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セキュリティインシデントとは?原因やリスク、対策を徹底解説

セキュリティインシデントとは?原因やリスク、対策を徹底解説

2026 2/9
セキュリティインシデントとは、企業の情報資産やシステムに悪影響を与える事象のことです。不正アクセスや設定ミスなど、外部要因だけでなく内部要因によっても発生し、情報漏えいやシステム停止といった重大なトラブルにつながるおそれがあります。企業のデジタル化が進む現在、こうしたリスクは確実に増加しており、適切に理解して備える姿勢が求められます。本記事では、セキュリティインシデントの概要や原因、考えられる影響、そして発生時の対応や予防策までを整理し、企業がとるべき対策のポイントをわかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.セキュリティインシデントとは何か

セキュリティインシデントとは、情報の「機密性 (外部に漏れないこと)」、「完全性 (改ざんされないこと)」、「可用性 (必要なときに利用できること)」のいずれかに悪影響が生じる、またはそのおそれがある状態を指します。IPA (情報処理推進機構) も、外部攻撃内部不正設定不備などによって情報が漏えい・改ざんされたり、システム停止したりする事象、さらにその兆候インシデントとして定義しています。

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1-1. セキュリティインシデントの種類3つ

セキュリティインシデントは次の3種類分類できます。

  1. 外部からの攻撃
    企業ネットワークシステムを狙ったサイバー攻撃ランサムウェア標的型メール、DDoS攻撃などが代表例です。
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  2. 内部発生するトラブル
    社内で起きる情報漏えいや不正行為メール誤送信端末紛失などのヒューマンエラー従業員による不正持ち出しなどが含まれます。

  3. 外的要因による障害
    自然災害停電クラウド障害など、企業管理範囲外発生する事象による業務停止リスクです。

2.セキュリティインシデントが発生した場合のリスク

セキュリティインシデント発生すると、企業は次のような重大リスク直面します。

  • 情報漏えいによる打撃
  • 業務停止による損失
  • 信用失墜長期影響
  • 法的責任罰則

これらは一度起こると回復時間がかかり、経営全体影響を及ぼすおそれがあります。セキュリティインシデント対策経営課題として捉えることが欠かせません。

2-1. 情報漏えいによる打撃


情報漏えいが発生すると、企業は大きな社会的ダメージを受けます。特に顧客情報外部流出した場合取引先利用者からの信頼が大きく揺らぎ、サービス継続不安を抱かせる結果につながります。漏えいの内容によっては損害賠償を求められる可能性もあり、その金額数百万円から数億円規模に及ぶことも珍しくありません。また、対応に追われることで本来業務支障が出る点も大きな負担になります。一度失った信用を取り戻すには長い時間必要になるため、情報漏えいは企業にとって避けたいインシデントのひとつといえます。

情報漏えいによる打撃のイメージ画像

2-2. 業務停止による損失

セキュリティインシデント発生すると、システム停止業務が続けられなくなるケースがあります。ネットワークが使えなくなれば受注処理決済が滞り、店舗オンラインサービス大幅売上減直面します。また、停止している間に失われる機会損失見過ごせません。復旧には原因調査安全性確認必要となり、数時間から数日以上かかることもあります。システムが使えない時間が長くなるほどコストは膨らみ、事業全体運営影響がおよびます。こうした損失経営面での大きなリスクとして捉える必要があります。

2-3. 信用失墜の長期影響

セキュリティインシデントが起きると、短期的損失にとどまらず、企業信用ブランド価値にも長く影響します。情報漏えいが公表されると、顧客サービス利用を控えるようになり、新規契約減少しやすくなります。場合によっては株価下落し、投資家からの評価が下がることもあります。一度失われた信用回復するには、継続的安全対策強化透明性の高い情報公開など、時間コストをかけた取り組みが必要です。ブランド信頼性企業活動基盤になるため、信用失墜長期にわたり影を落とす重大リスクといえます。

2-4. 法的責任と罰則

個人情報が漏えいすると、企業法律に基づく責任を負うことがあります。個人情報保護法では、重大な漏えいが起きた際に迅速報告公表が求められ、対応が遅れれば行政処分対象になることもあります。顧客への通知補償再発防止策実施には大きな負担が伴い、損害賠償請求を受ける可能性否定できません。海外との取引がある企業では、GDPR (EU一般データ保護規則) など国際基準規制にも注意必要です。違反時罰金最大で2000万ユーロまたは全世界年間売上高の4%で、日本円にすると約25億円以上に達する可能性があります。法令順守徹底することは、企業経営にとって欠かせない取り組みです。

