2026年7月1日から3日にかけて、東京ビッグサイトで「第38回 ものづくりワールド 東京」が開催された。KDDIブースでは、製造業のDX推進とAI活用をテーマに、IoT、クラウド、生成AIなどを活用したソリューションを紹介した。現場データの活用からAI開発、業務効率化まで、製造業の競争力強化につながる具体的な活用イメージを、展示やデモを通じて確認できる内容となっていた。
本レポートでは、同ブースで紹介された主な展示内容とともに、当日の会場の様子を紹介する。
まず紹介されていたのが、グローバルIoT基盤「iSphere」だ。「グローバルIoTを、シンプルに」というメッセージのもと、1つのSIMで各国の最適な通信へ切り替えられる仕組みや、世界中のデバイスとネットワークを一画面で可視化・統合管理できるデモが紹介された。すでにコネクティッド回線数6,000万回線 (注1) の運用実績を持つ点も交え、グローバル展開を進める製造業にとって、通信環境を安定的に支える基盤であることが伝えられていた。加えて、Soracom-KDDIはKDDIとソラコム(外部サイトへ遷移します) が提供するIoTコネクティビティサービスにおいて、Gartner(R) の Magic Quadrant (TM) for Managed IoT Connectivity Services, Worldwideでリーダーの一社として評価 (注2) されている。こうした評価も背景に、グローバルに製造設備を展開する企業が安定した通信環境を確保するうえで、有力な選択肢となる価値が伝えられていた。
製造現場に特化した生成AI「ELYZA Works with KDDI」の展示では、「ノープロンプトで直感的に使える」操作性が紹介された。プログラミングなどの専門知識がなくても、日本語でAIと対話しながら、自社業務に合わせた「業務効率化アプリ」を作成できる点が特長だ。展示では、システム移行業務やインシデント報告書の作成を効率化するデモも実演された。IT部門に依存せず、現場の担当者自身が日々の業務課題に応じてアプリを作成・活用できるため、作業負荷の軽減や業務スピードの向上につながる。生成AIを単なる情報検索や文章作成のツールにとどめず、製造現場の具体的な業務改善に結びつける。そうした実用性を来場者が体感できる展示となっていた。
会場中央で製造業の設計者や技術担当者の関心を集めていたのが、「KDDI GPU Cloud」だ。国内データセンターで提供されるGPU基盤として、重要な設計データや生産データを海外へ持ち出すことなく利用できる点を特長としている。展示では、自動運転やロボット制御、デジタルツインシミュレーション、ロボット基盤モデル開発といった高度なAI処理への活用例が紹介された。最新GPU「NVIDIA GB200」を活用した高い計算性能に加え、既存クラウドとの連携による拡張性も備え、いまの環境に合わせて使うことができるAI開発基盤として、存在感を示していた。大容量かつ機密性の高い設計・シミュレーションデータを扱う製造業にとって、国内にデータを置いたまま高度なAI開発に取り組める環境を利用できる点が、来場者の関心を集めていた。
マルチクラウド対応のプロフェッショナルであるKDDIアイレット(外部サイトへ遷移します) の展示では、工場DXの具体的な活用イメージが紹介された。設備トラブルへの対応、現場データの活用、ベテラン従業員のノウハウ継承といった現場課題に対し、クラウドとAIを組み合わせたソリューションを提案。AWSをはじめとする主要クラウドへの対応力を生かし、工場DXに必要なクラウド基盤の設計・構築・運用まで支援できる点も紹介された。特に注目を集めていたのが、産業用ロボットの稼働データをクラウドへリアルタイムに収集し、ダッシュボードで可視化するデモだ。異常発生時にはエラー前後の映像を自動で保存する仕組みも紹介され、データ活用による生産性・品質の向上と迅速な原因究明につながる取り組みとして紹介されていた。さらにブース内ではミニチュア工場のデモ機が展示され、IoTやAIが製造現場でどのように活用されるのかを直感的に理解できる内容となっていた。
展示を通じて見えてきたのは、単一の製品やサービスにとどまらず、データ活用からAI活用までを一貫して支援する取り組みだ。製造業を取り巻く環境が大きく変化する中、現場の効率化や競争力向上を後押しする具体的な活用イメージを来場者に示す展示となっていた。
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