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MaaS (マース) とは?仕組み・事例から課題まで解説

MaaS (マース) とは?仕組み・事例から課題まで解説

2026 3/26
MaaS (Mobility as a Service)とは、電車・バス・タクシー・シェアサイクルなどの移動手段を、ひとまとめにして使えるサービスのことです。スマートフォンなどで、目的地の検索から予約、支払いまでを一度に行えるのが特徴です。
本記事では、MaaSの基本的な考え方、これまでの交通サービスとの違い、導入によるメリットと課題、海外での取り組み事例などを通して、今後、移動がどう変わっていくのかといったポイントを整理し、移動の未来を身近に感じられるように分かりやすく解説していきます。

※ 記事制作時の情報です。

1.MaaSとは何か?

MaaSとは、電車・バス・タクシーなど複数交通手段を一つにまとめて使える仕組みです。利用者は、移動方法検索から予約支払いまでを一つのアプリサイト簡単に行えます。これまでのように交通手段ごとに個別利用するのではなく、必要なときに最適移動手段を組み合わせて使うのが特徴です。

その結果移動手段は「乗るもの」から「サービスとして使うもの」へと変わり、より便利で分かりやすい移動環境実現します。

MaaSとは何か?のイメージ画像

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1-1. MaaSの仕組み

MaaSは、交通サービス統合度に応じてレベル0からレベル4までの段階に分けて考えられます。初期段階では情報提供にとどまりますが、検索予約決済へと機能が広がり、最終的には定額制を含む完全統合型サービス進化していきます。

レベル 内容
0 時刻表や路線などの情報提供
1 複数交通手段の経路検索
2 予約機能の統合
3 決済までを一元化
4 定額制など完全統合型サービス

この仕組みを支えるのが、交通データをまとめる情報統合条件に合った移動手段を探す検索利用枠確保する予約支払いを一本化する決済の4つの機能です。

これらが連動することで、移動必要手続きが一画面完結し、複数サービスを行き来する手間から解放されます。

1-2. 従来の交通サービスとの違い

従来交通サービスは、電車鉄道会社アプリタクシー配車アプリ決済は別サービスというように、利用のたびに操作を切り替える必要がありました。MaaSは検索から予約支払いまでを一つの画面完結できる点が特徴です。

例えば「自宅から目的地まで最短移動」と入力するだけで、電車バスタクシーを組み合わせた最適ルートが示され、そのまま予約決済まで進められます。移動準備手間が減り、時間有効に使える流れへと変わります。

従来型 MaaS
利用方法 交通手段ごとに個別 ワンストップで統合
予約・決済 それぞれ別操作 一括で完結
利便性 手間がかかる スムーズに利用可能

2.MaaSの導入によるメリット

MaaSの導入により、移動環境は次の3つの点で改善されます。

  • 移動効率化検索から決済までを一括で行え、移動準備時間短縮されます。
  • 交通渋滞緩和公共交通利用が進み、車の集中を抑えやすくなります。
  • 地域活性化への貢献:人の移動活発になり、観光商業利用促進につながります。

2-1. 移動の効率化


移動の効率化のイメージ画像

MaaSでは、複数サービスを行き来せずに移動手配が整い、準備にかかる時間を大きく短縮できます。必要操作整理されることで判断に迷う場面が減り、移動前後負担が軽くなる点も利点です。移動に伴う手続きがシンプルになることで、限られた時間本来業務に充てやすくなります。

2-2. 交通渋滞の緩和

MaaSによって公共交通利用が進むと、移動手段自家用車に偏る状態改善され、道路混雑緩和可能です。通勤鉄道バスシェアモビリティへの転換が進んで、自家用車利用が1割減るだけでも、主要幹線道路平均走行速度が数km向上するといわれています。

さらに、車の走行距離減少することで環境負荷軽減もできます。一般的に、乗用車1台が1km走行すると約120gのCO2を排出する (注1) とされており、年間1,000km分の走行が減れば、約120kgの削減につながります。渋滞緩和同時に、こうしたCO2排出量抑制が進む点も、MaaSがもたらす重要効果です。