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3.セキュリティインシデントの主な原因

セキュリティインシデント外部からの攻撃だけでなく、社内ミスシステム不備、さらには環境要因影響します。主な原因は次の4つです。

  • 外部からの攻撃ランサムウェア標的型メールによる侵入
  • 内部人的ミスメール誤送信端末紛失などのヒューマンエラー
  • システム設定不備アクセス権の誤設定脆弱性放置
  • 環境要因災害停電・クラウド障害などによるシステム停止

3-1. 外部からの攻撃


外部からの攻撃のイメージ画像

外部からの攻撃は、セキュリティインシデントの中でも発生頻度が高い要因です。代表例ランサムウェアデータ暗号化し、復旧と引き換えに金銭要求する手口で、業務停止の大きな原因になります。標的型攻撃では、取引先を装った巧妙メールが送られ、添付ファイルを開いた瞬間内部侵入されるケース目立ちます。また、大量アクセスサービスを止めるDDoS攻撃や、修正前弱点を突くゼロデイ攻撃深刻脅威です。攻撃方法は年々高度化しており、企業規模関係なく被害が広がっています。不審メールへの注意や、システム更新を怠らないことが防御につながります。

3-2. 内部の人的ミス

セキュリティインシデントは、社内での小さなミスがきっかけになることも少なくありません。例えば、メールを誤って別の相手に送ってしまったり、不適切ファイル添付したりするケース日常的に起こり得ます。さらに、パソコンやUSBメモリー紛失した結果情報流出する事例も後を絶ちません。中には、従業員意図的データを持ち出すなど、悪意を伴う内部不正発生することもあります。こうしたリスクを減らすには、ルール理解して正しく行動できるよう、継続的教育必須です。併せて、扱える情報必要最小限の人に絞る権限管理徹底することで、ミス不正影響を抑えられます。

3-3. システム設定の不備

システム基本的設定ミス原因情報外部に漏れてしまうケースも少なくありません。例えば、アクセス権を必要以上に広げていたり、クラウドサービス公開範囲を誤って設定していたりすると、意図しない相手データが見えてしまうことがあります。また、OSやソフトウェア脆弱性放置すると、修正されていない弱点攻撃者悪用されるおそれが高まります。本来は、アップデート適切適用することで防げる問題も多く、日ごろの管理重要です。システム設定定期的見直しと、脆弱性情報継続的確認を行うことで、セキュリティインシデント発生リスクを大きく減らせます。

3-4. 環境要因

セキュリティインシデントは、外部攻撃だけでなく環境変化によっても発生するものです。地震停電などの災害システム停止させ、業務が続けられなくなるおそれがあります。また、自社利用するクラウドサービス障害が起きた場合原因自社コントロールできず、復旧まで待つしかない状況に追い込まれることもあるでしょう。さらに、外部事業者発生したトラブル自社業務影響が及ぶケースも考えられます。こうしたリスクに備えるには、データバックアップ確実に行い、代替手段事前用意しておくことが重要です。

4.セキュリティインシデント発生時の対応

セキュリティインシデントが起きた際は、冷静に次の流れに沿って対応を進めていきましょう。

  • 初動対応影響範囲確認し、ネットワーク遮断などで被害拡大を防ぐ
  • 原因調査ログ分析などから侵入経路影響箇所特定する
  • 報告公表法令に基づき監督官庁への報告社内外への公表を行う
  • 復旧再発防止安全性確認したうえでシステム復旧し、再発防止策整備する

4-1. 初動対応


セキュリティインシデントの疑いがあれば、最初にすべきことは被害の広がりを止める対応です。異常が出ている端末システム確認し、感染可能性がある機器は速やかにネットワークから切り離します。ほかの端末への拡散を防ぐため、最優先で行うべき作業です。併せて、後の調査必要となるログ関連データ保全し、誤って削除されないよう注意します。状況把握しないまま操作を進めると、証拠が失われたり復旧が遅れたりすることがあります。初動の質はその後の調査再発防止に大きく影響するため、手順平時から共有しておくことが安心につながります。

初動対応のイメージ画像

4-2. 原因調査

セキュリティインシデント原因を突き止めるには、まずログ通信履歴確認し、不審操作が行われた時点を洗い出していきましょう。

より詳細分析必要場合にはフォレンジック調査を行い、端末に残った痕跡から侵入経路攻撃者行動再現するのと並行して、どのデータシステム影響を受けた可能性があるのかを整理し、被害範囲丁寧把握していく姿勢が求められます。

調査長期化しそうな場合や、専門的設備必要状況では、外部専門機関依頼する判断視野に入れましょう。特に情報流出懸念があるケースでは、早めに支援を仰ぐことで適切対応につながります。

