このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

閉じる
閉じる
EDRとは?機能や効果、EPPとの違いを解説

EDRとは?機能や効果、EPPとの違いを解説

2026 4/7
端末で不審な動きが起きても、従来のウィルス対策ソフトだけでは原因を追えず、不安になることはありませんか。
テレワークやクラウド利用が広がり、境界だけの守りでは見落としが増えています。端末を起点にした侵入をいち早く捉える視点が欠かせません。
EDRは端末の挙動を記録し、侵入の兆候を追跡するセキュリティソリューションです。本記事ではEDRの仕組み、EPPとの違い、主要機能、導入メリット、選び方を解説します。あわせて、運用負荷を抑える導入の進め方も紹介します。

※ 記事制作時の情報です。

1.EDRとは何か

EDR (Endpoint Detection and Response) とは、ネットワーク接続されたPCやサーバースマートフォンなどの端末 (エンドポイント) を常時監視し、脅威検知記録して調査対処につなげるエンドポイントセキュリティです。

似た言葉にEPP (Endpoint Protection Platform) がありますが、こちらは従来アンチウィルスソフト代表されるもので、脅威エンドポイント侵入することを未然に防ぐ「予防」の役割を担います。

これに対し、EDRが担うのは「侵入後」の対策です。EPPによる予防をすり抜けてしまった未知脅威巧妙攻撃をいち早く発見し、被害拡大する前に対処することを目的としています。

つまり、EPPが「侵入前防御」、EDRが「侵入後検知対応」と、防御タイミングが異なるのが大きな違いです。EPPが防ぎきれなかった攻撃をEDRが検知対処するという関係にあり、両者を組み合わせることで、より強固エンドポイント防御実現できます。

関連サービス: マネージド ゼロトラスト

1-1. EDRの仕組みについて

EDRは、各端末エージェントソフト導入し、端末内挙動継続的監視します。監視対象は、プロセス起動終了ファイル作成改変レジストリ変更外部通信ログイン試行などです。

収集されたログ管理サーバークラウドに送られ、時系列紐付けて分析されます。単発イベントではなく、前後操作通信のつながりから不審点を見つけるのが基本で、製品によっては挙動分析機械学習を用います。

異常確認された場合は、どの端末で何が起こったかをタイムラインで追い、関連する操作通信先確認して原因を切り分けます。加えて、端末隔離プロセス停止ファイル隔離など、状況に応じた対処まで実行できる製品もあります。

1-2. 従来のウィルス対策ソフトとの違い

従来ウィルス対策ソフトは、既知マルウェア検知して侵入を防ぐ「事前防御」に重きを置いています。定義ファイル判定ルールに基づき、怪しいファイルブロックするのが主な仕組みです。

一方、EDRは侵入完全に防ぐことを前提とせず、端末内挙動記録し、侵入後挙動追跡して原因特定する「事後対策」に強みがあります。未知攻撃ファイルレスマルウェアにも対応でき、調査・封じ込め・復旧一体支援できる点が根本的な違いです。

2.EDRが注目される背景とは

EDRが重要視される背景には、従来型対策だけでは防ぎきれない脅威増加があります。EDRが注目される主な理由は、次の3点です。

  • サイバー攻撃高度化巧妙化
  • エンドポイントを狙った攻撃増加
  • 境界型セキュリティ限界

2-1. サイバー攻撃の高度化・巧妙化


近年サイバー攻撃は、メール経由感染のみならず、正規アカウント悪用脆弱性を突くなど、従来シグネチャ検知回避する手法主流です。さらに標的型攻撃では、侵入後長期間潜伏し、ネットワーク内を横展開して情報窃取暗号化を進めるケース目立ちます。

こうした未知マルウェアは、事前防御だけでは検知が難しく、侵入後挙動監視迅速対応を行うEDRの必要性が高まっています。

サイバー攻撃の高度化・巧妙化のイメージ画像

2-2. エンドポイントを狙った攻撃の増加

テレワーククラウド利用が広がり、端末社内外から業務環境接続する入口になりました。攻撃者はこの変化を突き、メール添付や偽サイト脆弱性悪用などを通じて端末侵入し、権限昇格横展開を経て被害拡大させます。

特にランサムウェアは、端末侵入起点社内ネットワーク拡散させる例が多く、暗号化窃取した情報公開をちらつかせる手口もあり、被害長期化深刻化しがちです。端末兆候早期に捉え、隔離と封じ込めにつなげるための監視強化不可欠となっています。

2-3. 境界型セキュリティの限界

従来社内ネットワーク境界防御する「境界型セキュリティ」が主流でしたが、テレワーククラウド利用拡大により、その前提が崩れつつあります。テレワークやSaaS利用が増えると端末直接クラウドへつながり、通信社内入口を通らない場面も増えます。結果として、境界だけを固めても監視の目が届かない経路が生まれます。

そのため、社内外を問わずすべてのアクセス信頼しないゼロトラストの考え方が重視されるようになりました。アクセスのたびに端末状態利用者権限確認し、権限に応じて細かく許可制御異常があれば即時遮断します。境界依存防御から脱却し、端末起点不審兆候までを可視化対応できる体制構築が求められています。

