングや勤怠管理の支援など、日常生活からビジネスまで多岐にわたる用途で活用されています。本記事では、位置情報サービスを利用するメリットや設定方法、おすすめのサービスなどについて詳しく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.位置情報サービスとは

位置情報サービスとは、GPS (Global Positioning System (注)) や携帯電話基地局、Wi-Fi、Bluetoothなどを利用して、ユーザー対象物現在位置特定する技術です。地図アプリ乗換案内サービスといった日常利便性向上目的としたサービスだけでなく、ビジネス領域ではマーケティング勤怠管理などの分野活用されています。

なお、位置情報サービスは、使用する技術によって仕組みが異なります。それぞれの位置情報サービス仕組みについて詳しく見ていきましょう。

GPSを利用して地図を確認している人
  • 注) GPSは「Global Positioning System (全地球測位システム)」の略称で、アメリカ運営する衛星測位システム

1-1. GPSを用いた位置情報サービスの仕組み

GPSは、地球上空周回する人工衛星 (GPS衛星) からの電波地上カーナビスマートフォンなどの受信機受信し、その位置特定するシステムです。

衛星発信する電波に含まれる時刻データ利用し、電波発信されてから受信機受信されるまでの時間差計測します。この時間差電波速度 (光速秒速約30万キロメートル) をかけることで、衛星から受信機までの距離算出されます。


1-2. Wi-Fiを用いた位置情報サービスの仕組み

Wi-Fiを用いた位置情報サービスは、Wi-Fiルーター発信する情報端末受信することで位置特定します。
スマートフォンやPCが位置情報を受け取ると、プローブ (機器ソフトウェア稼働状態遠隔から監視するために導入されるプログラム) が要求ルーター送信し、ルーター応答するまでの時間に基づき端末からルーターまでの距離推定します。


1-3. ビーコンを用いた位置情報サービスの仕組み

Beacon (ビーコン) は、赤外線電波低電力近距離無線通信規格「Bluetooth Low Energy (BLE)」を利用した位置特定技術搭載したデバイスです。

数秒に1回の頻度で、無線信号半径数メートルから数十メートル範囲発信します。この信号にはIDや簡易データが含まれており、受信可能端末がその信号検知し、ビーコンのIDや位置情報サーバー送信することにより、ユーザー現在地移動履歴把握したり、特定情報提供できます。

2.位置情報サービス利用のメリット

位置情報サービスには、次のようなメリットがあります。


2-1. 集客・販売促進に役立つ

位置情報データ活用して顧客行動パターン把握し、それを過去購買データと結びつけることで、顧客来店傾向商圏分析など、精度の高い顧客分析可能になります。その結果、より効果的ターゲティングを行えるようになり、ユーザーが求める商品サービススマートフォン配信することで、商品購入率向上につながります。


2-2. 顧客の詳細なデータが取得できる

スマートフォンアプリなどを通じて収集された位置情報データ活用で、ユーザー行動履歴訪問先正確把握できます。こうした情報に基づき、ユーザー嗜好趣味行動パターンを深く分析すれば、個々のニーズに応じたアプローチ可能となります。

例えば、特定エリア店舗頻繁に訪れるユーザーには、その地域開催されるイベント情報店舗セール情報配信して、来店のきっかけをつくることが可能です。

また、店舗内カート位置情報把握できる端末設置すれば、顧客行動パターン追跡し、商品レイアウト陳列方法変更実際にどのような効果をもたらしたか分析できます。


2-3. 業務効率化に役立つ

位置情報データ活用は、業務効率化にも大きく貢献します。例を挙げると、店舗内動線が悪い場合従業員移動無駄が生じ、それが時間ロスとして蓄積された結果機会損失につながる可能性がありますが、このような課題に対し、位置情報活用して従業員の動きを追跡分析することにより、動線最適化させることができます。


