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プライベートクラウドとは?パブリッククラウド・オンプレミスとの違いを解説

プライベートクラウドとは?パブリッククラウド・オンプレミスとの違いを解説

2026 1/30
プライベートクラウドとは、自社専用に構築したクラウド環境を利用し、クラウドの柔軟性や効率性を活かしながら、より厳格な管理体制と高いセキュリティを確保できる仕組みのことです。近年はクラウド活用が一般化した一方で、情報管理の厳格さや業務特性から、共有環境では不安を感じる企業も増えています。そうしたなかで、自社専用の環境を持ちながら、クラウドの利点を取り入れられる選択肢として、プライベートクラウドが注目されるようになりました。
本記事では、プライベートクラウドの基本的な考え方から、パブリッククラウドやオンプレミスとの違い、導入時のメリット・デメリットまでを整理して紹介します。

※ 記事制作時の情報です。

1.プライベートクラウドとは何か

プライベートクラウドとは、特定企業組織専用クラウド環境を指します。サーバーネットワークなどのリソース他社共有せず、自社のためだけに使えるものです。

1-1. プライベートクラウドの仕組み


 プライベートクラウドは、特定企業自社専用構築利用するクラウド環境で、サーバーストレージなどの物理的なITリソースを「仮想化」という技術抽象化し、統合されたリソースプール構築する仕組みです。

利用者は、管理ポータルを通じて、このプールから必要性能仮想サーバーなどを、オンデマンド迅速利用できます。これにより、物理的機器制約を受けず、柔軟管理運用することが可能になります。

プライベートクラウドの仕組みのイメージ画像

1-2. ホスティング型とオンプレミス型


プライベートクラウドには、ホスティング型とオンプレミス型の2種類があります。ホスティング型の特徴は、クラウド事業者提供する設備クラウド利用するため、サーバーなどの資産を持たずに利用できる点です。初期投資を抑えつつ、安定したクラウド環境確保したい企業に適した選択肢といえるでしょう。

オンプレミス型は、自社内サーバーネットワーク機器設置し、その上にプライベートクラウド環境構築する方式です。設備運用自由度が高く、セキュリティポリシー業務要件に合わせて細かな設定が行える点が大きな特徴となります。その分、導入運用コスト手間発生しますが、自社で強くコントロールしたい企業に向いています。

項目 ホスティング型 オンプレミス型
資産の保有 サーバーやネットワーク機器を自社で保有しない 機器を自社資産として保有
構築 事業者が提供するクラウドサービスを利用 必要な機器やサーバーを自社内で準備し構築
初期コスト 機器購入が不要なため抑えやすい 機器調達や設置に高額な初期投資が必要
運用・保守 機器保守や障害対応を事業者に委託できる 運用・保守を自社で対応する必要がある
拡張・更新 必要に応じて柔軟に対応可能 増設・更新に時間と工数を要する

2.プライベートクラウドとパブリッククラウドの違い

プライベートクラウドとよく比較されるものとして、クラウド事業者提供し、複数企業インフラ共有して利用する「パブリッククラウド」があります。両者の違いを整理すると、主なポイントは次の3つです。

項目 プライベートクラウド パブリッククラウド
管理 自社で細かく管理・制御できる 事業者に運用を任せられる
セキュリティ 専用環境で自社基準の統制が可能 標準的なセキュリティ対策を利用
コスト 固定費が一般的 使った分だけ支払う従量課金が一般的

2-1. 管理体制とセキュリティ


管理体制とセキュリティのイメージ画像

プライベートクラウドパブリッククラウドでは、運用責任範囲が異なります。プライベートクラウドは、自社管理方針を決めやすく、アクセス制御監査ルール柔軟設定できます。金融医療など、厳しい規制がある業界では、この点が大きな利点になります。

一方パブリッククラウドは、基盤部分管理事業者に任せられるため運用負荷を抑えやすい点が特徴です。ただし、セキュリティ設定利用者側責任となるため、自社ポリシーとの整合性確認する姿勢が欠かせません。

2-2. コスト構造とパフォーマンス

コスト性能バランスは、クラウド環境選定するうえで見逃せないポイントです。プライベートクラウド初期投資必要になるものの、専用環境のため処理能力安定しやすく、予期せぬ性能低下が起こりにくい傾向があります。業務品質一定に保ちたい企業に向いています。

