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IVRとは?電話・自動音声応答の仕組みやタイプを解説

IVRとは?電話・自動音声応答の仕組みやタイプを解説

2026 3/11
IVR (Interactive Voice Response) とは、音声自動応答システムのことで、電話がかかってきた際に音声案内と番号操作によって用件ごとに問い合わせを振り分ける仕組みです。オペレーターが対応しなくても、発信者を適切な窓口へ案内できるため、業務の効率化や人手不足の解消に役立ちます。近年ではクラウド型のIVRが普及し、初期費用を抑えて導入できるようになりました。そのため、以前よりも多くの企業が導入しやすい環境が整っています。本記事では、IVRの基本的な仕組みや種類をはじめ、メリット・デメリット、具体的な活用例まで、専門知識がなくても理解できるよう、順を追って解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.IVRとは何か?

IVRとは、電話にかかってきた問い合わせを、音声案内番号操作自動的に振り分ける仕組みです。利用者案内に従って番号を押すだけで、用件に合った部署窓口につながります。オペレーター対応しなくても一次対応ができるため、電話業務効率化役立ちます。

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IVRとは何か?のイメージ画像

1-1. IVRの仕組み

IVRでは、着信時音声案内が流れ、利用者案内に沿って用件選択します。

番号操作によって入力された内容システムで受け取られ、事前設定された振り分けルールに基づいて処理されます。その結果通話担当部署自動応答自動的に切り替えられ、用件に適した窓口接続される仕組みです。これにより、待ち時間短縮対応業務効率化期待できます。

電話着信
   ↓
音声案内再生 (用件選択案内)
   ↓
利用者番号入力
   ↓
入力内容判定
   ↓
担当部署 または 自動応答へ振り分け
   ↓
用件に合った窓口接続

1-2. ボイスボットとの違い

IVRは、音声案内に従って番号を押す方式主流で、あらかじめ決められた分岐ルールに沿って通話を振り分けます。メニュー固定されているため誤作動が起きにくく、定型的案内や振り分けに適した仕組みです。

一方ボイスボット音声認識によって話し言葉理解し、質問に応じて会話形式応答します。自由質問対応しやすい反面周囲騒音などの影響認識精度が下がる場合があります。

IVR ボイスボット
操作方法 キー入力 (プッシュ) 音声で話す
技術 DTMF (電話の番号信号) 音声認識と対話AI
向いている用途 定型案内・振り分け 自由な質問対応・対話案内
  • 電話ボタンを押したときに送られる音の信号のことで、番号機械正確に伝えるための仕組みです。

2.IVRの種類について

IVRには大きく分けて次の2つのタイプがあります。

  • オンプレミス型:自社内設備設置して構築する方式
  • クラウド型:インターネット経由サービス利用する方式

2-1. オンプレミス型

オンプレミス型は自社内サーバー電話設備設置し、その上にIVRシステム構築する方式です。初期費用として機器購入設置工事システム構築コスト発生しますが、運用自社で細かく管理できる点が特長といえます。音声案内内容や振り分けルール自由設計でき、セキュリティ要件が厳しい業界でも対応しやすい環境です。

ただし、機器保守障害対応を行う担当者必要となり、運用体制確保が欠かせません。大規模コールセンターや、金融機関公共機関など安定性統制重視する組織に向いている方式です。

2-2. クラウド型

クラウド型は、インターネットを通じて提供されるIVRサービス利用する方式です。自社サーバーを持つ必要がなく、月額料金利用できるため、初期費用を抑えて導入しやすい点が大きなメリットといえます。設定管理画面から実行でき、音声案内変更や振り分けルール調整比較的簡単に行えます。導入期間も短く、数日から数週間利用開始できるケースが多い点も特徴です。

中小企業では、代表電話自動振り分けや営業時間外案内活用される例が増えています。設備保守サービス提供側が担うため、専門担当者を置かずに運用できる点も安心材料となります。

3.IVRの導入メリット

IVRを導入することで、電話対応負担軽減サービス品質向上期待できます。主なメリットは次の4つです。

  • 運用負荷軽減
  • 24時間対応
  • コスト削減
  • 対応品質均一化

3-1. 運用負荷の軽減

IVRを導入すると、簡単な問い合わせ対応担当部署への振り分けを自動化できるため、オペレーター対応件数を減らせます。

例えば、ある医療機関では、問い合わせ全体の多くが「予約」や「受付時間確認」といった定型的内容でした。これらをIVRによる自動応答予約システムへの自動誘導に切り替えた結果電話対応による業務中断大幅解消され、スタッフ窓口での患者さま対応専念できる環境が整いました。