2-3. 地域活性化への貢献

MaaSは、高齢者観光客など、移動不安を感じやすい人の外出を支えることで、地域全体活性化にもつながります。バスタクシーシェアモビリティを組み合わせた移動手段が一つの画面で分かるようになれば、車を運転しない人でも安心して移動できる環境が整います。

観光地では、駅から観光スポットまでの移動が分かりやすくなり、周遊しやすい仕組みが生まれました。こうした流れにより、商店街観光施設への来訪者が増え、消費拡大にも結び付きます。移動ハードルが下がることで人の流れが生まれ、地域経済を支える循環が広がっていく点が大きな特徴です。

3.MaaS導入の課題

MaaSの普及にあたっては、次の3つの課題指摘されています。

  • 導入コスト負担システム構築運用一定費用がかかります。
  • データセキュリティ課題個人情報移動データ安全に守る体制必要です。
  • 既存産業への影響従来交通事業者には事業見直しや連携が求められます。

3-1. 導入コストの負担

MaaSの実現には、複数交通事業者システムをつなぐための基盤づくりが欠かせず、その段階でまとまった初期費用発生します。経路検索予約決済一体化する仕組みの開発には専門的技術必要であり、サーバー環境整備セキュリティ対策も含めた投資が求められます。

運用が始まった後も、システム保守機能追加トラブル対応といった継続的コスト発生し、利用者が増えれば処理能力拡張必要となり、さらなる費用がかかる場面も出てきます。こうした負担をどう分担し、長期的運営を続けられる体制を整えるかが重要ポイントです。

3-2. データセキュリティの課題

MaaSでは、位置情報利用履歴決済情報など多くの個人データが扱われるため、情報安全管理重要課題になります。万一システム不具合不正アクセスが生じれば、サービス停止だけでなく、利用者プライバシー影響が及ぶ可能性もあるため、通信暗号化アクセス制御定期的脆弱性チェックなどの対策が欠かせません。

また、障害発生時にもサービス継続できるよう、システム二重化バックアップ体制を整えることが求められます。安全性安定性両立させる運用体制を築くことが、利用者信頼を支える土台となります。

3-3. 既存産業への影響

MaaSの普及は、鉄道会社バス事業者タクシー会社など従来交通事業者に対し、事業の在り方そのものの見直しを求めています。これまで各社路線車両ごとにサービス提供してきましたが、今後はほかの交通手段やIT事業者データ予約決済連携させ、一つのサービスとして価値提供する形への転換必要になります。

しかし、運賃体系収益配分社内システム刷新には時間投資が伴い、従来ビジネスモデルからの移行容易ではありません。こうした変革が進む中で、企業間連携強化統合が進み、業界再編が起こる可能性もあります。競争協調同時に進む環境への適応が、今後成長左右する重要課題といえるでしょう。

4.MaaS事例【海外】

 ヨーロッパでは、MaaSの先進事例各国で広がっています。

  • フィンランド月額定額複数交通手段利用できる統合サービス
  • ドイツ公共交通シェアサービスを一つのアプリでまとめた都市型MaaS
  • スイス乗車から決済までを自動化したAI活用型サービス
MaaS事例【海外】のイメージ画像

4-1. フィンランドのWhim

フィンランド首都ヘルシンキ展開されている「Whim (ウィム)」は、月額定額制特徴とするMaaSの代表的事例です。地下鉄バスタクシーシェアサイクルなど複数移動手段を一つのアプリ検索予約決済まで完結でき、利用回数に応じて追加料金を気にせず移動できるプラン用意されています。

これにより、車を所有せずに生活する選択肢現実的なものとなりました。Whimはレベル3のMaaSに位置づけられ、決済までを含む統合サービス実現しています。サービス開始以降利用者数着実増加し、公共交通民間モビリティを組み合わせた移動スタイル都市生活定着しつつあります。

  • 注2) KDDIによる調査 (2026年3月時点)

4-2. ドイツの取り組み

ドイツでは、鉄道会社アプリ「DB Navigator」と、ベルリン市が支援する統合型MaaSアプリ「Jelbi」を中心に、公共交通多様モビリティ一体化する取り組みが進められています。地下鉄バストラムといった公共交通に加え、シェアサイクル電動キックスクーターカーシェアなど約12種類移動手段を一つのアプリ検索予約決済まで行える点が特徴です。

