このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

閉じる
閉じる
RPAとは?仕組みやメリット、ビジネスへの活用法を事例で解説

RPAとは?仕組みやメリット、ビジネスへの活用法を事例で解説

2026 4/21
RPA (Robotic Process Automation) は、日々の定型業務を自動化し、生産性を大きく向上させる有効な手段のことです。人が行っているパソコン操作をソフトウェアロボットが代行することで、作業時間の短縮や人的ミスの防止が期待できます。実際、請求書処理やデータ入力、売上集計などの業務では、処理時間が半分以下になった事例も報告されています。人手不足が課題となる中、業務効率化とコスト最適化を同時に進められる点が大きな魅力です。本記事では、RPAの仕組みや特徴、導入メリット、具体的な活用事例までを順を追ってわかりやすく解説していきます。

※ 記事制作時の情報です。

1.RPAとは何か

RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、日本語では業務自動化技術と訳されます。ここでいうロボットは物理的な機械ではなく、パソコン上で操作を再現するソフトウェアを指します。人が行うクリックや入力といった操作手順を記録し、そのとおりに実行することで、定型業務を自動化できる仕組みです。

関連サービス: RPA導入ソリューション

1-1. RPAの仕組みと動作原理

RPAはあらかじめ作成した操作手順に沿って動作します。担当者が画面操作を設定すると、その内容をロボットが記録し、指定した時間に自動実行できます。例えば基幹システムから売上データを取得し、Excelへ転記して保存する処理も自動化できます。

操作の認識方法には次の方式があります。

技術方式 仕組み 特徴
画像認識 画面の見た目を読み取る レイアウト変更に弱い
座標認識 位置を指定して操作する 単純作業に向いている
オブジェクト認識 項目の情報を識別する 安定性が高い

用途に応じて方式を使い分けることで、実務への適用範囲を広げられます。

1-2. RPAの特徴と機能

RPAは、決められた手順に沿って処理を行う定型業務に特化した仕組みです。あらかじめ設定したルールにしたがって動作するため、判断が一定で、複雑な分析よりも毎日繰り返す事務作業に向いています。人が行うクリックや入力を再現できる点も特徴です。

RPAの特徴と機能のイメージ画像

主な機能は次のとおりです。

  • 24時間365日で自動稼働が可能
  • 人よりも高速な処理スピード
  • 異なるアプリケーション間の横断的操作
  • 作業履歴の記録と後からの確認が可能

こうした機能により、業務効率の向上と安定した運用を両立できるようになります。

2.RPAで可能な業務

RPAは、次のようなパソコン上で繰り返し行う定型業務を中心に自動化できます。

  • データ入力や転記作業
  • 請求書処理や支払確認
  • 売上や在庫の集計
  • メール送信や情報通知
  • 複数システム間のデータ移動

2-1. 定型業務の自動化

定型業務とは、手順が明確で同じ作業を繰り返す業務です。例えば受注データを基幹システムへ転記する作業や、フォルダ内のファイルを日付ごとに仕分ける処理などが該当します。これらをRPAで自動化すれば、作業負担を大きく軽減できます。

仮に1件10分かかる入力を1日30件行う場合、合計で5時間を要しますが、RPAによって1件3分で処理できれば3時間半の削減が可能です。単純作業の時間が減ることで、担当者は分析や顧客対応といった価値の高い業務へ力を注げるようになります。

2-2. データ入力の効率化

請求データの入力やシステム間の転記など、毎回同じ手順を繰り返す事務作業は、RPAが特に効果を発揮する領域です。手作業で起こりがちな入力ミスを防ぎ、精度を向上させる効果も期待できます。

あるハウスメーカー企業では、RPAツールを導入し、定型的な入力やシステム間の処理を自動化した結果、年間で300時間相当の作業負担を削減できたと報告されています。担当者はロボットが処理した結果の最終確認や例外対応といった、より付加価値の高い業務に時間を割けるようになりました。