その結果オペレーターは人による対応必要相談トラブル対応集中できるようになり、業務全体効率向上につながりました。

3-2. 24時間対応


24時間対応のイメージ画像

IVRを利用すると、営業時間外でも音声案内簡単受付自動で行うことが可能です。小売業では深夜在庫確認店舗案内医療機関では、休診日案内予約受付活用されており、電話がつながらない時間帯でも必要情報を得られる点が安心につながります。夜間休日に問い合わせが多い業界ほど効果実感しやすく、人が対応できない時間でも一定サービス水準を保てることが、顧客満足度を支えます。

3-3. コスト削減

IVRを導入した米国保険会社事例では、入電数が約9%減少し、1件あたりの平均対応時間も約25%短縮されました。その結果有人対応必要稼働時間が大きく減り、年間数百万円規模運用コスト削減効果報告されています。

導入前 導入後
月間入電数 約100,000件 約91,000件 (約9%減)
平均対応時間 約8分 約6分 (約25%短縮)
有人対応工数 約13,300時間/月 約9,100時間/月
年間人件費 (試算) 約1億2,000万円 約1億1,300万円
  • 入電数減少率平均対応時間短縮率は、米国保険会社公開事例をもとにした参考値人件費時給換算によるモデル計算例です。

3-4. 対応品質の均一化

IVRを活用すると、あらかじめ設定した音声案内がすべての利用者に同じ内容で流れるため、対応のばらつきを抑えやすくなります。担当者ごとの説明の違いや案内漏れが起こりにくくなり、常に一定品質情報を伝えられる点が特徴です。

住所変更各種手続きの案内自動化すれば経験の浅い担当者でもベテランと同じ内容正確案内でき、聞き間違いや言い間違いといったミスも減らせるので、結果として利用者にとって分かりやすく安心感のある対応につながります。

4.IVRの導入デメリット

IVRは便利仕組みですが、すべての電話対応に適しているわけではありません。主な注意点として、次の3つが挙げられます。

  • 複雑対応限界
  • 顧客満足度低下リスク
  • 利用者層による使い勝手

4-1. 複雑な対応の限界

IVRは定型的な問い合わせには効果的ですが、内容複雑場合には対応限界があります。音声案内が長すぎたり、選択肢が多すぎたりすると、目的窓口にたどり着くまでに時間がかかり、「結局人と話したほうが早い」と感じられることも少なくありません。

特に、複数要件が重なる問い合わせや、紛失盗難などの緊急事態原因曖昧相談などでは、機械的選択肢では適切誘導が行えません。こうした複雑案件機械的案内を繰り返すことは、顧客満足度低下を招きます。

IVRを過信せず、早期オペレーター転送できる動線確保する設計が、運用最適化の鍵となります。

4-2. 顧客満足度の低下リスク


顧客満足度低下は、IVRを導入するうえで特に注意すべきです。ある調査によると、IVRに対する不満は8割以上ユーザー経験しており、特に「担当者につながるまでに時間がかかる」という声が約半数を占めます。

さらに「機械的ストレスを感じる」「希望する選択肢が見つからない」といった指摘も多く、ユーザーは“時間浪費”と“柔軟性のなさ”に強い不満を抱きやすいことが分かります。こうした課題は、IVRの構造複雑すぎたり、音声案内ユーザー状況に合っていなかったりすることが原因です。

顧客満足度の低下リスクのイメージ画像

IVR導入時には、利用者行動を細かく想定し、分かりやすく最短目的到達できる設計や、ストレスを与えない音声UXの最適化が欠かせません。

4-3. 利用者層による使い勝手

IVRは便利仕組みですが、高齢者機械操作に慣れていない人には使いづらく感じられることがあります。音声が速すぎると内容を聞き取りにくく、選択肢が多いとどれを選べばいいか迷ってしまうからです。そのため、案内は落ち着いた速度で流し、専門用語を避けて分かりやすい言葉統一することが重要です。

メニューもできるだけシンプルにして、操作段階を減らすことで負担を軽くできます。さらに、途中オペレーターに切り替えられる導線用意しておくと、利用者安心感を与えられます。

