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MDMとは? 3つの機能や必要性、導入を成功させるポイントを解説

MDMとは? 3つの機能や必要性、導入を成功させるポイントを解説

2025 12/4
スマートフォンやタブレットの業務利用が増える中、情報漏えいや設定ミスといったリスクを防ぐために注目されているのが「MDM: Mobile Device Management (モバイルデバイス管理)」です。MDMは、企業が社員の端末を安全かつ効率的に管理するための仕組みで、遠隔操作やアプリ配布、設定管理などを一元的に行えます。テレワークの定着やBYOD (私物端末の業務利用) の広がりにより、端末管理の重要性はこれまで以上に高まっています。本記事では、MDMの基本的な仕組みから主要機能、導入のポイントなど解説していきます。

※ 記事制作時の情報です。

1.MDM (モバイルデバイス管理) とは

MDMとはMobile Device Managementの略称で、企業社員スマートフォンタブレットノートパソコンなどを管理するための仕組みを指します。近年業務モバイル端末利用する機会が増え、社外から社内システムアクセスするケース一般的になりました。その結果情報漏えいやウィルス感染などのリスクが高まり、管理手間も増えています。

MDM (モバイルデバイス管理) とはのイメージ画像

MDMを導入すると、端末利用状況一元的把握でき、アプリ設定配布制御遠隔で行えます。万が一の紛失盗難時も、リモートロックデータ削除可能です。これにより、企業セキュリティ対策強化しつつ、管理作業負担軽減できます。業務デジタル化が進む今、MDMは効率的モバイル運用を支える重要基盤となっています。

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1-1. MDMが管理する対象デバイス

MDMが管理する主な対象は、スマートフォンタブレットノートパソコンなど、モバイル通信機能を持つ業務端末です。これらは外出先自宅など、社外での利用が多いため、セキュリティ管理が欠かせません。また、社用端末だけでなく、社員個人所有する端末業務に使う「BYOD: Bring Your Own Device (私物端末業務利用)」も増えています。BYODには導入コスト削減社員の働き方の多様化というメリットがある反面情報セキュリティ面でのリスク懸念されます。個人利用業務利用が一つの端末混在するため、データ管理境界不明確になりがちです。しかし、MDMを活用すれば業務用データのみを対象とした管理可能になり、個人データには一切関与しない運用設定ができます。この仕組みにより、セキュリティ強化利便性両立実現できるのです。

2.MDMの3つの主要機能

MDMの3つの主要機能のイメージ画像

MDMには、主に次の3つの機能があります。

  • セキュリティ強化: 遠隔ロックデータ削除などにより、情報漏えいを防止
  • デバイス一元管理: 複数端末やOSをまとめて管理
  • 業務効率化: 設定自動適用アプリ配布により、管理負担軽減

それぞれの機能を詳しく紹介します。

2-1. セキュリティを強化する機能

MDMがもたらす最大価値は、企業重要情報資産を守る強力セキュリティ機能にあります。特に効果発揮するのが、端末紛失盗難時対応するリモートロック・ワイプ機能です。万が一、社員端末をどこかに置き忘れたり盗難に遭ったりしても、管理者遠隔操作端末ロックをかけ、第三者操作できないようにします。さらに状況深刻場合は、端末内データ完全消去 (ワイプ) することも可能です。これにより、機密情報外部に漏えいするという最悪事態を防げます。
また、日常的脅威から端末を守る予防策重要です。業務関係のないアプリや、セキュリティ上問題のあるアプリインストール制限し、ウィルス感染意図しない情報漏えいのリスク低減します。加えて、端末内データ自動的に「暗号化」する設定強制することもできます。これはデータ特殊な鍵がなければ読み取れない状態にする技術で、万が一データが抜き取られても中身解読されることを防ぎます。