対してパブリッククラウドは、使った分だけ支払従量課金基本で、導入ハードルは低めです。ただ、利用集中すると性能影響が出る場合もあります。月額コストだけで判断せず、人件費増設時コストを含めて総合的に考える姿勢大切です。

3.従来のオンプレミスとの違い

オンプレミスとは、サーバーネットワークソフトウェア自社所有し、構築運用までを自前で行うことです。オンプレミスプライベートクラウドとの主な違いは、物理サーバー構築か、仮想化されたクラウド構築かという点です。

3-1. 運用管理の自動化


オンプレミス環境では、サーバー追加設定変更のたびに担当者個別作業を行う必要があります。そのため、対応時間がかかり、人的ミスが起きやすい点が課題とされてきました。

プライベートクラウドでは、APIと呼ばれる仕組みを使い、操作自動化できます。APIはシステム同士をつなぐ窓口のような役割を持ち、これを利用することでサーバー構築設定変更短時間実行できる点が特徴です。

運用管理の自動化のイメージ画像

さらに、設定内容コードとして管理する「IaC (インフラコード化)」を取り入れると、作業手順明確になり、担当者が変わっても同じ環境再現しやすくなります。結果として効率的安定したクラウド運用へとつながっていく仕組みとなります。

3-2. 拡張性とコストモデル

オンプレミス環境では、サーバーストレージ追加するたびに機器選定調達必要となり、利用開始までに時間がかかります。将来見越して多めに設備用意すると、使われない資産を抱えるリスクも生じます。このように、拡張のしづらさとコスト固定化課題になりやすい点は見逃せません。

プライベートクラウドでは、仮想化されたリソース柔軟に割り当てられるため、必要な分だけを使う運用可能です。また、ハードウェア資産として保有しないホスティング型を選べば、更新コスト廃棄コスト考慮する必要がありません。

こうした特徴から、TCO (総所有コスト) を意識した効率的なIT運用につなげやすくなります。

4.プライベートクラウドの導入メリット

プライベートクラウドの主なメリットは、次の3点です。

セキュリティ情報漏えいや不正アクセスリスクを抑え、信頼性の高いサービス提供ができます。

カスタマイズ性:業務に合わせて調整でき、システムとの連携業務効率化を進めやすくなります。

安定性性能安定することで、基幹業務継続性確保しやすくなります。

4-1. 高度なセキュリティと統制

高度セキュリティ確保しやすいことも、プライベートクラウドの強みです。専用環境前提としているため、データ保管場所アクセス経路を細かく設定できます。その結果情報所在利用状況把握しやすくなります。

特に金融機関医療分野では、法律ガイドラインへの対応が欠かせません。自社運用ルールをそのまま適用できる点は、プライベートクラウドならではの利点といえます。必要に応じて、専用セキュリティ機器を組み込むことも可能です。

こうした柔軟性により、外部環境変化にも対応しやすくなります。統制の取れた環境は、監査内部チェック負担軽減にも役立ち、安心して業務システム運用できる基盤となります。

4-2. 柔軟なカスタマイズ性

プライベートクラウドは、システム構成自社業務に合わせて柔軟設計できる点が特徴です。CPUやメモリーの割り当て、OSやミドルウェア設定まで細かく調整できるため、業務特性に合った環境構築しやすくなります。

特に長年利用してきた基幹システム独自仕様業務アプリケーション運用している企業では、この自由度が大きな利点になるでしょう。パブリッククラウドでは制約になりがちな設定も、自社要件優先して反映できます。

5.プライベートクラウドの導入デメリット

プライベートクラウド柔軟性安全性に優れた選択肢ですが、すべての企業に適しているとは限りません。コスト負担の大きさや運用体制確保将来的拡張への対応など、導入前整理すべき点があります。こうした側面も踏まえたうえで検討することで、後悔のない判断につながります。

5-1. 高額な初期コストと運用負荷

プライベートクラウド導入する際は、初期コスト運用負荷が大きくなりやすい点に注意必要です。専用サーバーネットワーク機器用意する場合機器調達設置にまとまったコスト発生します。

さらに、環境設計構築するためには、仮想化セキュリティに関する専門知識を持つ人材が欠かせません。運用開始後も、障害対応性能監視定期的更新作業などを継続して行う必要があり、担当者負担は少なくありません。