5.IVRの代表的な利用シーン

IVRは、電話対応のさまざまな場面活用されています。代表的利用シーンは次の3つです。

  • 電話自動振り分け:用件部署ごとに通話自動案内
  • 自動受付予約営業時間外も含めた受付予約対応
  • 一斉案内通知:多くの人へ同時音声情報伝達

5-1. 電話の自動振り分け

IVRを使うと、かかってきた電話用件部署ごとに自動で振り分けられます。例えば「営業は1番、サポートは2番」と案内し、番号入力に応じて担当窓口につなぐ仕組みです。クラウド型のコールセンターでは、この振り分け設定管理画面から簡単変更できます。繁忙期だけ振り分け先を増やすなど、状況に合わせた調整可能です。

また、問い合わせ内容事前整理されるため、オペレーター要件把握したうえで対応しやすくなります。部署間の取り次ぎミスが減り、利用者の待ち時間も短くなる点がメリットです。

5-2. 自動受付・予約

IVRを予約システム連携させると、電話での受付予約自動で行えるようになります。

医療機関では診察予約変更美容院では来店予約や空き時間確認など、音声案内で受け付けるケースが増えている傾向です。利用者ガイダンスに従って番号入力するだけで手続きが完了するため、受付時間を気にせず利用できます。

また、24時間対応可能になることで、電話集中しやすい時間帯混雑を避けられ、スタッフ負担軽減期待できます。

5-3. 一斉案内・通知

IVRは、多くの人に同じ内容一斉に伝える場面でも活用されています。自治体では、災害時避難情報給水所案内自動音声住民発信し、電話集中しても必要情報を届けられる体制が整えられています。

企業でも、システム障害発生連絡営業時間変更のお知らせを一括通知する用途に使われています。

音声で伝えるため、文字が読みにくい人にも内容が届きやすく、緊急時連絡手段として有効です。あらかじめメッセージ登録しておけば、担当者不在時間帯でも案内を流すことができ、安心感のある運用につながります。

6. IVR導入時の確認ポイント

IVRを導入する際は、次の3点を事前整理しておくことが大切です。

  • 料金体系確認初期費用月額費用内訳把握する
  • 必要機能整理自社業務必要機能明確にする
  • 導入期間運用費開始までの期間保守運用コスト確認する

6-1. 料金体系の確認

IVRの導入では、オンプレミス型の場合サーバー電話設備購入費システム構築費初期費用として発生し、その後は保守運用のための費用継続的にかかります。

一方クラウド型は機器を持たずに利用できるため、初期費用を抑えやすく、月額利用料として通話数回線数に応じた料金支払う形が一般的です。

自社利用規模通話量を踏まえ、長期的視点で総コスト比較することが大切です。

オンプレミス型 クラウド型
初期費用 機器購入・構築費が必要 ほぼ不要または少額
月額費用 保守・運用費用 利用回線数・通話量に応じた料金
費用の特徴 初期投資が大きい 月額課金で始めやすい

6-2. 必要な機能の整理

IVR導入時は、次の観点必要機能整理しておくと選定しやすくなります。

共通確認したい項目

  • 音声案内内容管理画面から変更できるか
  • 部署別用件別に振り分け設定ができるか
  • 営業時間外自動案内対応しているか
  • オペレーター転送する選択肢用意できるか

企業規模別推奨機能

  • 小規模企業代表電話自動振り分け、営業時間案内簡単転送機能
  • 中規模企業時間帯別ルーティング予約受付連携通話履歴確認
  • 大規模企業多段階メニュー統計レポート機能、ほかシステムとの連携

業務内容規模に合わせて必要機能見極めることが、無駄のない導入につながります。

6-3. 導入期間と運用費

IVRを導入する際は、利用開始までにかかる期間と、その後の運用費用事前確認しておきましょう。クラウド型の場合回線音声メニュー設定中心となるため、数日数週間運用開始できるケース一般的です。

一方オンプレミス型では機器設置システム構築必要となり、数カ月単位準備期間必要なことがあります。運用面では、月額利用料のほかに、保守サポート費用音声内容変更作業にかかる作業費発生する場合もあるので、導入スケジュール年間運用コストをあらかじめ整理し、長期的無理なく運用できる計画を立てることがポイントです。

7. まとめ

IVRは音声案内番号操作を組み合わせることで電話対応自動化し、業務効率化対応品質安定を支える仕組みです。一次対応や振り分けを自動で行えるため、オペレーター負担軽減や24時間対応コスト見直しにもつながります。

一方で、メニュー構成複雑すぎると利用者の迷いや不満を招くこともあり、設計段階での工夫が欠かせません。

導入時には、システム種類機能費用運用体制総合的確認し、自社業務利用者に合った形を選ぶことが重要です。自社業務に適したシステム基盤を選ぶためには、提供事業者知見活用することで、よりスムーズ検討を進められるでしょう。

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