2-3. レポート作成の簡略化


レポート作成の簡略化のイメージ画像

RPAは、売上集計や在庫レポートのような日次・週次レポートの作成プロセスも自動化できます。ある化粧品販売企業では、終業前に行う当日の売上や在庫の集計・報告作業が、担当者の大きな負担となっていました。この締め処理が原因で残業が常態化していたため、RPAを導入。夜間や早朝にロボットが自動で集計処理を行うようにワークフローを再構築しました。

その結果、従来1人当たり月20~30時間発生していた残業が10~15時間へと半減。担当者は日々の集計作業に追われることなく、翌朝の出社後すぐに、より重要な分析業務や本来の業務から一日を始められるようになりました。

2-4. クロスシステム連携

クロスシステム連携とは、売上・在庫・会計など、企業内の複数システム間でデータを自動的にやり取りし、業務全体をつなげる仕組みです。RPAを活用すれば、これら異なるシステム間のデータ連携をまとめて自動化できます。従来は各画面を行き来して確認・転記していたため担当者の負担が大きく、ミスも発生しやすい作業でした。

RPAなら、売上の取得→在庫照合→会計登録までをあらかじめ設定した手順で一括実行でき、時間とエラーを大幅に削減できます。

なお、API連携はシステム同士を直接接続する方法ですが、開発が必要になる場合があります。一方、RPAは画面操作を再現するため、既存環境を大きく変更せずに連携できる点がメリットです。

3.RPAを導入するメリット

RPAを導入することで、次のようなメリットが挙げられます。

  • 作業時間の大幅削減
  • 人的ミスの防止
  • コスト削減効果
  • 業務手順の標準化

これらの効果により、業務効率と品質の向上を同時に実現し、生産性向上が期待できます。

3-1. 作業時間の大幅削減

RPA導入の直接的なメリットは、作業時間の大幅な削減です。ソフトウェアロボットは24時間365日稼働でき、人よりも高速に処理を実行するため、これまで多くの時間を費やしていた定型業務から担当者を解放します。

あるITサービス企業の導入事例では、これまで担当者が手作業で行っていたデータ入力や照合業務を自動化した結果、入力作業で年間約50時間、チェック業務で約40時間、合計で年間90時間以上もの工数削減を実現しました。削減された時間は企画や改善活動へ充てられ、組織全体の生産性向上に寄与しています。

3-2. 人的ミスの防止

人が手作業で行う場合、どれだけ注意しても桁の打ち間違いや入力漏れといったヒューマンエラーを完全になくすことは困難です。RPAはあらかじめ設定されたシナリオ (手順) 通りに常に100%同じ処理を実行するため、こうした人的ミスを根本的に防止できます。特に請求金額や顧客情報などの重要データを扱う業務において、品質の安定化に大きく貢献します。

RPAを導入した企業の公開事例によると、データ入力におけるヒューマンエラーがほぼなくなり、手戻りや確認作業が大幅に削減されたと報告されています。さらに、すべての処理履歴がログとして記録されるため、万が一の際の監査や原因追跡も容易になり、業務品質の安定化と内部統制の強化にもつながります。

3-3. コスト削減効果


RPAは作業時間の削減に加え、コスト面でも効果を発揮します。例えば年間90時間の業務を削減できた場合、時給2,000円で換算すると約18万円の人件費に相当します。対象業務が広がれば、削減額をさらに大きくすることが可能です。

仮にRPAツールの年間利用料が50万円だったとしても、年間300時間を削減できれば2,000円×300時間で60万円の効果が生まれます。その結果、差し引き10万円のプラスになります。継続して活用すれば、翌年以降はより高い費用対効果が期待できるでしょう。

コスト削減効果のイメージ画像

3-4. 業務の標準化

RPAを導入すると、業務手順が明確になり、処理のばらつきを防げます。ロボットは設定されたシナリオ通りに作業を実行するため、担当者ごとの差が生まれません。これまで個人の経験に依存していた業務も、統一された流れで進められるようになります。