4-3. 報告と公表

セキュリティインシデント確認された場合は、まず監督官庁への報告必要かどうかを判断します。個人情報が含まれるケースでは、法律に基づく手続きが発生するため、早めの意思決定必要です。その後、影響範囲整理し、利用者取引先への公表方法検討します。事実今後対応正確に伝えることで、不安最小限に抑えられます。復旧見通しや再発防止策提示する姿勢信頼回復につながります。

4-4. 復旧と再発防止

システム安全動作できる状況確認したら、バックアップを使って攻撃前状態へ戻す工程に移ります。復旧途中では、データ破損不自然動作が残っていないかを丁寧に確かめていきましょう。

その後は再発を防ぐため、原因に応じて設定を改めたり、新しい防御策追加したりする必要があります。監視体制見直すことで、異常早期に捉えやすくなる点も重要です。

被害内容複雑場合は、専門機関助言を求めるほうが確実判断につながります。復旧改善並行して進めることが、安定した業務再開不可欠です。

5.企業が取るべきセキュリティインシデント対策

セキュリティインシデントを防ぐための主な対策は、次の4つに整理できます。

  • 多層防御実践 
  • 従業員教育
  •  脆弱性管理 
  • 対応計画整備

これらを総合的実践することで、日常的な備えから万一対応までを見据えた、より強固セキュリティ体制を築くことができるでしょう。

5-1. 多層防御の実践

セキュリティインシデントを防ぐには、一つの仕組みに頼らず複数防御を重ねる多層防御有効です。外部からの不正通信遮断するファイアウォールに加え、PCやサーバーなどのエンドポイントへの侵入攻撃兆候早期検知対処するEDR (Endpoint Detection and Response) を導入すると、早い段階異変気付きやすくなります。さらに、ソフトウェアを常に最新状態へ保つことも重要です。脆弱性が残されると攻撃者標的になりやすく、被害拡大要因になります。不要アクセス権を整理し、利用者ごとの権限適切設定する取り組みも効果的です。攻撃完全に防ぐことは難しいため、侵入前提に備える姿勢企業防御力底上げします。

5-2. 従業員教育

セキュリティ強化を高めるうえで、従業員教育重要役割を担います。攻撃メール偽装リンク特徴理解しておくことで、早い段階異変に気づけます。

特に有効なのが、標的型攻撃を模したメール訓練です。実際疑似メールを受け取る体験を通じ、危険要素自分の目で確認でき、判断精度が上がります。訓練後フィードバックを行えば、行動改善点明確になります。

加えて、情報の扱い方に関する社内規定明確にし、全員共通ルール業務にあたることが重要です。教育ルール整備並行して進めることで、組織全体リスクを大きく減らせます。

5-3. 脆弱性管理

脆弱性管理適切に行うには、まず定期的診断システムに潜む弱点把握することが不可欠です。診断で見つかった問題は、アップデート計画的適用しながら解消していきます。更新後回しにすると攻撃者悪用されるおそれがあるため、優先順位をつけて進める姿勢が求められます。

併せて、端末ソフトウェア整理し、社内にある資産把握しておくことも大切です。どこにどのバージョンが使われているかが分かれば、更新漏れを防げます。

さらに、IPAなどが公開する脆弱性情報定期的確認し、新たなリスクを早めに把握することで、より安全運用につながります。

5-4. 対応計画の整備

セキュリティインシデント発生した際に混乱を避けるためには、平常時から対応計画を整えておきましょう。代表的仕組みが、組織内役割手順をまとめたCSIRT (シーサート) の設置です。誰が判断し、誰が外部連絡し、どの順序復旧に取り組むのかを明確にしておくことで、緊急時でも行動がぶれにくくなります。

さらに、事業継続するためのBCP (事業継続計画) を準備しておけば、システム停止長引いた場合でも業務への影響を抑えやすくなります。計画を作るだけでなく、定期的訓練を行い、実際に動けるかどうかを確認することも大切です。こうした取り組みを重ねることで、セキュリティインシデントに強い組織づくりにつながります。

6.まとめ

セキュリティインシデント一度発生すると、業務停止信用低下など多方面影響を与えます。そのため、早い段階から弱点を洗い出し、実効性のある対策を積み重ねることが重要です。技術的仕組みを整えるだけでなく、従業員が正しい判断を取れるよう教育を行っておく必要があります。また、対応計画準備しておけば、緊急時でも迷いなく動けるようになります。日常的な取り組みを継続し、セキュリティインシデントに強い組織づくりを実現しましょう。

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