2-2. デバイスを一元管理する機能

企業では、さまざまなメーカー種類機器が使われています。MDMを導入すれば、これらの異なる端末を一つの画面でまとめて管理できるようになります。
例えば、新しいアプリ全社員配布したい場合従来端末ごとに個別対応必要でした。しかし、MDMがあれば管理者一度操作ですべての端末同時配布でき、アプリ更新設定変更同様に、遠隔から一括実行可能です。さらに、どの社員がどのアプリ使用しているかを一覧確認できるため、不要ライセンス購入無断使用を防げます。

2-3. 業務効率を高める機能

MDMを導入すると、従来端末ごとに対して手作業で行っていた設定作業を、一括自動実行できるようになります。例えば、新入社員配布する端末社内Wi-Fiの接続情報業務用アプリインストールする場合、MDMがあれば数十台数百台端末に対して一度操作で同じ設定適用可能です。これにより、設定ミス防止作業時間大幅短縮実現できます。特にテレワーク普及した現在では、自宅から会社システム安全アクセスするためのVPN設定重要になっています。MDMなら、複雑なVPN設定社員端末自動配布できるため、ITに詳しくない社員でも迷わず在宅勤務を始められます。結果として、会社全体業務効率アップ管理コスト削減同時実現されるのです。

3.なぜ今、MDMが注目されるのか

MDMが注目を集める背景には、次のような変化があります。

  • ビジネス環境変化: テレワークモバイルワーク拡大
  • セキュリティリスク増大: 情報漏えいやサイバー攻撃増加
  • 管理業務複雑化: 多様デバイスやOSの併用

これらの要因により、企業安全かつ効率的端末管理できるMDMの導入が進んでいます。

なぜ今、MDMが注目されるのかのイメージ画像

3-1. ビジネス環境の変化: テレワークとBYODの普及

テレワーク普及により、社員社外から社内データアクセスする機会が増えました。その結果端末セキュリティアクセス制御重要性が高まっています。さらに、BYOD (私物端末業務利用) を導入する企業も増えており、利便性セキュリティ両立課題となっています。MDMは、業務データ個人データ分離管理できるため、安全性確保しながら柔軟な働き方を実現できます。

3-2. セキュリティリスクの増大

業務に使うモバイル端末には、紛失盗難による情報漏えいのリスクが常に付きまといます。カフェなどの公衆Wi-Fi利用時通信内容盗聴や、不正ソフトウェア (マルウェア) 感染によるデータ流出危険性無視できません。MDMを導入すれば、遠隔操作によるロックデータ削除アプリ利用制限といった対策可能となり、こうした脅威から企業情報を守る重要役割を果たします。

3-3. 管理業務の複雑化

多様なOSや端末混在する環境では、すべてを手動管理することは困難です。設定ミスセキュリティルール不統一発生しやすく、情報漏えいのリスクを高める要因にもなります。MDMを導入すれば、全社統一したセキュリティポリシー適用でき、ルール徹底容易になります。これにより、複雑化する管理業務効率的に行える体制を整えることができます。

4.MDM製品の選び方

MDMを選定する際は、次の3つのポイント重要です。

  • 必要機能: 自社運用に合った管理制御機能が備わっているか
  • 対応デバイス・OS: 社内利用している機種対応しているか
  • サポート体制: 導入後支援トラブル対応充実しているか

これらを比較検討することで、自社最適なMDMを選べます。

4-1. 自社の課題解決に必要な機能

MDMを選ぶときは、自社セキュリティポリシー運用ルールに合う機能を備えているか確認しましょう。リモートロック・ワイプアプリ許可/禁止位置情報取得コンプライアンスチェックなど、必須機能事前に洗い出しておけば、導入後見落としや運用トラブルを防げます。あわせて、管理画面操作性 (UI/UX) も重要です。直感的設定でき、状況がひと目で分かる画面製品ほど、教育コスト設定ミスが減り、日々の運用負担が軽くなります。可能であればトライアルで使い勝手確認し、管理者利用者双方視点評価しましょう。