こうした管理をすべて自社で担うと、人的コスト対応時間が増え、本来業務影響が出る可能性もあります。そのため、監視保守バックアップ運用などを外部事業者委託する選択肢現実的です。アウトソーシング活用すれば、専門性を補いながら運用負荷軽減でき、安定した環境維持しやすくなります。

5-2. 拡張性の物理的制約

パブリッククラウド必要な分だけ即座リソース増減できますが、プライベートクラウドでは、あらかじめ用意された設備範囲内でしか対応できません。想定を超えるアクセス増加データ量の拡大が起きた場合、すぐに性能を引き上げられない点は注意必要です。

リソース追加する際には、サーバーストレージなどの機器調達必要となり、発注から設置設定完了までに一定時間がかかります。状況によっては数週間から数カ月を要することもあり、急なビジネス拡大への対応が遅れる可能性があります。そのため、将来利用量見越した計画や、パブリッククラウドと組み合わせた柔軟構成検討することが重要になります。

6.パブリッククラウドとの連携活用

プライベートクラウドパブリッククラウドを組み合わせて使う考え方を、ハイブリッドクラウドと呼びます。機密性の高いデータ基幹システム自社専用環境管理し、アクセス集中しやすいWebサービス検証環境パブリッククラウド活用するといった扱う情報性質用途に応じて、プライベートクラウドパブリッククラウドを使い分けることが可能です。それぞれの強みを活かすことで、コスト運用負荷を抑えつつ、柔軟効率的システム構成実現しやすくなります。

6-1. ハイブリッドクラウドの構築

構成イメージとしては、社内ネットワークプライベートクラウド中核に据え、そこから安全通信経路パブリッククラウド接続する形になります。必要データだけを連携させることで、セキュリティ柔軟性両立可能になります。

6-2. 安全な接続とデータ連携

ハイブリッドクラウド安全運用するには、異なる環境をどのようにつなぐかが重要になります。一般的には、インターネットを介さずに接続できる専用線や、通信内容暗号化するVPNを利用し、閉じたネットワーク構築します。これにより、外部からの盗聴不正アクセスリスクを抑えやすくなります。

また、プライベートクラウドパブリッククラウド間でデータをやり取りする際は、通信経路だけでなく、送受信権限管理暗号化設定も欠かせません。誰が、どのデータアクセスできるのかを明確にすることで、情報漏えいを防ぎやすくなります。安全接続ルールを整えることが、複数環境安心して活用する土台になります。

7.プライベートクラウドサービスと選定ポイント

プライベートクラウドを選ぶ際は、機能の多さだけで判断せず、自社要件に合っているかを軸に検討することが大切です。例えば、業界ごとの法規制対応できるか、想定する運用規模に対してコスト見合うか、社内運用を支えられる技術力があるかといった点が判断材料になります。

7-1. 国内外の主要サービス比較

プライベートクラウド選定する際は、海外クラウド事業者提供するVPC (仮想的分離された専用環境) と、国内事業者ホスティングサービスの違いを理解することが重要です。特に、データセンター設置場所サポート体制は、運用面法規制への対応に大きく影響します。以下代表的サービス比較です。

主なサービス 特長 機能・サポート
国内事業者
(ホスティング型・国内プライベートクラウド)
・KDDIのパブリッククラウドサービス
・通信事業者や国内Sierが提供
データセンターが国内にあり、日本の法令が適用されるため、医療・金融など秘匿性の高い情報を扱う場合に適している。 ・機能が厳選されており、比較的シンプル。
・日本語でのサポートが充実。
海外事業者
(VPC)
・AWS (Amazon VPC)
・Microsoft Azure VNet
・Google Cloud VPC
データセンターの所在地によっては他国の法令 (例:米国のクラウド法) が適用される可能性があり、データ主権のリスクがある。 ・AI、ビッグデータ分析など最先端かつ多様な機能・サービスが揃っている。
・サポートは英語中心

8.まとめ

プライベートクラウドは、専有環境ならではの高いセキュリティ柔軟カスタマイズ性、安定した性能確保できる点が大きな特徴です。一方で、初期コスト運用負荷拡張時制約といった注意点もあり、導入前自社要件整理することが欠かせません。

近年は、パブリッククラウドと組み合わせたハイブリッド構成により、それぞれの強みを活かす選択も広がっています。法規制コスト社内技術力を踏まえ、自社に合った形を見極めることが、クラウド活用成功させるポイントといえるでしょう。

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