2-4. 勤怠管理が容易に

位置情報活用した勤怠管理は、従来方法と比べて大幅効率化され、不正防止管理精度向上役立っています。GPS位置情報を基に自動時刻記録する仕組みは、打刻漏れや不正打刻を防ぎ、公平性透明性確保できます。また、ジオフェンシング機能 (携帯端末などの位置情報利用して空間内仮想的領域を設け、システム領域出入りを検知する)  を用いることで、打刻可能範囲事前設定し、規定外場所からの不正打刻排除可能です。

また、出退勤時間自動記録により、手動での作業削減するだけでなく、取得したデータ効率的分析し、レポート作成することが容易になります。さらに、正確記録された出退勤時刻勤務地点データは、時間外労働適正管理や、労働基準法遵守支援します。具体的には、過剰残業未然に防ぐ仕組みや、適切賃金計算基礎データとして活用できます。


2-5. コミュニケーション活性化

位置情報活用することで、従業員間コミュニケーション活性化し、業務効率化連帯感向上期待できます。リアルタイム従業員位置把握でき、必要情報即座共有したり、現場発生した課題迅速対応することが可能になります。

さらに、特定エリアにいる従業員間協力意見交換促進することもできます。例えば、同じ現場で働くメンバー同士位置情報活用して連携することにより、業務上問題解決スムーズに進められます。

3.【iPhone版】位置情報サービスのオン/オフ設定方法

iPhoneの位置情報サービスは、次の方法簡単オン/オフを切り替えることができます。

設定」>「プライバシーセキュリティ」>「位置情報サービス」>オン/オフを切り替え

初期設定時だけではなく、デバイス利用開始後でも変更可能です。また、アプリシステムサービス単位でも位置情報利用可否管理できます

位置情報サービスオフになっている場合アプリフォアグラウンド (画面上表示された状態) でもバックグラウンド (起動しているが、画面上表示されていない状態) でも位置情報利用できません。そのため、アプリパフォーマンス制限されるケースがあります。具体的には、地図アプリ正確経路案内利用できない、または位置情報利用するサービス正常機能しないといった影響が考えられます。

iPhone XS Maxの位置情報設定画面

4.【Android版】位置情報サービスのオン/オフ設定方法

Androidの位置情報サービスは、次の方法オン/オフを切り替えることができます。

「設定」>「位置情報」>「位置情報を使用」>オン/オフを切り替え

Wi-FiスキャンやBluetoothスキャン利用して位置情報精度向上させることもできます。なお、iPhoneと同様、Androidも位置情報サービスオフになっている場合フォアグラウンド・バックグラウンドのどちらでも、アプリ位置情報利用できません。

Google では、位置情報活用したさまざまなサービス提供しており、日常生活から緊急時まで幅広利用できます。一例としては、「緊急位置情報サービス (ELS)」という災害緊急時デバイス位置情報活用して救助支援を行うソリューションが挙げられます。

また、地震アラート機能では、近隣発生した地震情報リアルタイム通知で受け取ることができます。

Galaxy A32の位置情報設定画面

5.おすすめ位置情報サービス【導入事例あり】

KDDIのおすすめ位置情報サービス紹介します。それぞれの特徴機能活用事例について見ていきましょう。


5-1. KDDI IoTクラウド Data Market ~Location Analyzer~

「KDDI IoTクラウド Data Market~Location Analyzer~」は、auスマートフォンユーザー位置情報ビッグデータおよび属性 (性別年齢層) 情報活用し、商圏および推定来訪者鮮度の高い分析可能にするセルフGIS分析ツールです。日本全国各地人流データ簡単分析し、可視化できます。また、データの見える化により、ビジネス戦略地域活性化計画効果的立案することが可能になります。

以下は、こちらのサービスの主な機能です。

  • 通行人口分析
  • 単点分析ダッシュボード
  • 時系列来訪者比較分析
  • 6地点来訪者居住地分析
  • 拡張集計オプション
  • Excelレポートオプション
  • 来訪者属性分析
  • 来訪者居住地分析