例えば請求データの登録を自動化して、入力順序や確認方法が固定された結果、品質が安定して引き継ぎも円滑に進みます。属人化が解消されれば、担当者が不在でも業務が止まることがないので、組織全体で再現性の高い運用体制を築ける点も大きな利点です。

4.RPAのビジネスでの活用事例

RPAは業界を問わず幅広い分野で活用されており、特に経理や人事といったバックオフィス業務で多くの成果を上げています。ここでは、実際にKDDIがご支援した導入事例を中心に、部門ごとの具体的な活用事例をご紹介します。

  • 経理・財務部門での請求処理や入金確認
  • 人事部門での勤怠集計や給与データ作成
  • 営業部門での売上集計や報告書作成
  • 製造業での在庫管理や受発注処理

4-1. 経理・財務部門での活用

KDDIのRPA導入支援は、日本企業の経理・財務部門で成果を上げています。ある国内会計事務所では、会計システムへの税務申告データ入力を自動化しました。従来は担当者が内容を確認しながら手入力していたため時間と負担がかかっていましたが、ロボットが処理を代行することで作業時間を短縮し、入力ミスの抑制にもつながりました。その結果、担当者はより付加価値の高い業務に注力できるようになっています。

また別の企業では、入金管理や出荷データ処理をRPAで自動化し、月間約31時間の削減を実現しました。人員を増やさずに業務効率を高め、経理部門全体の生産性向上につなげています。

関連記事: お客さま導入事例 立信会計士事務所 (特殊普通合伙) 様

関連記事: お客さま導入事例 島津企業管理 (中国) 有限公司様

4-2. 人事部門での導入例

人事部門でも、KDDIのRPA導入支援により定型業務の効率化が進んでいます。1つ目の事例は、毎月行う勤怠締め処理です。従来は年休や早退などで入退室記録に不備がある社員を手作業で確認していましたが、RPAによって自動化し、約50時間/月の工数削減を実現しました。ロボットによる自動チェックで、担当者の負担も軽減されています。

ほかにも、人事データの転記や入力作業への活用例があります。入社手続きに伴う各種システムへの情報登録や社員データ更新を自動化したことで、作業時間を短縮し、入力ミスも抑えられました。その結果、人事担当者はより戦略的な業務に注力できるようになっています。

  • ※ 外部サイトへ遷移します。

関連サービス: RPA導入ソリューション

5.RPAとAIの違いは何か

RPAとAIは似ているようで役割が異なります。RPAは、あらかじめ決められた手順に沿って作業を自動化する仕組みです。ルールが明確な定型業務に適しており、人のパソコン操作を正確に再現します。一方、AIは大量のデータを学習し、パターンを見つけて判断や予測を行う技術です。画像認識や需要予測など、判断を伴う業務で活用されています。RPAは決められた作業を実行する技術、AIはデータを基に判断する技術と整理できます。

6.【カテゴリ別】RPAツールのおすすめ

RPAツールは大きく「国産」「海外製」「無料版」の3つに分けられます。それぞれ特徴やサポート体制が異なるため、導入目的や規模に応じた選択が重要です。ここでは代表的なカテゴリごとの特徴を紹介します。

6-1. 国産RPAツールの特徴

国産RPAツールは、日本企業の業務に合わせて使いやすく設計されています。代表例の一つがWinActorです。画面上の操作を選びながらシナリオを作成できるため、専門的なプログラミング知識は必要ありません。日本語マニュアルやサポート体制も整っており、初めて導入する企業でも取り組みやすい環境が用意されています。

また、日本独自の帳票様式や業務フローに対応しやすい点も魅力です。現場担当者が自ら設定を行えるため、小規模から始めたい企業にも向いています。国内サポートを重視する場合、有力な選択肢になるでしょう。