4-2. 対応デバイス・OSの確認

企業では、さまざまな端末やOSが利用されています。導入するMDMがこれらすべてに対応していないと、管理一元化が難しくなります。そのため、社内で使われているすべてのデバイスやOSに対応しているかを確認することが大切です。
特に、OSのバージョンアップにも柔軟対応できるかどうかは長期運用ポイントになります。将来拡張性見据えて選定することが重要です。

4-3. サポート体制の比較

MDMの安定した運用には、MDM提供会社サポート体制重要になります。導入時初期設定サポートトラブル対応など、サポート内容範囲契約前にしっかり確認しておきましょう。MDMには主にSaaS型とオンプレミス型、2つの提供形態があります。SaaS型は、インターネット上のクラウドサービスとして利用する方式です。初期費用を抑えられ、システム更新作業自動で行われるため、IT担当者負担が軽くなります。オンプレミス型は自社サーバー内にシステム構築する方式で、セキュリティ要件が厳しい企業や、独自機能追加必要場合に適しています。どちらを選ぶにしても、導入から運用までサポートを受けられる体制が整っているかを重視して選択しましょう。

5.MDMの導入を成功させるポイント

MDM導入成功させるためには、次の3点が重要です。

  • 導入前準備
  • 運用ルール明確化
  • 社員への説明同意

これらを事前に整えることで、スムーズ運用実現します。

5-1. 導入前の準備

MDMを導入する前に、社内使用されている端末現状把握必要です。スマートフォンタブレットノートパソコンなどの種類別台数正確に調べ、どの端末をMDMで管理するかを決めておきましょう。必要ライセンス数が正確に分かり、無駄のない予算設計ができるようになります。続いて導入目的関係部署全体共有しましょう。情報漏えいの防止担当者負荷軽減安全テレワーク環境構築など、具体的理由を伝えることで、各部署からの協力を得やすくなります。さらに、現在直面している問題点文書化しておけば、MDM導入後効果数値測定でき、投資対効果客観的評価することが可能です。

5-2. 運用ルールの明確化

MDMを導入後は、端末使用方法について明確ルールを設けておきましょう。例えば、私用アプリダウンロード禁止業務時間外利用許可制といった具体的基準を設けることで、社員が迷わずに端末使用できるようになります。特に重要なのが、端末紛失盗難場合です。誰にいつまでに連絡し、どのような手続きを行うかを詳細に定めておく必要があります。この対応フロー整備されていることで、情報漏えいのリスク最小限に抑えられます。定期的研修実施するなど、これらのルール全社員周知することを図りましょう。全員が同じ理解のもとで運用することが、MDMの効果最大化する重要ポイントとなります。

5-3. 社員への説明と同意

MDMの導入には、社員理解協力が欠かせません。情報セキュリティ対策必要性情報漏えいが発生した場合深刻被害について、身近事例を用いて分かりやすく説明することで、導入目的への共感を得やすくなるでしょう。個人所有端末業務活用するBYODでは、特に慎重配慮が求められます。社員のなかにはプライベートまで監視される不安を抱えることもあります。しかし、MDMの管理範囲業務関連データアプリ限定で、個人領域には全く干渉しない仕組みであることを説明する必要があります。プライバシー保護への取り組みを明確に示すことで、社員信頼を築き、スムーズ導入環境を整えられます。

6.まとめ

MDMは、企業スマートフォンタブレットなどを安全管理運用するための重要仕組みです。セキュリティ強化複数端末効率的管理業務生産性アップなど、さまざまな効果期待できます。テレワーク個人端末業務利用増加した現在社外でのモバイル端末使用に伴うリスク増大しています。こうした状況において、MDMは企業情報資産を守るために欠かせない対策手段となっています。導入には、事前現状把握セキュリティルール明確化十分説明理解促進重要です。これらの準備丁寧に行うことで、快適モバイルワーク環境実現可能になります。

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