このサービス導入事例紹介します。
名古屋鉄道株式会社様が、このツール利用して高精度人流データ分析実現したケースが挙げられます。商圏データを基に未来需要予測することで、新たなマーケティング戦略構築成功しています。
また、名鉄協商様は、このデータ新規施設開業計画料金見直しに活用し、売上アップ達成しました。名鉄ミライート様では属性分析を用いた集客施策強化し、新業態での集客成功を収めています。

事例の詳細はこちら



5-2. KDDI 高精度位置測位サービス

「KDDI 高精度位置測位サービス」は、GNSS (全球測位衛星システム) の補正データ活用することで、数cm単位高精度測位実現するサービスです。この技術測量自動運転などの分野活用されており、業界を問わず多様ニーズに応えることができます。
こちらのサービスには、安定性広域高速移動対応両立する2つのメニュー用意されています。

VRS-RTK
(Virtual Reference Station Real Time Kinematic)
リアルタイムで高精度な測位を提供し、特定の地域での安定的な運用をサポートします
PPP-RTK
(Precise Point Positioning Real Time Kinematic)
広域での測位が可能で、移動体や広範囲での用途に適しています

このサービス活用事例紹介します。
KDDIは株式会社アクアビットスパイラルズ様と連携し、「KDDI 高精度位置測位サービス」を活用したスマホタッチ支払システム導入しました。この技術により、バス乗降情報正確記録し、区間乗車料金即時決済実現します。GNSSデータ補正信号高精度処理することで、複雑乗車料金計算にも柔軟対応可能です。徳島県岡山県での実証実験を通じて、交通系ICカード同等利便性提供し、地域モビリティ活性化貢献しています。

事例の詳細はこちら

  • ※ 外部サイトに遷移します。

6.位置情報サービス利用時の注意点

位置情報サービス利用する際は、次の注意点を押さえましょう。


6-1. 個人情報の取扱に注意

位置情報は、単独では個人特定する情報とみなされない場合が多いものの、ほかの特定個人識別できる情報容易照合できる場合は、「個人情報」に該当する可能性があります。
このため、位置情報利用する際には、個人情報保護法に基づき適切取扱必要で、セキュリティ十分配慮した情報漏えい対策が求められます。


6-2. プライバシーに注意

プライバシーは、個人事情他人に知られたり、干渉を受けたりしない権利を指します。位置情報サービス提供する際は、ユーザープライバシー尊重し、適切に取り扱うことが極めて重要です。ゆえに、プライバシーポリシー明確にし、位置情報取得利用する目的ユーザーにわかりやすく理解してもらう配慮が欠かせません。ユーザー位置情報取得利用について十分認識し、理解できる仕組みを整備する必要があります。

また、収集した情報目的以外使用する場合や、第三者提携して取得した情報マーケティングサービス活用する場合は、契約約款利用用途提携サービス目的の中でプライバシー保護に関する条項記載し、ユーザー同意を得ることが不可欠です。ユーザー安心してサービス利用できるよう十分配慮しましょう。


6-3. セキュリティリスクを考慮する

位置情報サービス利用する際は、セキュリティリスク十分考慮し、適切管理運用ルール整備することが重要です。管理面では、位置情報データへのアクセス権を制限し、特定社員システム管理者にのみ許可を与えるといった対策実施することで、情報漏えいのリスク軽減可能です。運用面については、GPSなどの位置情報サービス利用勤務時間帯限定すれば、業務外での不適切利用無用データ収集を防ぐことができるでしょう。

7.まとめ

位置情報サービスは、顧客行動などのデータ把握によるマーケティングコミュニケーション促進勤怠管理効率化などで、ビジネス多大利便性をもたらします。
しかし、利用目的明確化プライバシー保護セキュリティリスクへの対応が求められます。セキュリティ対策整備して法令に基づく適切運用を行い、位置情報サービスビジネス役立てましょう。

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