ベルリン市は都市交通政策一環としてこの連携後押ししており、交通手段選択肢を広げることで自家用車依存低減目指してきました。都市全体モビリティ統合する仕組みが整うことで、移動自由度利便性同時に高まる環境が形づくられています。

  • 注3) KDDIによる調査 (2026年3月時点)

4-3. スイスの成功例

スイスでは、国鉄提供するアプリ「SBB Mobile」に搭載された自動発券システム「EasyRide」機能が、MaaSの実用的モデルとして注目されています。利用者アプリ上で乗車開始終了操作するだけで、GPSにより移動経路自動記録され、最適運賃がAIによって計算されます。電車バストラムなど複数交通機関を乗り継いだ場合でも、個別切符購入する必要はありません。

移動後にまとめて精算される仕組みのため、料金計算手間が省け、乗り換えもスムーズになります。こうした位置情報とAIを組み合わせた自動課金仕組みにより、移動体験簡素化正確料金処理両立実現しました。

  • 注4) KDDIによる調査 (2026年3月時点)

5.MaaSの今後について

2026年以降、MaaSは次の3つの方向発展していきます。

  • 自動運転技術無人車両との連携による移動サービス拡充
  • AI技術活用需要予測配車最適化による効率向上
  • スマートシティでの役割都市インフラ連動した新サービス創出

5-1. 自動運転技術

MaaSは自動運転技術と結び付くことで、移動サービス可能性を大きく広げるものです。無人車両がMaaSの配車システム連携すれば、需要に応じて車両自動手配でき、24時間体制での運行現実的になります。深夜早朝でも移動手段確保しやすくなり、ドライバー不足課題となる地域にとって心強い支えとなるでしょう。

また、公共交通が限られるエリアでは、無人シャトルが駅や病院を結ぶ役割を担い、移動空白を埋める存在になります。自動運転とMaaSの統合は、利便性持続性両立させる新しい交通基盤として期待されています。

5-2. AI技術の活用

MaaSでは、AIを用いたビッグデータ解析により、移動需要先読みした運行最適化が進みます。過去利用履歴天候イベント情報などを組み合わせて分析することで、混雑する時間帯エリア予測し、車両人員事前配置できる仕組みです。その結果、待ち時間短縮空車削減につながり、利用者にとっては使いやすい環境が整います。

リアルタイム需要変化に応じて配車ルート自動調整されるため、無駄の少ない運行可能になります。こうしたAI活用は、効率利便性同時に高める基盤として、MaaSの中核を担う存在です。

5-3. スマートシティでの役割

MaaSは、都市インフラ連動することで、スマートシティ中核的サービスとして位置づけられる存在です。交通データ医療行政エネルギー管理システム共有されることで、通院支援高齢者見守り、災害時避難誘導など、移動を軸にした新しい公共サービス展開されます。

具体的には、病院予約状況連動して最適移動手段自動手配や、行政手続きの来庁時間に合わせて交通案内提供される仕組みも検討中です。さらに、電力需要再生可能エネルギー状況連携し、電動車両充電計画最適化する取り組みも進んでいます。

6.まとめ

MaaSは、移動効率化渋滞緩和地方活性化といった効果期待されている取り組みです。特に公共交通利用者減少する地域高齢化が進むエリアでは、新たな移動手段としての役割注目されています。一方で、導入コスト個人情報を扱うセキュリティ対策既存交通事業者との連携には課題も残ります。海外では定額制サービスやAIによる最適ルート提案都市インフラ連動した取り組みが進み、実用化が進んだ事例も増えました。2026年以降日本でも自動運転スマートシティとの連携が進み、移動はさらに柔軟身近サービスへと広がると考えられています。

MaaS (Mobility as a Service) の実現に、IoTは欠かせない技術です。

KDDIではIoTデバイス選定からシステム開発運用保守までトータルサポートする「KDDI IoTアクセス」を提供します。

コネクテッドカー実現交通データリアルタイム連携といったモビリティ進化サービス付加価値向上、そして新たなビジネス創出に、KDDIのIoTサービスをぜひご活用ください。

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