6-2. 海外RPAツールの強み

海外製のRPAツールは、高い拡張性と豊富な導入実績を持つ点が魅力です。代表的な製品にはUiPathやBlue Prismがあり、世界各国の企業で活用されています。大規模な業務や複数拠点をまたぐ自動化にも対応できる設計となっており、グローバル展開を進める企業に適しています。

さらに、外部システムとの連携機能が充実していることも特徴です。AIと組み合わせた高度な自動化にも取り組めるため、単純作業にとどまらない業務改革を進められます。全社的な自動化を視野に入れる企業にとって、有力な選択肢になります。

6-3. 無料で始められるツール

RPAを最初から本格導入するのが不安な場合は、無料版から始める方法があります。多くの製品では、学習や検証を目的としたコミュニティ版や体験版を提供しています。例えばUiPathの無償版では、基本的な自動化機能を実際に操作しながら試すことが可能です。

ただし商用利用に制限があったり、サポート範囲が限定されていたりする点には注意が必要になります。まずは小さな業務で効果を確かめ、その結果を基に本格導入を検討する流れが現実的です。段階的に進められる点が、無料版の大きなメリットといえます。

7.RPAを導入する際の注意点

RPAは効果的なツールですが、導入方法を誤ると十分な成果が得られません。

  • 自動化に適した業務を選定する
  • 運用・保守体制を整備する
  • 現場と連携しながら段階的に進める
  • 効果測定を行い改善を続ける

これらのポイントを意識することで失敗を避けましょう。

7-1. 適した業務の選定

RPAを効果的に活用するには、まず自動化に適した業務を選ぶことが重要です。やみくもに対象を広げても、期待した成果は得られません。判断のポイントとなるのは「手順の明確さ」「発生頻度」「業務量」です。

手順が決まっていて例外対応が少ない業務は、ロボットが処理をし、日次や月次で繰り返し発生する作業は、削減効果が積み上がりやすくなります。さらに、1件当たりの作業時間が短くても、件数が多ければ全体の工数削減につながります。

評価項目 確認内容
手順の明確さ 作業フローが整理されているか
発生頻度 定期的に繰り返されているか
業務量 件数や処理時間が多いか
影響度 ミス発生時の影響が大きいか

これらを整理したうえで優先順位を決めることで、費用対効果の高い導入が可能になります。

7-2. 運用体制の整備

RPAを安定して動かし続けるには、誰が・いつ・どう修正するかという運用ルールの策定が欠かせません。まずはシナリオの設計書を共通化し、変更の履歴を正確に残す仕組みを作りましょう。また、システム改修や業務手順の変更に備え、現場とIT部門が情報を素早く共有できるメンテナンス体制を整えることも重要です。

特に、特定の担当者に依存すると内容が不透明になりやすいため、複数人で管理できる環境を準備してください。あらかじめトラブル時の復旧手順を明確に定めておくことが、運用の属人化を防ぎ、長期的な自動化を成功させるための大きなポイントとなります。

8.まとめ

RPAはルーチンワークを自動化し、業務効率化とミス撲滅を同時に叶える仕組みです。データ入力や集計など活用範囲は広く、人手不足の解消策としても注目されています。導入現場では作業時間の短縮や品質安定といった確かな成果が出ています。成功の鍵は、適した業務の厳選と運用ルールの明確化です。まずは身近な小規模タスクから始め、段階的に広げるのがコツです。この丁寧なアプローチが、現場へのスムーズな定着と確実な成果への近道となります。

RPAの導入ならKDDIにご相談ください

RPAを効果的に導入するには、自社の業務内容に合ったツール選びと運用方法の設計が欠かせません。KDDIの「RPA導入ソリューション」では、導入前の業務分析をはじめ、ツールの選定、環境構築、運用開始後の支援までをトータルでサポートしています。業務の課題や改善ポイントを整理したうえで、自動化に適した領域を見極められるため、段階的かつ無理のない導入が可能です。さらに、セキュリティ対策やクラウドサービスとの連携にも対応しており、安心してRPAを活用できる運用環境を構築できます。

関連記事


ピックアップ