3.EDRの主要機能

EDRは、エンドポイント起点とした脅威検知対応するため、複数機能統合的に備えています。主な機能は次の4つです。

  • リアルタイム監視
  • 脅威検知分析
  • 自動対応
  • フォレンジック調査

3-1. リアルタイム監視

リアルタイム監視のイメージ画像

リアルタイム監視は、PCやサーバーなどの端末で起きる挙動を24時間365日リアルタイム見張機能です。端末に入れたエージェントが、プロセスファイル操作外部通信といったイベント情報 (ログ) を記録し、収集したログデータ管理サーバークラウドへ送ります。

収集対象となるログは、プロセス起動終了実行ファイル情報ファイル作成改変レジストリ変更ユーザーログイン履歴権限変更外部への通信先 (IPやドメイン)、USB接続などが代表例です。

これらを時系列紐付けると「いつ」「どの端末で」「何が起こったか」の正確追跡可能です。単発事象では気づきにくい連続した不審挙動可視化され、調査と封じ込めの判断材料となります。

3-2. 脅威検知と分析

収集したログから不審挙動を見つけ、危険度判定する機能です。既知攻撃パターン不正ツール特徴に合うものは、パターンマッチングやあらかじめ定義されたルールによって検知されます。

一方未知手口に対しては「普段と違う振る舞い」を手がかりに検出を試みます。例えば、短時間での権限変更普段使わない通信先への接続連続したプロセス起動などを、機械学習や振る舞い分析によって異常として拾い上げる手法です。

脅威検知するとアラート生成され、管理コンソール通知されます。通知内容には、該当端末時刻検知理由関連ログ推奨される対応策が含まれるのが一般的です。通知ダッシュボード表示のほか、メールSIEM (ログ情報一元的に集めて分析する仕組み) 連携などでも即時共有されます。これにより、重大度に応じた優先順位付けと迅速確認を行えます。

3-3. 自動対応

脅威検知した直後にEDRが自動端末隔離し、被害拡大を止める機能です。危険度が高い場合感染端末ネットワーク隔離悪意あるプロセス強制停止不正ファイル削除レジストリ修復などを自動実行します。

ルールに沿ってネットワーク通信制限し、管理サーバーへの接続だけを残す設定可能です。

自動対応のイメージ画像

さらに、管理者遠隔操作端末指定し、隔離ログ確認追加停止隔離実施ユーザーサインイン制限も行えます。対応前後ログ保存され、他端末への波及有無点検したうえで復旧判断につなげます。

3-4. フォレンジック調査

フォレンジック調査は、インシデント発生時端末証跡時系列で追い、原因影響を明らかにする機能です。アラート発生前後実行されたプロセス作成改変されたファイル権限変更外部通信先などをタイムライン形式確認できます。

侵入経路特定する際は、最初不審挙動が出た端末時刻起点調査を進めます。例えば、メール添付実行、偽サイトからのダウンロード正規ツール悪用といった痕跡有無を、記録されたログから突き止める手法です。

影響範囲調査では、同じ通信先への接続履歴同一ツール実行状況権限昇格連鎖など共通点を手がかりに、他端末への広がりを探します。疑いのある端末追加隔離し、関係アカウント点検します。

4.EDRの導入メリット

EDRを入れると、端末発生した兆候を追えるようになり、初動対応再発防止策検討スムーズ進行します。主な導入メリットは次の3点です。

  • 被害拡大防止
  • 迅速脅威対応
  • ファイルレスマルウェアへの対応

4-1. 被害拡大の防止

EDRは端末挙動常時監視し、不審通信プロセス実行迅速検知します。兆候を捉えた段階管理者管理画面から対象端末隔離できるため、社内への横展開情報流出に至る前に被害防止できます。

管理者は、管理画面から遠隔隔離実行し、端末ネットワークから切り離して外部通信社内共有へのアクセス制限します。担当者現地に赴くのが難しい状況でも初動を進められるため、対応開始までの空白時間最小化されることが大きな利点です。

4-2. 迅速な脅威対応

アラート発生時、どの端末で何が起こったかを時系列で追えるEDRの特性は、影響範囲早期特定寄与します。プロセス起動ファイル操作権限変更通信先などをタイムライン確認し、侵入の流れを把握することが可能です。

この追跡結果をもとに、管理者関係端末隔離該当プロセス停止、同じ兆候横展開確認までを短い手順で進められます。調査手戻りが減り、初動対応復旧判断迅速化期待できるでしょう。

4-3. ファイルレスマルウェアへの対応

ファイルレスマルウェアは、端末実行ファイルを残さず、メモリー上での動作スクリプトによる処理を行う巧妙攻撃手法です。ファイル検知に寄った対策では見逃しやすいため、挙動を追えるEDRの仕組みが有効となります。

EDRはプロセス連鎖コマンド実行権限変更異常外部通信などを監視し、ファイルが残らない攻撃でも兆候を逃しません。さらに、PowerShellなどの正規ツール悪用も、通常と違う実行パターン通信の組み合わせから検知可能です。疑わしい端末隔離し、実行履歴を追って封じ込めにつなげます。

5.EDRの選定基準

EDRは導入後運用で差が出るため、機能面だけでなく使い続けられる条件慎重確認する必要があります。主な選定ポイントは次の5つです。

  • 検知精度確認
  • 運用負荷評価
  • 既存システムとの連携性はあるか
  • 導入運用コストはどのくらいか
  • サポート体制万全

5-1. 検知精度の確認

検知精度は、EDR運用土台になります。見逃しが多いと侵入兆候を取り逃し、逆に誤検知頻発すれば確認作業が膨らみます。不要アラートが増えるほど、重要度の高い事象判断が遅れかねません。

特に担当者が限られる環境では、誤検知率の高さが管理者負担になります。

そのため、重大度判定根拠明確か、例外設定チューニング容易か、業務アプリ通知適切に抑えられるかを確認します。

関連ログ横断的表示できる機能や、絞り込みのしやすさも重要です。チューニング手順推奨設定確認し、可能ならPoC (Proof of Concept:概念実証) で誤検知出方事前に確かめておくとよいでしょう。

5-2. 運用負荷の評価

EDRは導入後も、アラート確認一次調査隔離判断例外設定見直しなど運用を回し続けます。そのため、運用負荷評価では、月々の運用工数担当者が担う作業範囲具体的見積もることが重要です。

評価ポイントは、管理画面の分かりやすさ、重大度での絞り込み、端末一括設定ログ保管期間レポート作成容易さです。特に、調査必要情報時系列で追えるかどうかは、初動スピードを大きく左右します。

また、自社人材リソースに合うかも考慮しましょう。専任担当者を置けない場合は、自動隔離範囲調査ガイド有無が支えとなります。夜間対応困難であれば、MDRなどの外部運用サービス併用有力選択肢です。

5-3. 既存システムとの連携性はあるか

EDRは単体でも使えますが、既存ツール連携させることで、調査対応の更なる迅速化期待できます。例えばSIEMへログ集約すれば、端末のみならずネットワーククラウド記録突合でき、攻撃全体像容易把握可能です。

具体的には、ログ出力形式、API連携チケット管理チャット通知アラートを流せるか、SOAR (セキュリティ運用一連対応自動化する仕組み) で端末隔離アカウント停止までつなげられるかを確認します。

端末・ネットワーク・クラウド横断的可視化できる体制構築できれば、原因特定影響範囲判断が早まり、緊急時の迷いを抑えられます。

5-4. 導入・運用コストはどのくらいか

費用初期コスト運用コストに分けて検討すべきです。初期費用には設計エージェント配布例外設定既存ツール連携運用手順作成などが含まれます。導入支援依頼する場合追加費用発生します。

運用面では、ライセンス料に加え、ログ保管費レポート作成アラート確認にかかる人件費考慮も欠かせません。ライセンスは1台当たり月額1,000円~2,000円前後目安で、機能範囲やSOC/MDR連携最低購入数年額契約有無変動します。PoCで運用工数も含め総額を見て、端末台数別試算することが重要です。

5-5. サポート体制は万全か

サポート体制は、製品不具合設定トラブルなど運用上の問い合わせに加えて、インシデント発生時にどこまで支援を受けられるかが重要です。問い合わせ窓口対応時間連絡手段一次回答目安重大インシデント時のエスカレーション手順確認します。必要に応じて、検知ルール変更通知例外設定相談可否確認するとよいでしょう。

MDRを併用できるかも検討ポイントです。MDRは外部のSOC要員監視一次調査代行し、優先度付けや初動案提示までを担います。夜間休日監視が薄い場合や、調査を行う人材が足りない企業有効です。

緊急時に「誰がどこまで対応するか」を明確にし、マネージドサービス活用することで、初動遅延リスクを抑えられます。

6.まとめ

EDRは、端末挙動監視し、侵入兆候検知記録して調査対応につなげるエンドポイント向けのセキュリティソリューションです。既知脅威ブロックする事前防御中心とした従来ウィルス対策に対し、EDRは侵入後追跡と封じ込めに強みがあります。

サイバー攻撃高度化端末起点侵入境界型セキュリティ限界を踏まえると、端末状況時系列で追える体制構築が欠かせません。導入時機能だけでなく、誤検知の少なさ、運用負荷連携性費用サポート体制までを総合的評価し、自社人員で回せる形を選ぶことが成功の鍵となります。

EDRの導入を検討中ならKDDIにご相談ください

EDR導入成功には、製品選定にとどまらず、監視体制構築アラート対応フロー定義が欠かせません。運用負荷既存ツールとの連携も含め、自社環境人材リソースに応じた最適構成検討することが、実効性のある対策につながります。

KDDIでは、ゼロトラストの考え方にもとづき、EDR導入検討段階から設計既存環境との連携運用支援まで一貫してサポートしています。自社最適エンドポイント対策実現したい場合は、ぜひご相談ください。

KDDIのセキュリティサービス (マネージドゼロトラスト) はこちら

関連記事


ピックアップ